受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

自由な校風の下、
学び合い、高め合いながら
社会貢献できる人をめざす

青山学院中等部 部長 上野 亮 先生

活発な交流で学びの質を高める
「教科センター方式」

先生写真
部長 上野 亮 先生

岡本 全学年とも1クラスが32名という規模です。非常に恵まれた教育環境ですね。

上野 以前は46名×6クラス編成でしたが、校舎を新しくするときに少人数制に移行することを決め、32名×8クラス編成にしました。

神田 2017年に完成した新校舎では、「教科センター方式」という新しい教育システムを採用されていますね。これはどのようなシステムなのですか。

上野 生徒が授業ごとに教室を移動するシステムです。音楽室や理科実験室といった特別教室だけでなく、たとえば英語の時間には英語教室に行き、社会の時間には地理教室や歴史教室に行くというように、教科ごとにそれぞれの専門教室に移動して授業を受けます。

 この方式にすることで、クラスや学年の枠を超えて生徒たちが混ざり合います。各教科の専用ゾーンには発表や作業のための「メディアスペース」も設けています。たとえば社会のメディアスペースには、地理や歴史に関係するさまざまな資料のほか、先輩や友だちの作品も展示され、教科に関連する書籍も置かれています。生徒は自分の興味のある教科でそうしたものに触れ、知的な刺激を受けることができます。

 聖書のなかに「賜物を生かす」ということばが出てきます。「賜物」とは、自分が神さまから与えられたもの、賜った能力や才能のことです。それを磨いて伸ばしていくことが大切であり、本校では校舎のなかでそれができるようにしているのです。生徒たちには、中高時代に自分が打ち込めるものを見つけ、磨いていってほしいと思っています。

岡本 メディアスペースには、グループ学習用のテーブルや発表用のボードなども整備されていますね。

上野 わたしたちは、生徒たちに将来にわたり役に立つ学力の基礎を学んでもらいたいと考えています。大事なのはたくさん知識を覚えることではなく、それをどう使っていくか、どう表現していくかです。そのためには自分だけで学ぶのではなく、友だちとコミュニケーション、コラボレーションして発表することが大切です。コミュニケーション、コラボレーション、そしてクリエイティビティーの三つを身につけた、みずから考え表現できる創造性豊かな生徒を育てたいと考えています。

21年9月号 さぴあインタビュー/全国版:
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