受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

おしえてピグマはかせ

サピックスの通信教育・ビグマキッズくらぶ おしえてピグマはかせ

No.97

 「ピグマキッズくらぶ」は、小学1年生から4年生のために開発されたサピックスの通信教育です。そのテキストでおなじみのピグマはかせが、皆さんがふだん疑問に思っていること、不思議に思っていることにお答えします。
 今回はお米のお話です。お米は日本人の主食といわれています。でも日本は、お米を作る量も、食べる量も、お米を主食とするほかのアジアの国々と比べてけっして多くありません。なぜなのでしょうか。

千両箱って本当に千両入っているの?

世界のお米の半分は中国、インド産

ピグマ博士 もうすっかり秋だね。
げんちゃん この時期になると、毎年、新潟の親戚がコシヒカリの新米を送ってくれるんだ。楽しみだなあ。
ひかるくん 新米って、収穫したばかりのお米ってこと?
ピグマ博士 収穫したお米からもみ殻だけを取り去ったものを「玄米」。そこからさらに、ぬかや胚芽を除去したものが、みんなが食べている「白米」というんだけど、「新米」と表示されるのは、その年に収穫され、同じ年の大みそかまでに精米されて包装された白米。品種にもよるけど、新米は粘り気があって香りが豊かだよ。でも、日本のお米は一定の温度に保った倉庫できちんと保管されているから、新米でなくても、1年中おいしく食べられるよ。
ひかるくん 日本では毎年、どのくらいのお米がとれるのかなあ。
ピグマ博士 精米の重さにして、年間800万トンくらいの収穫があるよ。
えりちゃん それって世界で多いほうなの?
ピグマ博士 けっして多いとはいえないよ。世界全体で作られている量は年間約5億トン。いちばんたくさんお米を作っているのは中国だよ。次はインドで、中国とインドだけで世界の約半分のお米が作られているんだ。インドネシアやバングラデシュも生産量が多くて、インドネシアは日本の7倍近く、バングラデシュは日本の5倍近くを作っているよ。日本は世界で10位。アメリカの生産量とあまり変わらないよ。
えりちゃん アメリカでもお米を作っているんだね。
ピグマ博士 多いのはアジアだけど、アフリカやヨーロッパでも、お米を作っている国はあるよ。

3食のうちご飯は2回、おかわりなし!

さやかちゃん でも、世界でいちばんお米を食べているのは日本人なんでしょ。日本の主食だもん。
ピグマ博士 それがそうでもないんだ。国民1人当たり1日にどのくらいのお米を食べるかで比べると、世界でいちばん多く食べているのはバングラデシュ。日本の3〜4倍の量を食べているよ。カンボジアやベトナムなども多いよ。そうしたアジアの国々に比べて日本は少なく、国民1人が1日に食べるお米は約150グラム。精米約65グラムでお茶わん1杯分になるから、1日に2杯と少しという計算だね。
ひかるくん バングラデシュの人は1日に6杯以上も食べているってことだね。
げんちゃん じゃあ、ぼくと同じくらいだね!
ピグマ博士 日本でいちばん多くお米を食べていた時期が1962年で、今はその半分以下になっているんだよ。お米の消費が減れば、米作りをする農家も、米を作る田の面積も減ってくるよね。日本の田の総面積は約245万ヘクタール。これは青森県と岩手県を合わせたくらいの広さだけど、実際にお米を作っている作付面積はその3分の2程度なんだ。
えりちゃん お米を作っていない田んぼも多いってことね。
ひかるくん ぼくも朝はパンだし、昨日のお昼はみんなでラーメンを食べたもんなあ。
ピグマ博士 パンや麺類の原料である小麦は、ほとんど外国から輸入しているんだよ。ある国の人が食べる食料のうち、国内で作られている食料の割合を「食料自給率」といって、日本はそれが39%。先進国のなかでもこんなに低い国はほかにないよ。食料の6割以上を外国から買っているってことだからね。
げんちゃん 外国から買うのはよくないの?
ピグマ博士 人口増加や異常気象などの問題で、毎年同じように日本に売ってくれるとは限らないからね。だって、自分の国が食料不足のときは、外国に輸出する余裕なんてないだろ? だから日本でも、2025年度までに食料自給率をせめて45%まで上げようと、いろいろな対策を立てているよ。
さやかちゃん みんながもっとごはんを食べるようにすれば、お米ももっと作られるようになるし、外国から小麦などを輸入する必要もなくなるんじゃない?
ピグマ博士 そんなに簡単なものじゃないよ。パンもラーメンも、日本の食文化として完全に定着しているし、それで生活している人もいる。それに、外国に対しても、「日本の工業製品を買ってください。だけど、あなたの国の農産物は買いませんよ」とは言えないだろ。米作りや食料自給率の問題は、そうした貿易の問題も絡んで難しいんだ。みんなで考えなければならない大きな課題なんだよ。

■保護者の方へ

 和食がユネスコの無形文化遺産に登録されて3年。米飯を中心とした和食の良さが世界で注目される一方、国内では米の消費量が減少を続けています。また昨年秋に、TPP(環太平洋パートナーシップ)が大筋で合意されたことによって、米の輸入枠拡大による農家への打撃も懸念されています。米の消費拡大については、米菓や酒類の輸出拡大、米粉食材の開発、和食給食の拡大など、さまざまな取り組みがなされています。輸入飼料を減らして、国産飼料用米を増やすことで水田を活用しようという動きもあります。食卓の未来を担う日本の米作り。未来を担う子どもたちにも考えてほしい大切なテーマの一つです。

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