受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

里山のある恵まれた環境で
課題研究に取り組みながら
難関大学への進学力を培う

奈良学園中学校・高等学校 校長 河合 保秀 先生

「自学自習」を重視し
自主参加の補習も豊富

キャプションあり
上/‌本館とNGプラザ(食堂や特別教室棟)をつなぐリレーションブリッジ。新校舎建設時に、生徒からのアイデアで設置されました
中/‌アクリル板を立て黙食する中1の昼食時間
下/‌校舎の中心部分に設置された図書館。約5万冊の蔵書があり、昼休みや放課後には多くの生徒が集まります

中嶋 貴校が大切にされている教育方針の一つに、「自学自習」があります。具体的には、どういう形で進めているのですか。

河合 自主性重視の典型的な例が卒業論文です。中学では「課題研究ジュニア」と称する1人1テーマの探究学習に取り組み、中3時に卒業論文としてまとめます。一方、高校では、それを本格的な課題研究につなげ、高2から高3にかけて論文を書くのですが、今度はグループでの研究になるので、中学と高校とでは異なる研究に取り組む生徒もいます。グループ研究では、メンバーと議論をしたり、意見をまとめたりするので、協調性も養われていきます。

 また、本校では、さまざまな学力アップのプログラムや補習を実施していますが、そのほとんどが、生徒が自主的に参加するものです。たとえば、夏休みや冬休みに、希望者を対象とする勉強合宿の機会を設けていますが、このときは生徒自身が勉強したいものを持参し、教員に質問をしながら進めます。一方、高2の文化祭以降に、いろいろな講座も設けており、「京都大学への数学」というような志望校別の内容のものもあります。そうした講座を受講するかどうかは生徒自身が自主的に決めます。中学では、学習の理解が十分でないと思われる生徒を対象に行うフォローアップ補習がありますが、それも強制ではなく「参加したい者は来なさい」というスタンスです。

中嶋 参加は自由でも、そうした学校の補習などをうまく活用してがんばれば、大学受験も十分な対策ができるわけですね。加えて、貴校は自習室も充実していますね。

河合 はい。図書館内には44席のキャレル席(個人用のブース席)がありますし、本館の3階には、受験を間近に控えた生徒が集中して学習できるよう、高3専用の自習室も完備しています。放課後は、こうした席で下校時間(中学生は18時、高校生は19時)まで自習することを日課にしている生徒もいますし、朝7時前に登校して学習している生徒もいます。そのように自主的に取り組んでいる生徒は伸びますし、学校内でそういう生徒の姿が見られるだけでも、お互いに高め合う雰囲気ができていると感じます。

22年1月号 さぴあインタビュー/関西情報:
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