受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

里山のある恵まれた環境で
課題研究に取り組みながら
難関大学への進学力を培う

奈良学園中学校・高等学校 校長 河合 保秀 先生

中学からの入学生は
「特進」「医進」の2コース

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校内の里山に設けられた「森の教室」。学年ごとにシイタケ栽培や稲作体験などの自然環境学習を実践しています

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中嶋 先ほどコース制のお話がありましたが、貴校では、中学から入学した6年一貫生の場合、難関国公立大学への現役合格をめざす「特進」コースと、国公立大学医学部医学科への現役合格をめざす「医進」コースの2コース制になっているのですね。

河合 そうです。ただ、中2までは両コースの生徒が同じクラスに所属し、同一カリキュラムで学びます。医進コースの生徒が医学部進学に向け、特進コースとは別クラスで授業を受けるようになるのは中3からです。中3進級時と高2進級時には、若干名ですが、コースを変更することも可能です。特進コースでは高2進級時に文系または理系を選択しますが、先ほど話したように、理系には「SS発展」という、サイエンスへの探究心をより一層育てるコースもあります。

 一方、高校から入学した生徒は「理数」コースとなり、高2まで6年一貫生とは別クラスで学びます。そして高3からは志望大学別授業など、さまざまな授業を特進コース(文系・理系)の6年一貫生と同じクラスで学びます。

中嶋 中学受験の際は、コースを選んで受験するのですか。

河合 はい。募集人数は医進コース35名、特進コース125名ですが、医進コースは募集人数が少ないため、受験者の平均点は上がります。そのため、医進コースが第一希望だった受験者も、特進コースでの合格となるケースが出ます。しかし、特進より医進のほうが学力が上とは必ずしもいえません。申し上げたいのは、両コースはあくまで進路の方向性の違いで分けているのだということです。

中嶋 大学合格実績を拝見しますと、2021年は156名の卒業生に対し、国公立大学に96名、医学部医学科は国公立・私立を合わせて22名というすばらしい結果です。その医学部医学科の合格者のうち、約半数が特進コースの生徒なのですね。

河合 そうです。そして逆に、医進コースから医学部医学科以外の難関国公立大学に進学する卒業生もいるわけです。進路は生徒本人が決めるもので、行きたい大学があれば、教員はそれを全力でサポートするというのが本校の進路指導の方針です。

 今年は、200校を超える全国のSSH指定校が集まって行う研究発表大会において、サギソウの受粉のしくみについて研究発表をした本校の高3生グループが、最高賞である文部科学大臣賞を受賞しました。そのメンバーには、大学でも植物の研究がしたいという生徒もいますし、医学部に進学して医師をめざす医進コースの生徒もいます。このように多様な個性の持ち主がいるところが本校の良さです。

22年1月号 さぴあインタビュー/関西情報:
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