受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

サピックスecoクラブ エコテクノ

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地熱とIoTで、スマート農業

 自然エネルギーを使って発電する方法の一つである「地熱発電」。日本の地熱発電所は、ほとんどが東北と九州の火山帯にあります。日本最初の地熱発電所として50年以上の歴史を持つ、岩手県八幡平市にある松川地熱発電所では、30年以上も前から、発電所から出る熱水を、温室栽培用ハウスの暖房に利用してきました。しかし、最近では高齢化が進み、農業をやめる人が後を絶たず、放置されるハウスが増えるばかりです。そんなハウス栽培を活性化するために、地熱とIoTを活用した新しい農業へのチャレンジが始まっています。

地熱発電で仕事を終えた蒸気は、温水に変えて発電所から農業用ハウスまでパイプで運ばれる。

松川地熱発電所では、地下から蒸気のみを取り出して発電しています。

これが実際にバジル栽培をしているハウス内の様子。

ハウスに張り巡らされたパイプ(写真の青い部分)に温水が流れていて、そこから発する熱でハウス内が温められるんだ。

そして、これがハウス内のIoT制御システムだ。何やらコードがたくさん出ているし、カメラもあるね。

機械が自動的にハウス内の気温や湿度などを調整したり、換気をしたり、バジルに肥料を与えたりしてくれるんだって。

バジルの生育状況などは、パソコンやタブレットの画面上で確認できるし、何か問題があればそれらを操作して指示を出せるから、ハウス内にいる必要はない。

これが、実際に収穫されたバジル。栽培する労力が減れば、農業を続ける人が増えて、 活用されないハウスを減らすことができるかもしれないよね。

写真提供/(株)八幡平スマートファーム

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