受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

おしえてピグマはかせ

サピックスの通信教育・ビグマキッズくらぶ おしえてピグマはかせ

 「ピグマキッズくらぶ」は、小学1年生から4年生のために開発されたサピックスの通信教育です。そのテキストでおなじみのピグマはかせが、皆さんがふだん疑問に思っていること、不思議に思っていることにお答えします。
 今回は風邪のお話です。空気が乾燥する冬は風邪をひきやすい時季。風邪をひくとせきや鼻水が出るだけでなく、高い熱が出てつらくなることもあります。なぜ風邪をひくと熱が出るのでしょうか。

なぜ風邪をひくと熱が出るの?

熱でウイルスへの守りをパワーアップ

さやかちゃん クラスで風邪がはやっているけど、みんなは大丈夫? さやかちゃんイラスト
ひかるくん ぼくはこの前、風邪っぽかったけど、熱が出るほどじゃなくて、もう治ったよ。
えりちゃん 風邪をひくと、せきや鼻水が出るのも嫌だけど、熱が出るのも嫌だよね。一日中、寝ていなくちゃならないし。どうして風邪をひくと熱が出るんだろう。出なければいいのに。
ピグマはかせ 風邪の原因はウイルスや細菌。熱が出るのは、体の中に入ってきたウイルスを体がやっつけようとするからだよ。
げんちゃん 熱でやっつけるってこと?
ピグマはかせ 人の体には「免疫」といって、ウイルスや細菌から体を守る防御システムがあるんだ。空中にはウイルスや細菌がただよっているけど、それが体の中に入っても、簡単には病気にならないのは、防御システムがはたらいているから。それが体に侵入してきたウイルスなどを撃退しているんだよ。でも、体が弱って抵抗力がなくなっているときに、たとえば、強いウイルスが入ってくると、簡単には撃退することができない。そこで、防御力を高めるスイッチが入って、いろいろな反応が起こるんだ。せきや鼻水が出たり、熱が出たりするのは、外から入ってきた異物に対する防御反応なんだよ。
げんちゃん 守りをパワーアップするってことだね。 げんちゃんイラスト
さやかちゃん でも、どうしてせきや鼻水が出たり、熱が出たりすることが、ウイルスに対する防御になるの?
ピグマはかせ せきや鼻水が出るのは、体に入ってきた異物を外に排出しようとしているからだよ。一方、熱が出るのは、体温が高いほうが免疫の防御反応が活発になるからだといわれているよ。ウイルスや細菌を撃退する免疫細胞は、温度が高いほうが元気にはたらけるようなんだ。逆に風邪のウイルスは高温に弱いので、体温が上がれば、それだけ撃退しやすくなるんだよ。

熱は無理に下げないほうがいい!?

ピグマはかせ わたしたち人間の体温は、だいたい36度~37度ぐらいに保たれているよね。体は、内臓や筋肉の活動によって熱を作っている。作り過ぎてしまったときや暑いときは、体の表面から余分な熱を逃がすようにするし、逆にあまり作れないときや寒いときは、熱を逃がさないようにして温度を調節しているんだ。その指令を出しているのは脳だよ。風邪をひいたときも、脳が「体温を上げよう」という指令を出すんだ。すると、筋肉が収縮されて熱が作り出される。また、風邪のとき体がふるえるのは、そのためなんだ。皮膚の近くの血管を収縮させたり、「汗腺」という汗の出る穴を閉じたりして、熱を逃がさないようにもする。こうして体温を上げていくんだよ。
えりちゃん うまくできているね。ウイルスをやっつけてしまえば熱は下がるんだ。 えりちゃんイラスト
ピグマはかせ 風邪をひいて高い熱が出ているときは、それほど汗をかかないよね。それは、汗をかくと体温が下がってしまうからだよ。ウイルスへの攻撃が終われば、体温を高いままにしておく必要はないから、汗をかいて熱を逃がすんだ。
さやかちゃん 汗をたくさんかくと熱が下がって、風邪が治ったって感じがするものね。
ピグマはかせ だから熱が高いのは、体の中で免疫細胞がウイルスと戦っている証拠。そのときに熱を下げる薬はあまり飲まないほうがいいといわれているよ。無理に解熱剤を使って熱を下げると、せっかくウイルスや細菌を撃退しようとしている免疫の防御反応を、邪魔してしまう可能性があるからね。
ひかるくん でも、熱が高くなると頭がぼーっとするし、何も食べられないし、けっこうきついよ。 ひかるくんイラスト
ピグマはかせ そうだね。確かに、高熱で体力の消耗が激しいときは、解熱剤で少し体を楽にすることも必要だよ。ただ、風邪薬というのはもともと、症状を和らげるためのものなんだ。薬で風邪の原因であるウイルスそのものを攻撃することはできないといわれているよ。だから、風邪をひいたと思ったら、体を温め、栄養や水分を補給して、安静にしていることが一番だよ。
ひかるくん そうすれば、人間の体が本来持っている、自分で治ろうとする力を助けることになるんだね。
ピグマはかせ そのとおり。

保護者の方へ

 人間の体には、病気やけがをしたとき、自分の力で治そうとするはたらきが備わっています。たとえば転んで足をすりむくと、壊れた組織を修復・再生する機能がはたらき、傷口は次第に元に戻っていきます。一方、傷口から細菌が侵入しようとすると、防御機能がはたらいてこれを排除しようとします。こうした防御機能を担っているのが免疫細胞です。白血球に代表される免疫細胞は、体内に侵入してきたウイルスや細菌などの病原体を異物として認識し、攻撃するのです。また、発熱することでウイルスを駆除しようとするのも体の防御反応の一つといえます。風邪予防には室内の乾燥対策などを行う一方、バランスのとれた栄養摂取や質の高い睡眠、適度な運動など、日ごろの生活のなかで免疫力を高めていくことが大切です。

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