受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

サピックスecoクラブ エコテクノ

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クラゲで土が生き返る

ほほっ、大きいね~。これはエチゼンクラゲ。このクラゲが乾燥した土地や山火事などで緑を失った土地の緑化の手助けになるかもしれないんだってさ!

鈴木 雅子 / PIXTA(ピクスタ) 

時々、大発生して、漁業に大きな被害をもたらすエチゼンクラゲ(→エコテクのカナメをチェック)。漁師さんには邪魔者扱いされがちだけれど、クラゲが荒れた土地の緑化に役立つものに生まれかわるんだ。

それが「くらげチップ」。クラゲを、塩抜きした後、水洗いをして、約60度の熱風で乾燥させる。そして、それを細かくくだいたものさ。

くらげチップの良さ①:保水性
クラゲの体は、約95パーセントが水分。つまり、クラゲは水をたくわえる力(保水力)が高いため、その力を利用する。

50グラムのくらげチップは400ミリリットルの水をたくわえることができる。これで乾燥した土地にも植物を根づかせることが可能になるってわけだ。

くらげチップの良さ②:養分がいっぱい。
クラゲには、植物の生長を促す養分(ちっ素、リン酸、カリウム)がたくさん含まれている。土にまいたくらげチップが腐って微生物に分解されると、今度は肥料となり、ごみも残らない。

苗を植えて1年後の生育状況(左:くらげチップ入り、右:くらげチップなし)

実際に、くらげチップを土に混ぜこむと植物の生長が速くなったという実験結果が出ている。

山火事などの被害を受けた土地にくらげチップを入れて、早く緑を回復させようという取り組みもある。また、砂漠化が進んで植物が育ちにくくなった土地でも、このくらげチップを使えば、植物が育つようになるかもしれない。

今後は、海水浴場でも見られる小さなミズクラゲの利用も期待されているよ。

画像提供:マルトモ株式会社

エコテクのカナメ

2000年代に入ってから、日本海側でたびたび大発生する大型クラゲの「エチゼンクラゲ」。傘の直径は2メートルに達することもある。大発生の原因は不明だが、中国と朝鮮半島の間の海で生まれて、ある程度大きくなると、その一部が海流に乗って日本海に入ってくるということはわかっている。大量のエチゼンクラゲが漁業の網に掛かると、その重さで網が破れたり、漁船が引っくり返ってしまったり、さらには網の中がエチゼンクラゲでいっぱいになって、魚が圧迫されて死んでしまったりする。日本の漁業への被害が出るということだ。

※ 越前というのは、福井県北東部の旧国名。この名前がついているのは、新種のクラゲとして発見されたのが福井県だったからといわれているよ。

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