受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

高い志と探究心を育み
「サイエンス」の力で
グローバルに活躍する人に

横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校 校長 永瀬 哲 先生

独自性の高い校外研修
環境問題への取り組みも

キャプションあり
上/中学生も利用できるカフェテリア(食堂)。その隣には眺めのいいリバービューラウンジがあり、カフェテリアと合わせると250席になります
下/スーパーアドバイザーや科学技術顧問による講演会、生徒によるプレゼンテーションなどで利用されるホール

神田 校外研修の機会が多いのも特徴ですね。中学では「日本を知る」というテーマでいくつかの研修があり、そのなかに「宮古島研修」があります。宮古島はエコアイランドとして、自然と共生し、資源・エネルギーの有効活用を推進していますから、意義ある研修になりますね。

永瀬 宮古島研修は高校で行っていたものですが、中学でもエコアイランド宣言をした宮古島で自然や環境問題について学ぼうということで始めました。貴重な体験になるので、中学2年生80名が全員参加します。

 中学の校外研修は、「日本を知る」というテーマで行っています。自分たちが住んでいる国についてわかっていなくては、世界に出たときに恥ずかしい思いをしますから、中学3年間をかけて日本を理解するような内容を設定しています。2年生では「宮古島研修」のほか、「東京散策」があります。ただ東京を散策するのではなく、各班に1人ずつネイティブの大学生についてもらい、その大学生を英語で案内するという形で行っています。自国のことを知っていなくては説明できませんし、案内するところも調べなくてはなりません。もちろん、英語で話さなくてはなりません。物おじせずに外国人と話をする力も、この研修では鍛えています。

神田 高校では、さまざまな海外研修があります。たとえばマレーシア研修ですが、これは高校2年生が全員参加するのですね。

永瀬 はい。新型コロナウイルス感染症の影響で、今後は同じようにできるかどうかわかりませんが、マレーシアでは現地の連携校との交流やクアラルンプール市内研修のほか、コース別の選択研修も行っていました。また、現地校では個人研究を英語で発表する機会もあります。高校2年生は4月から「サイエンスリテラシー」の授業でそれぞれテーマを決めて研究を進めてきたので、そのプレゼンテーションを行いました。

神田 SGHの研修として、ベトナムでの環境問題調査、マレーシアでの熱帯林調査といったものも行われていますね。

永瀬 ベトナムでは、横浜市国際局・水道局・資源循環局などの協力の下、ベトナムにおける水・ゴミ問題に関するフィールドワークを行い、東南アジアの水・ゴミ問題の知識を深めるとともに、横浜市が現地で行っている協力事業についても学びました。マレーシアでは、森林研究所などの見学を通して、熱帯林を保護するための取り組みについて学びました。

21年4月号 さぴあインタビュー/全国版:
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