受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

おしえてピグマはかせ

サピックスの通信教育・ビグマキッズくらぶ おしえてピグマはかせ

No.116

 「ピグマキッズくらぶ」は、小学1年生から4年生のために開発されたサピックスの通信教育です。そのテキストでおなじみのピグマはかせが、皆さんがふだん疑問に思っていること、不思議に思っていることにお答えします。
 今回は寒さを感じる体の仕組みについてのお話です。人は寒さを感じると身を縮めたり震えたりします。なぜでしょうか。寒さによって起こる体の変化について探ってみましょう。

どうして「寒い」と感じるの?

人はいつも熱を作り出している

えりちゃん 今日も寒いわね。げんちゃん、よくそんな薄着でいられるね。寒くないの?
げんちゃん 全然。えりちゃんは寒がりだなあ。これくらいの寒さ、平気だよ。「子どもは風の子」っていうだろ。
さやかちゃん どうして同じ場所にいても人によって寒さの感じ方が違うのかしら。 さやかちゃんイラスト
ピグマ博士 不思議だよね。まず人間の体がどのように寒さを感じるか考えてみよう。生きていくにはエネルギーが必要だよね。そのエネルギーは、食べた物の栄養を体内で燃焼させることによって得ているんだ。だから人間の体はいつも熱を作り出しているんだよ。体って温かいでしょ。みんなはふだんの自分の体温を知っているかい?
ひかるくん ぼくは37度くらいだと思うよ。
ピグマ博士 そうだね。人間の平均体温は36〜37度。これに対して気温は、ほとんどの場合、体温より低いよね。だから体が熱を生み出す一方で、体から逃げていく熱もあるんだ。そのバランスを保ちながら、たとえば、ひかるくんの体だったらいつも体温が37度ぐらいになるように保たれているんだよ。そういう働きをしているのが皮膚だよ。皮膚には皮膚の温度より高い温度刺激を感じる「温点」と、逆に冷たい温度刺激を感じる「冷点」という〝センサー〟が点在しているんだ。寒さを感じるとみんなの体はどうなる?
さやかちゃん 首をすくめたり、体を丸めたりして縮こまっちゃう。
ひかるくん 急に寒くなったときは、ぶるっと震えるよ。
えりちゃん 寒いと顔や手が白くなることもあるわ。
ピグマ博士 どれも体の熱が逃げないようにするためだよ。皮膚の表面の近くには血管があるよね。血管には温かい血液が流れているから、流れる血液の量を少なくすれば、それだけ皮膚から熱が出て行くのを防げる。だから皮膚の「冷点」が寒さを感知すると、脳からの指示によって血管が縮まって、血液の流れる量が減り、それで顔や手足がふだんより白っぽくなるんだ。寒いと体を丸めるのは、体の表面積を小さくするためだよ。そうすれば冷たい空気に触れる部分が少なくなって、体からたくさんの熱が奪われるのを防ぐことができるからね。

筋肉の多い人は寒さに強い?

ひかるくん 寒いと体が震えるのはどうしてなの? ひかるくんイラスト
ピグマ博士 体が震えるのはとても寒いときだよね。みんなは経験したことがあるかな。最初は口の周りの筋肉が震えて、歯がガチガチ音を立て、そのうち全身が震えてくるんだ。これは震えることで、体が熱を作り出そうとしているからだよ。人間の体が熱を作り出すのは主に筋肉。筋肉を動かせば熱が生まれるんだ。
げんちゃん でも筋肉って、動かそうと思えば動かせるけど、震えは止めたくても止められないよね。
ピグマ博士 動かそうと思わなくても、動く筋肉だってあるよ。震えは自分の体を守るために自然に出てくる動きなんだ。そこが人間の体のすごいところだよね。寒がりの人とそうでない人の話があったけど、それも筋肉と関係しているんだよ。筋肉がたくさんついていればそれだけ筋肉の発熱量が多いから、筋肉量が多い人のほうが寒さに強いといわれているよ。
げんちゃん ボクサーとかプロレスラーが寒くて震えるなんて、かっこ悪いし、似合わないよ。 げんちゃんいらすと
ピグマ博士 筋肉のほかに、皮下脂肪が多い人も寒さに強いよ。脂肪は熱を伝えにくい性質があるから外の寒さを体の中に伝えないように食い止めてくれるんだ。逆に、体の中の熱も外に逃がさない。だから、筋肉も脂肪も多い相撲の力士には暑がりの人が多いようだよ。
さやか げんちゃんも言っていたけど「子どもは風の子」ってよくいうでしょ。でも子どもだからって寒さに強いってことはないと思うわ。寒いときは寒いもの。
ピグマ博士 そうだね。子どもだからといって、寒さに強いってことはないと思うよ。「子どもは風の子」といわれたのは、寒い冬でも外で元気に遊んで丈夫に育ってほしい、そんな願いからいわれたことかもしれないね。

■保護者の方へ

 寒さや暑さを感じるのは人間が外気温に関係なく、ほぼ一定の体温を保っている恒温動物だからです。恒温動物は、体温が高すぎたり低すぎたりすると内臓や筋肉が機能しなくなるなど、生命が危険にさらされます。それを防ぐために、さまざまな方法で体温調節をしています。この機能が最も発達しているのは人間といわれます。動物については体温維持と体の構造の関係を示すものとして、「恒温動物では同じ種でも寒冷地に生息するものほど、耳や鼻、足、尾などが短い」(アレンの法則)、「恒温動物は同じ種でも寒冷地に生息するものほど体重が重い」(ベルクマンの法則)といった理論があります。興味があれば調べてみるとおもしろい発見があるでしょう。

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