受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

共に学ぶ喜びを感じながら
未来を心豊かに生きる
たくましさを育む

日本女子大学附属中学校・高等学校 校長 椎野 秀子 先生

自治活動は学校生活の柱
行事は中高別で活躍の場も多い

聞き手2
サピックス小学部
教務部
中野 英樹

中野 中2の東北校外授業のお話がありましたが、中3の校外授業は選択制になっていますね。

椎野 中3の校外授業は、関西歴史探訪、越後農村体験などいくつかのコースのなかから、自分が興味のあるものを選んで参加します。その一つに広島平和学習があります。原爆ドームや広島平和記念資料館に行くだけではなく、被爆地を見学して回ります。とはいえ、2泊3日の旅のなかでずっと被爆地を巡るわけではなく、ひろしま美術館もコースに入れています。そこには世界中から集められた優れた作品がたくさん展示されています。戦争をするのも人間、その一方で美しいものを愛でて、追究していくのも人間です。これでもかと悲惨さだけを教える校外授業は、若い生徒たちの旅ではないと思います。人間の良い部分に救われ、そして人間を信頼できる人になってほしいと思っています。

中野 年間行事のなかで大きなものというと、十月祭(文化祭)だと思いますが、文化祭は中学と高校とでは別々に開催されていますね。

椎野 少し時期をずらして開催しています。中高6学年が一緒にやると、一人ひとりに与えられるスポットが少なくなります。運動会も同じで、丸1日開催して一つか二つの競技にしか出られないというのではなく、いろいろな競技に出て挑んでほしいので、中高で分けて開催しています。

 本校は教育に自治活動を導入した最初の学校といわれています。自治活動は勉強と並ぶ中学生活の柱で、「自ら考え、自ら学び、自ら行う」という教育理念を実践するために、行事の運営にも生徒が主体的に取り組んでいます。最高学年の中3のときに、文化祭全体を取り仕切るような体験をしていれば、次のステージとなる高校では、さらにリーダーシップを発揮できるでしょう。

21年8月号 さぴあインタビュー/全国版:
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