受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

おしえてピグマはかせ

サピックスの通信教育・ビグマキッズくらぶ おしえてピグマはかせ

 「ピグマキッズくらぶ」は、小学1年生から4年生のために開発されたサピックスの通信教育です。そのテキストでおなじみのピグマはかせが、皆さんがふだん疑問に思っていること、不思議に思っていることにお答えします。
 今回は呼吸のお話です。息を吸う。そして吐く。わたしたちはそうやって常に呼吸をして、酸素を体の中に取り込み、二酸化炭素を体の外に出しています。呼吸はどのように、また何のために行われているのでしょうか。

呼吸ってどんな仕組みになっているの?

エラも肺も呼吸の仕組みは同じ

げんちゃん 水泳の授業が始まったね。水の中でも息ができたら、魚みたいに楽に泳げるのに。 げんちゃんイラスト
さやかちゃん 魚って、どうやって水中で息をしているのかな?
ピグマはかせ 人が息をするのは、酸素を取り込み、二酸化炭素を吐き出すためだよね。これを呼吸といって、人を含め、陸上で暮らす動物の場合は肺を使っているよ。ところが、魚は肺ではなく、エラで呼吸しているんだ。酸素は水中にも少し含まれていて、魚はその酸素を、エラを通して取り込んでいるんだ。だから、息を吸ったり吐いたりはしないけど、陸上動物との違いは、水中から酸素を取り込むか、空気中から酸素を取り込むかだけ。エラと肺の仕組みはそんなには違わないんだよ。どちらもたくさんの細い血管で覆われていて、そこを通して、酸素と二酸化炭素を交換しているんだ。
ひかるくん 人の肺は胸のところに二つあるんだよね。
ピグマはかせ そうだよ。肋骨で守られた空間に左右一つずつあるよ。肺には筋肉がないので、周囲の筋肉の動きによって空気を吸ったり吐いたりしているんだ。肺が入っている空間が広がると肺も膨らみ、空気が吸い込まれる。逆に、肺が入っている空間が狭くなると肺も縮み、空気が吐き出されるというわけだ。鼻や口から吸った空気は、のどから気管という管を通って、左右に分かれて肺に入るんだけど、気管は非常に細かく枝分かれしていて、その先には「肺胞」という小さな袋がたくさんついているんだよ。ここで酸素と二酸化炭素の交換をするんだ。
えりちゃん 小さな袋の中に空気が入っていくのね。 えりちゃんイラスト
ピグマはかせ 一つひとつの肺胞には、細い血管が張り巡らされているよ。血管の壁や肺胞の膜は薄いから、酸素や二酸化炭素が出入りできるんだ。血液に取り入れられた酸素は、まず血管を通って心臓に送られる。心臓にはポンプのような役目があって、酸素を含む血液を全身に送り出すよ。その血液は、体の各部分に酸素を運んだ後、代わりに二酸化炭素を受け取って、心臓に戻る。二酸化炭素は、そこから肺に送られて、吐く息とともに体の外に出されるんだよ。

息をするのはエネルギーを得るため

さやかちゃん ところで人って、一日にどのくらいの空気を吸っているの? さやかちゃんイラスト
ピグマはかせ 大人の男性なら1回の呼吸で、400~500ミリリットルの空気を吸い込むよ。小さいペットボトル1本分ぐらいだよね。人は運動をしていない普通の状態のとき、1分間に15~16回呼吸するから、それで計算すると、一日にだいたいペットボトル2万本分の空気を吸って、吐いていることになるよ。
げんちゃん すごい量だね。運動をすればもっと多くなるってことだね。
ピグマはかせ 小学生はその半分ぐらいだけど、それでもすごい量だよね。そんなにたくさんの空気を吸い込めるのは、肺に数億個もの肺胞があるからなんだ。大きな袋が1個だけある場合と、小さな袋が数億個ある場合とでは、どちらの表面積が大きいかはわかるよね。実際、息を吸った状態のとき、一人の人の肺胞を全部広げると、最大でテニスコートの半面くらいの大きさになるそうだよ。それだけ血管と接する部分の面積が広いわけだから、その分、酸素をたくさん血液に取り込めるよね。
ひかるくん どうしてたくさんの酸素が必要なの? ひかるくんイラスト
ピグマはかせ 動物は、食べた物に含まれる栄養と、呼吸で取り入れた酸素を結びつけて、体を動かすために必要なエネルギーを得ているんだ。だから酸素を血液によって全身に送らなければならないんだけど、そのためのポンプの役目を果たす心臓だって、エネルギーがないと止まってしまうよ。そして、エネルギーが生まれた後に残るのが、二酸化炭素と水なんだ。
えりちゃん 呼吸って、生きていくにはとても大切なのね。
ピグマはかせ そうだよ。酸素は体の中にためておくことができない。だから常に呼吸していなければならないんだ。

保護者の方へ

 進化の過程において、長い間水中でしか暮らせなかった動物は、肺によって空気中の酸素を取り入れることができるようになると、陸上への進出を果たしました。両生類や爬虫類に比べると、哺乳類の肺の構造は複雑で、多数の肺胞を持つことで酸素と二酸化炭素を効率良く交換することができます。恒温動物である哺乳類は体温を一定に保つため、必要な物質を取り入れ、不要になった物質を排出する「代謝」が盛んだからです。また、同じ恒温動物である鳥類の肺には「気のう」があり、哺乳類以上に効率的に呼吸ができます。長距離を飛ぶために大量のエネルギーが必要だからです。このように、生命を維持するのに多くのエネルギーを必要とする動物ほど、肺が発達しているといえます。

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