受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

「自立・共生・感謝」を
建学の精神の理念として、
社会の変革を担う女性を育成

京都女子中学校・高等学校 校長 林 信康 先生

創立から今年で112年目
自立した女性を育てる学校

聞き手1
サピックス小学部
西宮北口校・
住吉校校舎責任者
藪田 謙一郎

藪田 初めに貴校の歴史からお聞かせください。

 本校は1899(明治32)年に私塾の顕道女学院として出発しました。創始者の甲斐和里子(旧姓・足利)は、本願寺にゆかりの深い寺に生まれました。当時は女性の教養を高めるための学校が少なかったうえ、私学の多くがキリスト教主義の学校でしたので、仏教精神に基づく教育を目的とした私塾を立ち上げたわけです。その後、1910年には本願寺が経営母体となって、高等女学校として創立され、今年で創立112年目となります。日本の文化を向上させるためには、仏教精神に基づく高い教養を身につけた女性を育て、その地位を高めることが必要だという考えから設置されたのが本校です。その趣旨は現在に至るまで連綿と流れています。

 建学の精神である「自立・共生・感謝」ということばは、親鸞聖人の教えを端的に表現したものです。「自立」とは、自分のことだけを考える自己中心的な生き方ではなく、周りの状況を見据え、どう人や社会に貢献できるかを考えながら行動するということです。「共生」とは、みんな同じ「いのち」を持っているのだから、お互いを認め尊敬し合っていこうということ。自分は、ほかの人間だけでなく、動植物や空気など、あらゆるものに支えられて生きているというのが仏教精神であり、親鸞聖人の教えです。だからこそ動植物も含めた生命倫理や環境倫理などに結びつく「いのち」の教育を行っているのです。また、「感謝」とは、自分が生かされていることへの思い。その思いが社会に役立つ人間となって恩返ししようとする力強い行動力となって表れてきます。

 誰の世話にもならないという一般的な自立のイメージではなく、みんなの世話になっている環境のなかで、多様な価値観を持った人たちと協働して人々や社会のために、主体的に責任を持って行動することを大切にしているのです。単に自己実現をめざすだけでなく、「周りを見ながら社会に貢献する」。本校には伝統的にそうした精神が流れているのです。ですから、本校の場合、文部科学省が推奨している主体的な学びを、以前からずっと実践してきたのです。

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21年12月号 さぴあインタビュ ー/関西情報:
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