受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

共に考え、挑戦し、創造する。
発展的な学びの場が
新しい世界を開く人を育てる

筑波大学附属駒場中・高等学校 校長 北村 豊 先生/中学副校長 町田 多加志 先生

四季折々の豊かな自然環境と
現代に生きる伝統の水田学習

キャプションあり
上/蔵書数約2万2000冊の図書館。新型コロナウイルス感染症の影響で臨時休校となった期間も、「電子図書館」や「郵送貸出」で生徒をサポートしました
下/1964年の東京オリンピックで、バレーボールの練習会場として使用された体育館。広くて天井が高く、歴史を感じさせます

髙宮 一方で、筑駒といえば水田学習が有名です。昨年はどうされましたか。

北村 水田学習は毎年、中1と高1が取り組んでいます。本校近くの駒場野公園内に「ケルネル田んぼ」という水田があり、1年をかけて田植えから稲刈り、脱穀までを体験します。ただ、昨年は田植えができるかどうかわからない状況だったので、担任団の教員たちが育てた苗を生徒に持って帰ってもらい、自宅で栽培・観察するようにしました。育て方をきちんと教えて、観察日記をつけるという課題も出しました。生徒たちはとても喜んでいました。

広野 ケルネル田んぼは、23区内にある数少ない田んぼの一つですよね。バスで田んぼに出掛けて行って、田植えと稲刈りだけを行う学校はほかにもありますが、すぐ近くに水田があって、学校の行き帰りに立ち寄って見ることができる、23区内にそんな学校はそうはありません。

北村 近くに住んでいる生徒は、休校期間中にも気になって、水田を眺めに来たようです。単に米を作るだけでなく、技術科の教員は二期作ができないかと研究を進めています。田んぼにドローンを飛ばして肥料等を散布できないかと、ドローンの性能試験なども行っています。

髙宮 ハイブリッドですね。最先端の部分と日本古来の重要な米作りが融合され、そういうなかから新しい発見が生まれるかもしれませんね。

北村 校内で夏ミカンが実っていたのをご覧になりませんでしたか。ここでは山菜も採れますよ。

広野 四季折々のいろいろな植物があって、昆虫もいて、季節感が感じられます。本当にうらやましい環境です。

21年6月号 さぴあインタビュー/全国版:
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