受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

探究・発信型の学びを基盤に
将来への意識を高める
新しい教育システムを導入

開智中学・高等学校 中高一貫部 校長 菅沼 健児 先生

正解のない問いについて
考える姿勢を身につけてほしい

集合写真

神田 道徳の授業で行われている「哲学対話」は、どのような内容ですか。

菅沼 正解がないテーマをクラス全体で話し合います。テーマは生徒たちが決めます。たとえば、「なぜ人は『やるな』と言われたことをやりたくなるのか」や、「不老不死の薬があったら飲みたいか」などです。椅子を丸く並べて座り、発言する人はボールを受け取ってから意見を述べます。それ以外の人は発言者の意見をしっかり聞きます。探究の学習では、「自分で仮説を立て、調べて、大勢の前で発表する」ということを何度も経験するので、自分の意見を人に伝えるスキルは上がります。それはすばらしいことですが、人の意見をしっかり聞いたうえで自分の考えを伝えるのも大切だということも知ってほしいと思っています。また、この授業には、正解のない問いについて考える姿勢を身につけてほしいという願いも込められています。受験勉強などで問題を解き続けていると、必ず正解はあるものだと思いがちですが、答えは必ずしも一つとは限りません。答えがあったとしても、それを疑ってかかることが必要なのです。

神田 卒業生たちは、毎年すばらしい進学実績を残しています。医学部への進学者も年々増えていますね。

菅沼 将来、どのような形で社会貢献するかは自分で決めることで、学校としては、特に医学部受験を勧めることはしていません。医系コースは高2から始まりますが、勉強するのは当たり前として、医学部に合格することを目的とするのではなく、どういう医師になりたいかを真剣に考えてほしいと思います。高2でしっかり意識を高めれば、勉強のモチベーションにもつながっていくでしょう。

玉井 放課後特別講座など志望大学への合格に向けたサポート体制も充実していますね。

菅沼 放課後特別講座は、内容が授業とリンクしているので効率的に学習を進めることができます。学校としてはさまざまなプログラムを用意していますが、どのように活用するかは生徒次第です。

神田 では最後に、中学受験に向けてがんばっている小学生たちにメッセージをお願いします。

菅沼 自分の人生は誰かが決めてくれるわけではありません。皆さんには大きな可能性があり、さまざまな道が開けています。どの道に進むかは自分の意思で決めていくもの。そういう考え方に共感してもらえる方と、ぜひ開智で一緒に学びたいと思っています。お待ちしています。

神田 将来の夢がある子どもにとっても、まだ見つからないという子どもにとっても、多くの学びを得られる学校だと思います。大きな期待を胸に、チャレンジしてほしいですね。本日はありがとうございました。

21年12月号 さぴあインタビュー/全国版:
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