さぴあインタビュー/関西情報
「やってみなはれ精神」と
主体的に学ぶ探究学習で
生徒の心に火をつける
雲雀丘学園中学校・高等学校 校長 中井 啓之 先生
約4割が国公立大学へ
海外大学に進学する卒業生も
藪田 貴校の卒業生は約4割が国公立大学に進学されています。進路指導はどのような方針で行われているのでしょうか。
中井 結果として卒業生の約4割が国公立大学に進学していますが、それが目標ではなく、本校では生徒一人ひとりの目標が学校の目標です。ですから、進学先も国内のみならず、海外大学に行く卒業生もいます。理系と文系の比率は理系が半分より少し多い程度ですが、理系の生徒は大学院に行く割合も多いと思います。進路指導についての基本的な考え方は、大学に進学して終わりではなく、その先までをイメージさせることです。
かつての機関車に乗って進んでいるような時代は、乗り間違いがなければ安全に目的地まで行けたでしょう。しかし、次の時代には、自動車に乗っている感覚で、自分でスピードを出して運転しなくてはならなくなりました。そうした状況のなかで、事故を起こさず要領良く運転する方法を、教員も保護者も教えてきました。しかし、これからの時代は、ブルドーザーに乗っていく感覚で、自分で道を切り開いたり、時には強引に方向転換したりしなくてはなりません。なぜなら、「この大学に行って、この会社に入れば一生安泰」などということはないからです。
ブルドーザーに乗ってみずから道をつくり、自分で方向転換までするとなると、ある部分の学習をしただけでは足りません。卒業までに、多様な力をつけておくことが必要になるのです。ただ、生徒たちの可能性を広げるためには、最低限自分が行きたいと思う場所と、なぜそこに行きたいのかという理由が見つかればそれでいいのです。子どもたちは、そこに向かっていくエネルギーはたくさん持っているからです。本校は、自分の進むべき道を探す生徒を全力で応援します。
そのために個別指導も重視しています。教員と生徒の関係性が良くなければ個別指導は成り立ちませんから、本校では中学校の段階から教員と生徒の触れ合いを大事にしています。日ごろの授業はもちろん、行事やクラブ活動、探究ゼミなどで生徒の様子を教員が観察し、興味・関心の対象をつかんでいるのです。
入試広報部長の板倉宏明先生(右)と共に
藪田 それでは最後に、貴校をめざす受験生と保護者の方にメッセージをお願いします。
中井 中学入試のための勉強も必要ですが、そのための知識を覚えて終わるのではなく、「もっとこれを学びたい」という知的好奇心を、どうぞ高めてください。何か興味を持ったことがあれば、受験勉強のために捨ててしまうのではなく、それをいったん箱に入れておいて、中学生になったらその箱を開けてみてもいいでしょう。また、共感する力や思いやる心を、親子で大切にしたいものです。中学受験の結果がどうであれ、卒業時は入学時より成績が大きく伸びることが珍しくないのが私学です。お子さんの可能性を信じてあげてください。
藪田・中川 本日は貴重なお話をありがとうございました。
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