さぴあインタビュー/全国版
学び合いを重ねながら
「自己探究」を深め
未来に生きる力を培う
東京都市大学付属中学校・高等学校 校長 篠塚 弘康 先生
日々の教育で重視したいのは
「学び合い」と「チャレンジ精神」
サピックス
教育情報センター所長
神田 正樹
神田 初めに、貴校の沿革についてご紹介いただけますか。
篠塚 東京都市大学の前身は1929(昭和4)年に設立された武蔵高等工科学校です。この学校は学制改革で武蔵工業大学となり、1951年に武蔵工業学園高等学校が設置されました。これが本校の前身校です。その2年後、校名を武蔵工業大学付属高等学校に改称し、1956年に付属中学校が開設されました。東京都市大学と改称されたのは、大学創立80周年の2009年です。運営については、1955年から東京急行電鉄(現在の東急および東急電鉄)の創業者である五島慶太を初代理事長とする学校法人五島育英会が担っています。
神田 篠塚先生は今春、校長として着任されましたが、どのような経緯で学園にかかわることになったのでしょうか。
篠塚 わたしはこれまで神奈川県立横浜翠嵐高校の校長を務めていました。本校の校長にという話は、神奈川県の教育委員会のほうからありました。前任の校長先生が退任される時期に五島育英会が神奈川県の教育委員会に届けを出して、退職した校長のなかからわたしが選ばれたのではないかと思います。
神田 横浜翠嵐高校といえば首都圏でもトップクラスの進学校で、今年の大学進学実績もすばらしい結果を残しています。校長としての豊富な経験と実績をお持ちですから、学園が期待を込めて白羽の矢を立てられたのでしょう。先生は校長メッセージのなかで、「学び合う」こと、そして「チャレンジ精神を持つ」ことが大切だとお話しされていますね。
篠塚 本校では、生徒の主体的に学ぶ姿勢を育んでいます。その際に大切なのは、学び合うことです。問題などを解くとき、教員に教えてもらうのも一つの方法ですが、仲間同士で教え合うことは、教える側も教わる側も学びを深めることにつながります。そのような環境が本校にはあります。また、「何でも自分から経験してみる」ことがとても重要です。学校行事、部活動、学校以外の活動のいずれにしても、何でも失敗を恐れずに飛び込んでみるというプロセスが大事です。そこに人間的な成長があります。そうした挑戦を大切にしながら、高い学力と幅広い教養、健全な身体とたくましい精神力、豊かな社会性と他者を思いやる心を備えた人間を育てていきたいと考えています。
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