受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

サピックスecoクラブ 知りたいecoワード

サピックスecoクラブ 知りたいecoワード No.03/特別編 江戸時代のえこ事情~

植物のちからで洗う


▲ムクロジの実の皮で泡立つ水

 洗剤は衣服や食器の汚れを落とすために欠かせないものです。現代は人工的に作られた合成洗剤が多く使われていますが、江戸時代には身近にあるものを活用して衣服の汚れを落としていました。


もんた 暑ーい!! 汗が止まらないよぉ。
えころじ師匠 おぉ、それは大変だ。新しい服に着替えて、さっぱりしたらどうだ?
もんた うん、そうする!
えころじ師匠 汗を吸った服は、ムクロジを使って洗っておこう。
もんた え! ムクロジって何ですか?
えころじ師匠 ムクロジという木があってな、昔はお寺や神社、民家などによく植えられた植物だ。名前は初めて聞いたかもしれんが、きっと目にしているはず。君たち、羽根つきをしたことはあるかな?
もんた あります! お正月にする遊びですよね。
えころじ師匠 その羽根に付いている黒い玉がムクロジの実だ。
もんきち 知らなかった〜!
えころじ師匠 黒い実を包んでいる皮の部分が、昔から洗剤として使われていたんだ。
もんた 植物で本当に汚れが落ちたんですか?
えころじ師匠 ムクロジの実の皮を水に入れて、かき混ぜたり、振ったりすると泡が立ってくる。ムクロジの実の皮には、サポニンという成分が含まれており、油汚れを落とすことができるのだ。
もんきち 植物が洗剤になっちゃうんだねぇ。
もんた 江戸時代の人は、みんながムクロジで洗濯をしたんですか?
えころじ師匠 ほかにも洗剤として使われていたものはあるぞ。サイカチという植物のさや(実を覆う殻)、米ぬか、灰汁なんかも使われていた。

●サイカチ

もんきち 灰汁って…灰を使ったの!? 反対に汚くなりそう。
えころじ師匠 灰汁とは、木炭やわらを燃やした後の灰を水の中に入れることでできる、上ずみ液のこと。意外なことに、この灰汁は汚れを落とすのに優れた洗剤だった。強いアルカリ性の溶液なので、衣服に付いた汗やあかなどのタンパク質の汚れにも効果的なんだ。灰汁を洗濯に使うための「灰汁桶」という道具があったほどだ。
もんた 燃やした後の灰も無駄なく使うんですね。ぼくらも使ってみたいです。

●江戸時代の洗濯の様子

えころじ師匠 ムクロジや灰の元になる植物は、切ってもまた育てればなくなることがないうえに、汚れを落とす成分は自然の中で分解されやすく、環境にやさしい。一方、ムクロジや灰汁は合成洗剤に比べて、汚れを落とす力が弱いという欠点がある。
もんきち そっかぁ。昔の洗剤が完璧というわけではないんだね。
えころじ師匠 汚れの程度を見て、洗剤を使い分けるといいかもしれん。
もんきち 無理なく江戸時代の人々の知恵を生活に取り入れられたらいいですね。

ミニecoワード辞典/

ページトップ このページTopへ