受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

世界に通用する教育を通して
「新しい価値」を生み出す
グローバルリーダーを育成する

海城中学高等学校 校長 柴田 澄雄 先生

生徒の活躍が示した
海外で通用する教育の質の高さ

先生写真
校長 柴田 澄雄 先生

神田 新しい人間力を育てるという教育が結実したことを示すのが、2018年にニューヨークで行われた高校模擬国連国際大会で最優秀賞を受賞された山田健人さんの活躍ではないでしょうか。山田さんは卒業後、ハーバード大学に進学されていますね。

柴田 模擬国連は高校生が各国の大使になりきって、実際の国連の会議を模擬体験する活動ですが、山田くんは自分がコーディネーターになって途上国のまとめ役をしました。そして、対立ではなく調和を重んじ、みんなが納得する決議案を出しました。そうした日本的な調和と共感を生むリーダーシップが評価されたのだと思います。

キャプションあり
上/新理科館の実験室は、物理・化学・生物が各2室、地学が1室、共同実験室が2室の全9室。それぞれの分野の特徴を生かした構造になっています
下/地熱利用や太陽光・風力発電など、建物自体を教材化する多様な仕掛けがあり、生徒の科学的思考力を育てます

 グローバル社会では相互に理解・尊敬し合うことが非常に大事であり、そのためには一般教養を学び、自分なりに深めていくことが必要です。わたしは商社で働いた経験がありますが、ライバル会社の外国人であっても、よく話してみるとお互いのことがわかり、人柄も考え方も尊敬し合える関係になることがあります。山田くんはそうした相互尊敬の大切さを本校での教育も含め、いろいろな経験を通して実践で学んだのではないかと思います。

 ハーバード大学には、同窓生たちが世界中の優秀な高校生に本を贈る「ハーバード・プライズ・ブック」という賞があり、山田くんはこれも受賞しています。実は、山田くんが模擬国連で最優秀賞に選ばれたことを在校生の父親が知って、そういう賞があることを教えてくださったのです。その方もハーバード大学の卒業生なのですが、模擬国連での山田くんの活躍を見て、「彼ならハーバードに行っても活躍できる」と断言してくださいました。山田くんは新型コロナの影響で現地に行けなかった期間、ハーバードで日本の研究をされている先生の研究助手の仕事をオンラインで任せられていました。

堀口 まだ学部生の段階で、すごいですね。

柴田 本校の教育が、そうした世界レベルのグローバルスタンダードと連続性があるということが証明されたということですから、うれしいですね。ただ海外の大学に入ればいいというのではなく、入ってから活躍できる「高い質」をめざさなくてはなりません。「仲間とつながる」人間総合力が求められます。

22年3月 さぴあインタビュー/全国版:
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