受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

確固たる価値観と
グローバルな視点を持って、
行動を起こせる人間を育てる

サレジオ学院中学校・高等学校 校長 鳥越 政晴 先生

進路選択の基準は価値観の実現
OBによる進路ガイダンスも充実

神田 しばらくは実施するのは難しいかもしれませんが、海外研修としては、中3生全員が参加するイタリア研修が大きなものですね。学院のルーツを知るという意味がありますし、早く再開できるようになるといいですね。

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鳥越 ヨーロッパでテロ事件があって実施することができず、それが落ち着いたら今度は新型コロナです。この8年間で4回しか実施できていません。現地では同じサレジオ会の学校との交流もありますし、生徒たちは大きな刺激を受けて帰ってくるので、新型コロナが落ち着けば、できれば再開したいですね。

山口 フィリピンでの語学研修もありますね。これはどのような内容ですか。

鳥越 高校に上がる前の春休みを利用して、希望者を対象に、マニラで9日間の英語研修を行います。現地の語学学校の寮に宿泊しながら、マンツーマンでレッスンを受けます。スラム街に行ったり、マザー・テレサの施設を訪ねたりするほか、マニラのサレジオ会の学校との交流会もあります。そのほか、2019年からは「インド・インターシップ」も始めました。年末の5日間で、インドのさまざまな〝断面〟を見てくるというもので、日本の現地法人の方や大使館の方、またスラムで教育活動をしている方の話を聞く機会もありました。参加したのは5人ほどですが、日本とは価値観がまったく異なる国ですから、刺激は大きかったと思います。インドでの経験をもとに論文を書いた生徒もいます。昨年は行けませんでしたが、ぜひ復活させたいですね。

神田 進路指導はどのような方針で進めていらっしゃいますか。

鳥越 価値観を前提としてキャリアを考えるよう、「自分にはどういう特徴があるのか、何が強みなのか、何をやりたいのか」という問いをぶつけるところから始めています。そのうえで「何をやりたいのか、それにはどこの大学がいいのか」といった流れで提示していきます。進路講演会や進路ガイダンスなどを通してさまざまな情報を提供しますが、選ぶ基準としては価値観が大切だということは、それまでにいろいろな種をまいて伝えているつもりです。

山口 中3では職場訪問があり、高1になるとOBの方が来てくださって、2泊3日の合宿形式で進路ガイダンスを行うそうですね。

鳥越 大学の模擬授業やガイダンスを日中に行い、夜には大学に進学したOBたちが来て、大学での学びやキャンパスライフなどについて話してくれます。それが生徒のモチベーションになります。高2から進路別のクラス編成になるので、高1の進路ガイダンスには大きな意味があります。

21年5月号 さぴあインタビュー/全国版:
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