受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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  • 18年2月号 サピックスecoクラブ 江戸時代のえこ事情 季刊

サピックスecoクラブ 江戸時代のえこ事情 季刊

サピックスecoクラブ 江戸時代のえこ事情 季刊 肥料

うんちのリサイクル

大人も子どもも、うんちをしない人はいません。うんちを、臭い、汚いと感じる人もいることでしょう。ところが、江戸時代には、お金になるほど大切なものだったのです。今回は、うんちをどのように使っていたかのお話です。


もんた 寒いのに、外で何をしているんですか?
えころじ師匠 春から野菜を育てるために、肥料を作っていたのだよ。

もんきち え? 肥料って作るものなの?
えころじ師匠 今は売られているから買ってきてもよいのだが、わたしは自分で作っている。昔は、肥料作りが冬の重要な仕事だったのだよ。
もんた へぇー、そうだったのですね。
えころじ師匠 江戸時代には、人間のうんちも肥料として使われていた。
もんきち えー!! 本当に?
えころじ師匠 肥料を使いたい農家の人は、うんちを大量に手に入れる必要があった。そこでぴったりなのが、100万人以上が暮らしていた江戸のまちだ。
もんた 人が多ければ、うんちもたくさんあるってことですね。
えころじ師匠 うむ、そのとおり。江戸のまちには「下肥買い」という、うんちを集める専門の人がいて、家々を回ってまちの住民にお金を払ったり、農村でできた野菜と交換したりして、たまったうんちを手に入れていた。そして、農村へと持ち帰る。農家は下肥買いからうんちを買うというわけだ。
もんきち それから畑にまいたの?
えころじ師匠 いやいや、実はそのままでは肥料として使えなかった。というのも、腐っていくときに、毒のあるガスや熱が発生する。これらは植物の根にとって良くないものだ。
もんきち それは、困ったね。
えころじ師匠 だから、時間をかけてよく腐らせてから肥料とした。また、成分を整えるために、稲わらと混ぜ合わせることもあった。
もんた 手間をかけて肥料を作ったのですね。
えころじ師匠 肥料をまいた畑では、再び野菜が育ち、その野菜は江戸のまちに運ばれ、人々に食べられた。食べた人はうんちをするから、それがまた肥料として使われるわけだな。

もんた ぐるぐると回っているね。
えころじ師匠 そのとおり。うんちが形を変えて使われるリサイクルが行われていたのだ。
もんきち うんちがすごく大切なものに見えてきた!
えころじ師匠 だが、現在の日本では、人間のうんちを肥料として使うことはほとんどない。たとえば、あの臭い。周りの人にとても嫌がられる。ほかに、菌が原因の病気にかかった人のうんちには、その菌が残っていることがある。それをきちんと処理しないと、別の人が病気にかかってしまうかもしれないのだ。
もんた そうかぁ、うんちのリサイクルには欠点もあるということですね。
えころじ師匠 江戸時代の人々の生活をそのまままねすることはできないが、身の回りのものを活用する気持ちや知恵は、君たちにも持っていてほしいものだな。

うんちのほかにも肥料として使われていたものがあります。

落ち葉

秋になるとコナラやクヌギなどの落葉樹が葉を落とします。これらを集め、積み上げて腐らせた後、肥料としました。

イワシ

イワシを干して乾燥させたものを「干鰯」と呼び、これも畑にまきました。

菜種

菜種から油を絞ると、かすが残り、これも肥料になります。

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