受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

共に考え、挑戦し、創造する。
発展的な学びの場が
新しい世界を開く人を育てる

筑波大学附属駒場中・高等学校 校長 北村 豊 先生/中学副校長 町田 多加志 先生

家族的な雰囲気のなかで
互いに刺激し合える授業を展開

聞き手1
SAPIX YOZEMI GROUP
共同代表
髙宮 敏郎

髙宮 初めに学校の沿革についてご紹介いただきたいと思います。

北村 本校は1947(昭和22)年、東京農業教育専門学校附属中学校として開校しました。5年後に東京教育大学の附属校となり、その後、東京教育大学の改組に伴って筑波大学の附属校になりました。農業系の学校でしたので、わたしもそうですが、筑波大学の農学系(生命環境系)の教授が校長を務めることが伝統になっています。

髙宮 北村先生は昨年4月に校長に就任されたとのことですが、新型コロナウイルス感染症への対応で大変でしたね。

北村 本校に来てすぐに臨時休校となり、学校に来ても、とても静かで、寂しかったですね。休校期間中はオンライン授業を行いましたが、その後も例年どおりのことはできないだろうと教員たちも感じていました。それまで生徒たちは、学校に来さえすれば、授業を聞いていなくても、何となく学習ができたという部分がありました。しかし、オンライン授業の場合は、しっかり聞いていないと学習が完全に遮断されてしまいます。どこの学校も同じだと思いますが、勉強をしている生徒としていない生徒の差が、今まで以上に大きくなっていると感じています。そうした意味もあって、補習などは担任間で情報を共有しながら、例年より手厚く行いました。

広野 その点、1学年3クラスで120名という規模(中学)は、先生方の目が行き届きやすいですね。

北村 規模が小さいこともあって、家族的な雰囲気があり、学年のまとまりがいいですね。本校の卒業生だった教員も、「この学校は縦のつながりもあるけれど、横のつながりが強い」と言っています。

町田 生徒はあまり物怖じしないですね。人数が少ないから発言しやすいのか、積極的に質問や意見をする生徒が多いです。そういう姿を見て「自分も」と、良い影響を受けている部分は大きいと思います。

広野 入学してくる生徒たちは基礎学力が高く、好奇心も旺盛だと思います。授業でも、先生が投げたボールによって跳ね返り方がすごいのではないでしょうか。どのような雰囲気ですか。

北村 おもしろいですよ。生徒のほうから「この問題はこう解いたほうがいいのではないですか」と、新しい視点をどんどん出してくれます。新しい発想が出てくると、教員間でその情報を共有し、ほかの生徒たちにも伝えます。それが刺激になって、また新しい発想が生まれることにつながっていきます。

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21年6月号 さぴあインタビュ ー/全国版:
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