受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

サピックスecoクラブ 世界のえこ事情

サピックスecoクラブ 世界のえこ事情 第12回/エゾシマくん・キョクさん

日本/鹿児島県屋久島:つないでいくウミガメの命

 日本では寿命が長いなどの理由から縁起が良いとされるカメ。なかでも海にすむカメは「ウミガメ」といわれ、陸に上がって産卵することから、おとぎ話『浦島太郎』では竜宮城の使い役ともされています。日本は世界でも有数のウミガメの産卵地です。今回は、日本各地に上陸するアカウミガメの30〜40%が上陸しているとされる、屋久島 (鹿児島県)の永田浜のウミガメを守る取り組みについてです。


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キョクさん おっと、屋久島へウミガメに会いに行かなくては!

エゾシマくん ウミガメ?
キョクさん 一生のほとんどを海の中で過ごして、卵を産むときだけ陸に上がってくるカメだよ。
エゾシマくん ほえぇ〜。
キョクさん 現在、世界中で確認されているウミガメは少なくとも7種類いて、そのほとんどが絶滅の危機にあるといわれている。
エゾシマくん どうして絶滅しそうなの?
キョクさん 昔から人間に乱獲されて、食用や装飾品、メガネのフレームなどに利用されてきたのさ。そして、最近では、漁業用の網や釣り針に掛かったり、海を漂っているプラスチックごみを餌と間違えて飲み込み、体内で詰まらせたりして、死んでしまうこともわかっているんだ。
エゾシマくん うぅ…。そんな問題があるんだね。
キョクさん 日本にはそのウミガメのうち、アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種類が、だいたい4月から8月にかけて、産卵のためにやって来る。
エゾシマくん へぇ! 見てみたいなぁ!
キョクさん ふふふ。ぼくがこれから行こうとしている屋久島の永田浜は、日本で最も多くアカウミガメが上陸する場所さ。
エゾシマくん へぇぇ!
キョクさん 永田浜は、長年、ウミガメを保護する取り組みが盛んなんだ。ちなみに、鹿児島県の取り決めで、屋久島のウミガメを捕まえたり卵を取ったりすることは禁止されている。
エゾシマくん なるほどね~。
キョクさん けれど、一つ心配なのが、屋久島が世界遺産に登録されてから、ウミガメ観察のために来る人が増えていること。1万人も来た年もあるんだ。
エゾシマくん どうして人が増えると心配なの!?
キョクさん ウミガメはとてもデリケートな生き物だから、産卵しに砂浜に近づいてきても、砂浜に光や人の気配があるとなかなか上陸しないんだ。

エゾシマくん うぅぅ。
キョクさん それから、砂浜を利用する人が増えれば、砂が踏み固められて、卵からかえった子ガメが砂の中から出られなくなる。また、子ガメは光に向かう習性があるから、本来なら月の光に誘われて海に向かうんだけど、人工の光があるとそちらに向かって進み、海へ帰ることができない。携帯電話の光にすら反応するんだよ。
エゾシマくん 人工の光はウミガメの親子にとって迷惑なんだねぇ。
キョクさん 永田浜はアカウミガメの産卵地として、とても重要な場所なので、国立公園に指定され、ラムサール条約の湿地にも登録されたんだ。そして、ウミガメを保護するために「永田浜ウミガメ観察ルール」を作って、浜を訪れる人たちに守ってもらっているのさ。
エゾシマくん ルール?
キョクさん うん! 産卵と子ガメがふ化する時期の夜は、浜への立ち入りを控えてもらうというもの。
エゾシマくん ほほー。
キョクさん どうしてもウミガメの産卵やふ化が見たい人は、係の人にレクチャーを受けて、観察会に参加できるよ。
エゾシマくん キョクさんもその観察会に参加するの?
キョクさん いやいや、ぼくは上空からじーっと観察するさ。きょきょっ!

キョクさんのミニ知識

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