受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

サピックスecoクラブ 世界のえこ事情

サピックスecoクラブ 世界のえこ事情 第13回/エゾシマくん・キョクさん

オーストラリア:グレートバリアリーフで過去最大の白化現象

 2000キロ以上にも広がる世界最大のサンゴ礁地帯、オーストラリアのグレートバリアリーフ。サンゴが作り上げたその広大な景色は、宇宙からも見ることができるほど。さまざまな海洋生物がすみ、世界遺産にも登録されたこの場所では、これまでにない広い範囲でサンゴの白化現象が起きていて、死滅しているサンゴもいることが世界中に報告されました。


今月のエコワード:ウォームシェア


キョクさん サンゴが大変だよ~!

エゾシマくん サンゴ?
キョクさん サンゴは、見た目は木の枝や岩のようだけれど、イソギンチャクやクラゲなどと同じ仲間の動物なんだ。
エゾシマくん ふ~ん。
キョクさん ただ、サンゴはその場から動くことができないので、流れてくる小さな生き物を、体の表面にある手(触手)で捕まえて食べているんだ。それだけでなく、からだの中に褐虫藻という植物プランクトンをすまわせ、その褐虫藻が太陽の光を利用して作り出す(光合成)栄養や、呼吸に必要な酸素をもらっているんだよ。
エゾシマくん ほほぉ~。それで、そのサンゴがどうしたの?
キョクさん 真っ白なんだ!
エゾシマくん 真っ白?
キョクさん 褐虫藻が生きられる水温は18〜30℃くらい。もともとサンゴはそのくらいの水温の海にすんでいて、褐虫藻をすまわせていることで色がついている。ところが、海水温が上がると、高温に耐えられない褐虫藻は光合成を行わなくなり、サンゴは体から褐虫藻を吐き出してしまう。
エゾシマくん え、そうなんだ。
キョクさん すると、サンゴの体はたちまち真っ白になってしまう(白化現象)んだ。

エゾシマくん でも、褐虫藻がいないと、サンゴは栄養不足になるんじゃ…。
キョクさん そのとおり。この現象が長い間続けば、サンゴは死んでしまう。
エゾシマくん ひょえぇ~。
キョクさん この現象が深刻な場所が、まさにグレートバリアリーフなんだ。これまで、ここのサンゴが白くなってしまう現象はたびたび起こっていたんだけれど、今年、約900か所を調べたところ、その93%が白化状態だそうだ。
エゾシマくん えぇ!
キョクさん さらに、北部と中部の84のサンゴ礁に至っては、平均で35%が死滅したらしい。

エゾシマくん もう死んじゃったサンゴもいるんだ…。
キョクさん 今回の大きな原因は、人間が石油や天然ガス、石炭を使うことで出る二酸化炭素などによる地球温暖化の影響に加えて、2014年から続いたエルニーニョ現象によって、海水温がとても高くなってしまったためといわれているんだ。
エゾシマくん なるほど~。
キョクさん グレートバリアリーフは、1500種以上の魚、絶滅危惧種のウミガメやジュゴン、イルカ、ザトウクジラなどの生息地。多種多様な生き物の大切なすみかとして貴重な場所だから、世界遺産に登録されているし、毎年多くの観光客が訪れる人気のスポットにもなっている。
エゾシマくん そのサンゴがなくなれば、多くの生き物のすみかも失われるということか。
キョクさん そうさ。これからどうなっていくか、とても心配だけど、見守っていくことにするよ。

キョクさんのミニ知識

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