受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

社会貢献するための
全人教育を通して
「己の如く人を愛する」人に

暁星中学校・高等学校 校長 髙田 裕和 先生

聖母のシンボル「暁の星」は
進路をともしてくれる星

聞き手1
サピックス
教育情報センター所長
神田 正樹

神田 初めに学園の沿革についてご紹介ください。

髙田 本校はカトリックの男子修道会「マリア会」が創設した学校です。マリア会はフランス革命後の1817年、シャミナード神父によって設立されました。当時、フランスでは、革命によってそれまでの価値観が覆されたことで混乱していました。シャミナード神父は、国を再興するにはカトリック信徒を教育することが重要だと考え、フランス各地で教育事業に携わりました。そのマリア会の宣教師たちが日本を訪れたのは1888(明治21)年です。東京のカトリック大司教の司教様が、フランスで教育の成果を上げていたマリア会に日本の教育を託し、翌年の1889年、築地の聖ヨゼフ教会に隣接する神学校に間借りして本校がスタートしました。

神田 明治期の日本の義務教育の出発点は「学制」です。「学制」はフランスの教育システムを取り入れて定められました。当時はフランスの宣教師による学校も多く創設されていますし、フランスの方々に日本の教育の土台を築いていただいた感があります。貴校はまさしくその草分け的存在だと思います。

山口 「暁星」という校名は、どのようなところから付けられたのですか。

髙田 カトリック教会では、星はマリア様の一つのシンボルです。特に暁の星(金星)は、中世では、進む方向を導いてくれるものだと思われていました。マリア様がいつもわたしたちの行く手を守ってくださる。そんなところから、マリア会の日本での最初の学校に「暁星」と名付けたと聞いています。

神田 1923(大正12)年には、関東大震災で貴校も大変な被害を受けられましたが、各方面から寄付が集まって、わずか2年余りで校舎を再建されたそうですね。ローマ教皇庁からも復興のための資金が届いたと伺っています。

髙田 当時すでに卒業生がたくさんいたので、その方たちのご尽力も大きかったと思います。本校は創立時から各界の皆さまにご支援いただき、そのおかげで今があります。ありがたく思っています。

神田 それだけ愛されている学園だと思います。

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23年2月号 さぴあインタビュ ー/全国版:
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