受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

サピックスecoクラブ 世界のえこ事情

サピックスecoクラブ 世界のえこ事情 第11回/エゾシマくん・キョクさん

スインドネシア/スマトラ島:パーム油と引き換えに失われる森

インドネシアのスマトラ島は、世界で6番目に大きい島。熱帯雨林地帯に属する島の中央部には赤道が通っています。かつて、ほとんどが森に覆われていたこの島は、違法伐採や農地拡大のための野焼きなどが後を絶たず、森が失われ続けています。今回は、その原因の一つ、アブラヤシ栽培についてです。


今月のエコワード:ウォームシェア


キョクさん これは、アブラヤシ。この実をしぼって、パーム油を取り出すのさ。

エゾシマくん パーム油?
キョクさん お菓子や洗剤、化粧品などの生活用品のほか、バイオ燃料に至るまでさまざまな物に使うことができるから、世界では植物油のなかで消費量が最も多いんだ。
エゾシマくん 日本でも使っているの?

▲アブラヤシの実

キョクさん 日本では、ナタネ油の次にたくさん使っているよ。
エゾシマくん ほえぇ〜。
キョクさん アブラヤシは年間を通じて収穫できて収穫量も多いから、価格が安いことが強み。でも、世界中から求められるようになって、生産地ではさまざまな問題を抱えている。
エゾシマくん そうなの?
キョクさん アブラヤシは、熱帯の天然林を伐採したり焼き払ったりして開発した広大な土地に、1種類の作物を大量に育てるプランテーションと呼ばれる農法で作られているんだ。だけど、スマトラ島では、この農法によって、たくさんの天然林が失われ続けていて、多くの生き物が命の危険にさらされている。
●日本の植物油種類別消費量(2012/13年度)

出典/一般社団法人 日本植物油協会

エゾシマくん えぇ! どうして? アブラヤシが植えられているんだから緑は多いんじゃないの?
キョクさん 天然林は何種類もの樹木や果実があるからこそ、野生生物の餌場やすみかになるんだ。でも、1種類の植物しか植わっていない森では、生活していけない生き物の種類も多い。たとえば、一生のうちほとんどを木の上で過ごし、さまざまな木の実や皮などを食べるオランウータンがそうだね。
エゾシマくん アブラヤシの木だけがいくらあっても安心して過ごせないんだね。
キョクさん また、食べ物を求めてアブラヤシ農園にやってくる生き物は、殺されてしまうこともあるんだ。


▲アブラヤシのプランテーション

エゾシマくん そ、そんな〜。
キョクさん そして今、深刻な問題になっているのは、アブラヤシ農園を造るために行われる野焼きによる森林火災。
エゾシマくん 火災!?
キョクさん インドネシア政府は野焼きを禁止しているけれど、それでも違反する人が後を絶たず、森林火災が頻繁に起き、多くの生き物が焼け死んでいる。木を切るよりも森を一気に焼く方が時間もお金もかからないから、こんなことが起きてしまっているんだ。そして周辺国にまで広がっている煙害 (ヘイズ)も見過ごせない。
エゾシマくん このままだと、スマトラ島の森も生き物もなくなってしまうじゃないか。
キョクさん かといって、生活に欠かせないパーム油を一切使わないってわけにはいかないし、地元の住民の生活もかかっている。
エゾシマくん じゃあ、どうすればいいのさ。
キョクさん 保護する価値の高い手つかずの森や貴重な動植物がいる地域では、アブラヤシ農園の開発をしないといった取り組みを始めた企業もあるらしい。また見に行ってみるよ。

キョクさんのミニ知識

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