受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

サピックスecoクラブ エコテクノ

サピックスecoクラブ エコテクノ

未来のエネルギー、「水素」

 「水素」って知っていますか? 水素は単体としては自然界にほとんど存在しないので、あまりなじみがないと思いますが、その名のとおり、わたしたちが生きる上で欠かせない「水」のもとであり、実はとても身近な物質なのです。そんな水素が、未来の新しいエネルギーとして今、とても期待されています。

これが実際に走っている水素を燃料にしたバス。一見、普通のバスに見えるよね。

中はこんな感じ。バスの天井裏に水素燃料が入ったタンクが何本も積まれているよ。

タンクの水素が、「燃料電池」に流れ込み、外から取り入れた空気中の酸素とくっついて電気を作る。

その電気でモーターを回して、バスを動かすという仕組みだ。電気を作るときに出るのは水だけ。空気を汚す物質や、地球温暖化の原因である二酸化炭素は出ない。また、町のなかで停電が起きても、バスの電気を使えるぞ。

バスの車内は、こんな感じで、広々としていて、騒音や振動も少ないようだ。

燃料である水素は、もちろん使ったら減るため、時々補給しないといけない。

だから、水素をためておくための水素ステーションが欠かせない。水素ステーションは全国に147か所(2021年6月現在)しかないから、もっと増やす必要があるね。

水素は現在、化石燃料から取り出しているが、そのときに二酸化炭素が出るし、化石燃料はいずれはなくなる資源だ。水素は水に電気を流しても取り出せるけれど、その電気を火力発電で作ったら、二酸化炭素が出る。だから、太陽光・風力・地熱などで発電した電気を使って水素を取り出せるよう、さまざまな国で研究や開発が行われているよ。

写真提供/トヨタ自動車(株)・岩谷産業(株)

ページトップ このページTopへ