受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

子育てインタビュー

「受験フードマイスター養成講座」講師からのアドバイス

本番で力を発揮できるように
受験生を〝食〟で支えよう

北川 みゆきさんMiyuki Kitagawa

(きたがわ みゆき)受験フードマイスター養成講座講師(講座サイトhttp://juken-food.com/) 、 野菜ソムリエプロ 、管理栄養士。大学病院、統合医療系クリニック、保育園での勤務を経て、独立。小学校や保護者向けの栄養士研修会等での食育講演や、米国の最新栄養学「ホリスティック栄養学」の考え方を取り入れた全国での講演、講義をはじめ、シェフとのコラボイベント、コラム執筆、書籍監修など、多方面で活躍中。高2と小6の2児の母でもある。

 中学受験に向けて、塾で、家で、勉強に励む子どもたち。合格をめざしてがんばる受験生にとって何よりもうれしいのは、保護者の方のサポート、とりわけ毎日の食事への気配りではないでしょうか。日々、健やかに過ごし、入試本番で最高の力を発揮できるようにするためにも、子どもの食生活について、一度しっかりと考えておきたいものです。今回は、受験生を持つ保護者などを対象に開講されている『受験フードマイスター養成講座』講師の北川みゆきさんに、子どもの食生活において気をつけるべきこと、食育の大切さなどを伺うとともに、手軽に調理できる受験生向けのメニューを教えていただきました。

「いつ、何を、どのように食べるか」
長期的な視点で受験生の〝食〟を考える

広野 アスリートの妻が食に関する資格を取って話題になるなど、近年、家庭でも食に対する関心が高まっているようです。北川さんが講師を務める「受験フードマイスター養成講座」にも多くの方が参加されているとお聞きしました。これはどのような講座なのですか。

北川 中学・高校・大学の入学試験をはじめ、人生には大事な試験がたくさんあります。そうした試験当日に最高のパフォーマンスを発揮するための食事、すなわち「受験フード」を学び、がんばる受験生を〝食〟で応援するための知識を養っていただくための講座です。受験直前や当日だけでなく、子どもの発達段階を踏まえた長期的な視点を持ちつつ、①いつ、②何を、③どのように、食べることが本番で最高のパフォーマンスを発揮することにつながるのかを学んでいきます。

広野 どのようなカリキュラムが組まれているのですか。

北川 用意している科目は、「発達と食事」「育脳栄養学」「コンディショニングⅠ/Ⅱ」の三つです。

 「発達と食事」では、お子さんの年齢や成長過程ならではの食生活の特徴を理解し、注意すべき点を学びます。これによって、「自分の子どもの食に関して、今必要なことは何か」ということを明らかにしていきます。わたしは主に、この科目を教えています。

 二つ目の「育脳栄養学」では、各栄養素が子どもにとって「なぜ、必要なのか」を学び、「自分の子どもの強化したいポイントに合わせて、何を食べたらよいのか」という点を考慮した、効率的な食材の組み合わせを考えていきます。三つ目の「コンディショニングⅠ/Ⅱ」では、受験当日に最高のパフォーマンスを発揮するための注意点、そして、本番に向けて心と体の調子を整えていく方法を学びます。

 もちろん、具体的なレシピもお伝えするので、学びながら実践が可能です。受験生世代のお母さんたちを中心に、料理研究家や食育の講師なども受講なさっています。特に、お子さんの食事については、「自分はきちんとできているのか」と疑問や不安をお持ちのお母さんが多く、受講して、「毎日の食事や弁当作りに役立った」「母親として自信がついた」といった感想をたくさん頂いています。

多様な食材をいろいろな調理法で、
偏りなく食べさせることが大切


サピックス小学部 教育情報センター部長 
広野 雅明

広野 北川さんは発達段階に合わせた食事について教えていらっしゃいますが、たとえば幼児期なら、どこに気をつけたらよいのでしょうか。

北川 幼児期は、本人の意思がはっきりしてくるときで、それだけに保護者の方は、お子さんの「好き嫌い」に頭を痛めていらっしゃるのではないでしょうか。こうした時期に、無理やり食べさせるようなやり方は感心しません。本人の意思を尊重しつつ、さまざまな食材をいろいろな調理法で偏りなく食べさせてみてください。トマトなら、そのまま切って出すだけでなく、焼いてみたり、水煮缶を試したりしてはどうでしょうか。ナスも苦手な子が多いのですが、ポタージュなどにすると案外食べられるようです。

 大切なのは、あきらめずに食卓に並べることです。たとえそのときは食べなくても、目で見て、食材に親しみを感じていれば、味覚の発達とともに、食べるようになることもあります。小さいころ、どれだけ多くの種類の食材に親しんだかということで、その後の偏食が左右されます。

広野 保護者自身が苦手なものも、食卓に並べる努力が必要ですね。

北川 大人が、小さいころからの思い込みで「苦手」だと思って遠ざけていた食材でも、実際に口にしてみると印象が変わるかもしれませんよ。調理法しだいで味や香りは大きく変わりますし、野菜などは品種改良が進んでいて、ずいぶん食べやすくなっています。大根一つをとっても、おなじみの白い大根のほか、赤、紫、黒といろいろな品種があります。調理法も、和風の煮物にこだわる必要はありません。たとえば7〜8ミリ角に切って、ベーコンや大根葉と一緒に炒め、コンソメ味のピラフにしてみると、その意外なおいしさに驚かれるはずです。

広野 子どもと一緒に、いろいろ試しながら食の幅を広げてほしいですね。小学校入学後はどうでしょうか。

北川 6、7歳になると、心身ともにしっかりしてきます。小学校に入学して給食が始まって、食べるものの幅が広がったりしますから、偏食を改善するよいチャンスです。

 高学年になると、クラブ活動で本格的に体を動かし始める子ども、受験生活に入る子ども、体重を気にしてダイエットを始める子どもなど、同じ年齢でも生活のスタイルが多様になってきます。それに合わせて、食事にも個別の配慮が必要になる時期といえます。この年齢になってきたら、「体を大きくしたいなら、たんぱく質をしっかり摂取しよう」「目をよく使う人には、ニンジンに多く含まれているベータカロテンが効果的」などと栄養素の具体的な効果を説明して、子ども自身の食への興味を深めるとよいでしょう。

おすすめの「塾前」ごはん1ブロッコリー入り卵とチーズのロールサンド

材料・3つ分
サンドイッチ用パン
3枚
バター
適量
スライスチーズ
3枚
ゆで卵
1個
ゆでブロッコリー
30g
マヨネーズ
適量
塩、粗びき黒こしょう
各少々
下準備
  • ゆで卵・ブロッコリーはみじん切りにする。
  • バターは室温に戻しておく。

①みじん切りにしたゆで卵・ブロッコリーに、マヨネーズ、塩・粗びき黒こしょうを加え、混ぜる。

②パンよりも一回り大きめのラップを用意し、パンを乗せ、バターを塗る。

③②にスライスチーズを乗せ、パンの面積の2/3に①を乗せる。端からきっちりと巻きずしのように巻き、ラップでしっかりと包んで、両端をキャンディの包み紙のようにねじって止める。

<レシピ作成:野菜ソムリエプロ・管理栄養士 北川みゆき>

18年2月号 子育てインタビュー:
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