受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

愛されている実感のなかで
高い知性と豊かな感性を養い
人と世界をつなぎ未来へと羽ばたく

横浜雙葉中学高等学校 校長 木下 庸子 先生

ベースをつくる時期を過ごす
大切な場としての学校選びを

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西川 中学受験について伺います。2023年度入試から、12月の帰国生入試を新設するということですね。これまで一般入試と同日程で実施していた帰国生入試を、12月に別枠として設けられたのは、どんな理由からですか。

木下 帰国生の入試の機会を増やして、その枠を広げようと考えて12月に新設しました。多様な生徒がいることは、お互いにとって大きな刺激となり、学校生活がさらに豊かなものになると思っています。

西川 募集人員は若干名ですが、おおよそ何名ぐらいの枠を考えていらっしゃいますか。

木下 どのぐらいの方が受けて、そのうち何名が入学してくださるのかわかりませんから、難しいところです。本校は帰国生に対して「取り出し授業」のようなことはしていません。授業は一般の生徒と同じです。本校の生徒は、帰国生の枠には入らないにしても、全生徒の約1割が海外生活を経験しています。ですから興味も多様ですし、能力もさまざまですが、一緒に取り組むことで、それぞれの良さや特徴が生きてきている気がしています。個別の指導はありますが、英語の授業でも同じように学んでいます。英語力の高さ以上に、さまざまなバックグラウンドを持つ生徒が入ってきて、学校の活気につながることを期待しています。

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神田 最後に、受験生と保護者の方にメッセージをお願いします。

木下 一人ひとりを大切にして、それぞれが持つ独自の価値を尊重しながら各自の希望をかなえるためのサポートをし、共に歩む学校でありたいと願っています。ですから、本校の精神に共鳴してくださる方なら、どなたでも入っていただきたいですし、ご自身と他者のために行動できる生き方を一緒に探していきたいと考えています。わたし自身、本校で過ごして、「自分が支えられていること」「生きていてよいのだということ」を教えられました。本校の環境のすべてのなかでそうした気持ちを持ってほしいですし、そのような気持ちを持って社会に出ていってほしいと思っています。

 中高時代はとても大切な時期です。生涯の仲間ができるときでもあり、将来の自分の道を決めるときでもあります。もちろん机上での勉強も大切ですが、同時に自分の人間としてのベースをつくるかけがえのない「場」です。そういう意味で、受験生の保護者の方にも実際に本校を見ていただけたらと思います。わたしたちはご家庭と一緒に車の両輪となって、お子さんたちを守り、育てていきたいと思っております。

神田 どんな“ものさし”で学校を見るかはとても大切です。大学合格実績だけが学校の価値のように思われがちですが、わたしたちもお子さんをお預かりする身として、その子がどういう環境なら最も可能性を伸ばせるかを考えて、その子とご家庭の考えに合った学校に行ってほしいと思っています。本日は貴重なお話をありがとうございました。

22年8月号 さぴあインタビュー/全国版:
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