受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

おしえてピグマはかせ

サピックスの通信教育・ビグマキッズくらぶ おしえてピグマはかせ

No.97

 「ピグマキッズくらぶ」は、小学1年生から4年生のために開発されたサピックスの通信教育です。そのテキストでおなじみのピグマはかせが、皆さんがふだん疑問に思っていること、不思議に思っていることにお答えします。
 今回は「空気」のお話です。地球には空気がありますが、地表の上空、高度数百キロ先には空気がない宇宙空間が広がっています。なぜ地球にある空気は宇宙に出ていかないのでしょうか。

なぜ地球にある空気は宇宙に飛んでいかないの?

人も空気も地球に引っ張られている!?

げんちゃん 図鑑で、人工衛星から撮った地球の写真を見たよ。地球の周りはうっすらともやがかかっているようだけど、あれは何?
ピグマ博士 空気だよ。地球は空気の層に包まれているんだ。その全体を「大気」ともいう。
さやかちゃん 宇宙には空気がないものね。
ひかるくん でも不思議だよね。どうして空気は地球の周りにとどまっているのかなあ。なんで宇宙に出ていかないんだろう。
ピグマ博士 「重力」というものがあるからだよ。
えりちゃん 重力?
ピグマ博士 地球はボールみたいに丸い形をしているよね。日本の反対側は南アメリカのブラジル辺りだけど、ブラジル人たちは日本にいるわたしたちとは逆さまに立っていることになる。でも地球から落っこちないよね。どうしてだと思う?
げんちゃん どうしてだろう。足が上、頭が下なのに。
ピグマ博士 地球上にあるものにはみんな、地球の中心に向かって引っ張る力がはたらいている。それが「重力」だ。つまり日本でもブラジルでも、地球の中心の方向が「下」なんだ。だから人は地面に引きつけられるというわけだ。大気も同じように地面に引きつけられているから、宇宙に飛んでいかないんだ。

大気の層は命を守るバリアー

えりちゃん どのくらいの高さまで行ったら、空気はなくなるの?
ピグマ博士 8000メートルを超えるエベレストの頂上だと、地上の3分の1ぐらいしか空気がないんだ。空気があるのは、だいたい高さ100キロぐらいまで。人工衛星はそれより高いところを回っているんだよ。空気があるところでは、空気の抵抗で失速して、地上に落ちてきてしまうからね。もっとも、その前に空気との摩擦で燃え尽きるだろうけど。
さやかちゃん 100キロも上まで空気があるなら安心ね。
ピグマ博士 でも地球の直径が約1万3000キロもあるのに比べれば、大気の層はそんなに厚いとはいえないよ。仮に地球が直径1メートルの大きさだとすると、大気の厚さは7〜8ミリぐらいしかないことになるんだ。
げんちゃん へえー。それがもし宇宙に飛んでいって、なくなったら大変だね。ぼくたち、息ができなくなっちゃうよ。
ピグマ博士 実際、地球より小さくて軽い月や水星は重力が弱くて、大気を引きつけておくことができないから、ほとんど大気がないんだ。重力は重い天体ほど強く、大気を引きつけやすいからね。木星、土星、金星、火星などには大気があるよ。ただ、その成分が地球とは違う。地球では空気の約80%が窒素で、約20%が酸素だよ。この酸素が生命を育むのに欠かせないんだけど、酸素を含む大気があるのは、太陽系では地球だけなんだ。
えりちゃん 大気の役割はそれだけなの?
ピグマ博士 太陽の熱を蓄えて、地表を、生き物が生活するのにちょうどいい温度に保つはたらきもしてくれるんだ。たとえば月には大気がほとんどないから、太陽の影響をまともに受けてしまい、温度の変化が激しいんだ。しかも、昼と夜はそれぞれ2週間ずつ続くから、太陽が当たる昼は100度以上になって、当たらない夜はマイナス200度近くにもなるんだよ。
げんちゃん そんなところじゃ生きていけないよ。
ピグマ博士 そうだよね。地球には大気があるからこそ雨が降って、海ができ、温度の変化が穏やかになっているんだ。また、大気の層の上のほうにあるオゾン層という部分は、生命に害のある紫外線を吸収してくれるはたらきがあるんだよ。
ひかるくん 大気があることで、ぼくたちはいろいろな危険から守られているんだね。
ピグマ博士 大気の層は生き物を守るバリアーというわけだね。

■保護者の方へ

 地表にあるものはすべて「引力」によって地球の中心方向に引っ張られています。一方、地球は自転しているので、外側に向かう「遠心力」もはたらいています。この引力と遠心力を合わせた力が「重力」です。空気は地球の重力に引きつけられて、地球を取り巻いています。そのおかげでわたしたちは、この地球上で生きることができます。地球よりはるかに小さくて軽い月や水星にはほとんど大気がありません。木星や土星などの大気はほとんどが水素です。地球よりは小さくても、ある程度の大きさがある金星や火星にも大気はありますが、ほとんどが二酸化炭素です。当たり前のように空気を呼吸しているわたしたちですが、宇宙的な視点から見ると、この地球がいかに特異な条件がそろった星であるかがわかります。

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