さぴあインタビュー/全国版
愛されている実感のなかで
高い知性と豊かな感性を養い
人と世界をつなぎ未来へと羽ばたく
横浜雙葉中学高等学校 校長 木下 庸子 先生
来日してから今年で150周年
受け継がれる創設者の思い
サピックス
教育情報センター所長
神田 正樹
神田 初めに、学園の沿革についてご紹介いただけますか。
木下 本校は、1872(明治5)年に修道女として初めて日本を訪れたマザー・マチルドによって創設されました。マザー・マチルドは12歳のとき、フランスのニコラ・バレ神父が開設した修道会「幼きイエス会」の学校に入りました。その学校で、強い信仰を持って貧しい人々を助けるシスターと出会い、このシスターのようになりたいと思いました。同時に、日本のことを紹介した本を読んで、将来は日本に行って活動したいと思うようになりました。そして、ようやく58歳のときに、日本で宣教をしている神父から要請を受け、4人の修道女と共に日本に行くことになりました。それが1872年のことです。
すぐに横浜居留地に住む外国人の子どもの教育を始めましたが、町には親のない貧しい子どもたちがたくさんいました。その子どもたちを引き取って養育を始め、一般の女子を対象とした女学校を創設したのが本校の始まりです。
神田 わたしもマザー・マチルドの生涯をつづった本を読ませていただき、とても強い気持ちで日本に来られたことがわかりました。日本では明治時代の初めまでキリシタンへの厳しい弾圧があり、日本に行ったら大変な思いをするとわかっていたのに、「何としてでも行きたい」という気持ちがあったようですね。
木下 キリスト教の信仰や布教が禁じられているなかでも、日本の人たちのためにできることをしたいという気持ちが原点にあったのだと思います。今は学校にはシスターたちもいらっしゃいませんから、そうした歴史や創設者の思いをわたしたちが伝えていかなくてはなりません。
神田 シスターたちが日本に来られたのが1872年ですから、今年でちょうど150年になります。記念行事が予定されているそうですね。
木下 昨年には記念行事の実行委員会が発足し、さまざまな準備を進めています。先日は小・中・高校の生徒全員がグラウンドに出て、上空からドローンで写真を撮影しました。また、マザー・マチルドが来日したのが6月28日なので、この日を中心に、記念冊子の発行や記念ミサ、イベントなど、1年間でさまざまな企画を予定しています。
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