受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

おしえてピグマはかせ

サピックスの通信教育・ビグマキッズくらぶ おしえてピグマはかせ

 「ピグマキッズくらぶ」は、小学1年生から4年生のために開発されたサピックスの通信教育です。そのテキストでおなじみのピグマはかせが、皆さんがふだん疑問に思っていること、不思議に思っていることにお答えします。
 今回は「お盆」のお話です。8月中旬のお盆休みに、家族で帰省して、お墓参りをしたり、盆踊りをしたりする人も多いでしょう。「お盆」にはどんな意味があるのでしょうか。

お盆ってどうしてあるの?

先祖の霊が戻ってくるって本当!?

さやかちゃん お盆になったら、おばあちゃんの家に行くよ。花火大会にも行くから楽しみ。
げんちゃん お盆っていつなの?
ピグマはかせ 地域によって違うけど、お盆は8月13日から16日ごろまでとしているところが多いよ。関東地方では、それよりも1か月早くやるところもあるんだ。
えりちゃん お盆にはお墓参りをするよね。 えりちゃんイラスト
ピグマはかせ お盆には、ご先祖や亡くなった人の霊が家族のところに戻ってくるといわれている。その間は霊をお迎えして供養するんだよ。供養とは、食べ物や花などをお供えして、死後の世界でも安らかでいられるように祈ることだよ。
ひかるくん 霊が戻ってくるって本当? 実際は戻ってこないよね?
ピグマはかせ 日本には古くから、「今の自分があるのはご先祖様のおかげ」という考え方があるんだ。だから、お盆にご先祖に帰ってきてもらって、みんなで感謝しようということなんじゃないかな。お盆が始まるときには、ご先祖が家に帰ってくるときに道に迷わないよう、玄関先で火をたいたり、提灯に火をともしたりするよ。これを「迎え火」というよ。お盆が終わるときには「送り火」といって、同じように火をたいて送り出すんだ。毎年8月16日に行われる京都の「五山送り火」を知っているかい? 山のなかに、巨大な「大」の字の形になるように火をたく行事だよ。また、お盆のころには花火大会も各地で行われるよね。花火にも、迎え火と送り火の二つの意味が込められているよ。
さやかちゃん お盆になると、キュウリやナスに割り箸を4本付けたものをよく見るけど、あれは何なの? さやかちゃんイラスト
ピグマはかせ 割り箸は動物の脚を表していて、キュウリに付けたものは馬に、ナスに付けたものは牛に見立てているよ。ご先祖が足の速い馬に乗って早くこの世に戻ってこられるように、また、足の遅い牛に乗ってのんびりあの世に帰れるように、と願って飾るんだ。地域によっては、逆に牛に乗ってのんびり戻ってきてもらい、馬に乗って急いで帰ってもらうと考えるところもあるよ。西日本では、馬や牛を作らないところが多いようだね。
えりちゃん 盆踊りもお盆に関係があるの?
ピグマはかせ 盆踊りはもともと、先祖の霊を慰めるための踊りだよ。昔は新盆を迎える家、つまり家族が亡くなってから初めてお盆を迎える家を回って踊っていたんだ。

ちょっと似ている、お盆とハロウィーン

ひかるくん ご先祖なら自分たちを守ってくれるから、火をたいたり、盆踊りをしたりして歓迎するんだね。
げんちゃん 自分たちを守ってくれる良い霊ならいいけど、悪い霊が家に来ちゃったりするといやだよね。 げんちゃんイラスト
ピグマはかせ 悪い霊が来たら追い払おうという考え方が表れた行事がハロウィーンだよ。
えりちゃん ハロウィーンもご先祖の霊と関係があるの?
ピグマはかせ ハロウィーンはもともと、古代ヨーロッパに広く住んでいたケルト人といわれる人たちのお祭りから始まったもの。ケルト人は11月1日から次の年の10月31日までを1年としていて、その1年の最後の日に、死者の霊が家族のもとに帰ってくると考えていたんだ。
ひかるくん お盆と似ているね。 ひかるくんイラスト
ピグマはかせ でもお盆と違って、この日は、あの世とこの世の間の門が開いて、自由に行き来ができるようになると考えられているんだ。ということは、家族の霊だけでなく、悪霊や魔物も来てしまうかもしれないよね。そこで自分たちも仮装して、悪霊や魔物を脅かして追い払おうとしたのが、ハロウィーンの始まりだといわれているよ。ハロウィーンのときは、カボチャをくり抜いて顔を作って、中にろうそくをともすよね。これには悪霊や魔物を退散させる魔よけの意味があるんだよ。
さやかちゃん そういえばハロウィーンのカボチャって、ちょっと怖い顔をしているわね。
ピグマはかせ 霊を迎えるために火をたくお盆と、霊を追い払うために火をたくハロウィーン。霊に対する考え方は、国や民族によって違うんだね。

保護者の方へ

 「お盆」は、かつては旧暦の7月15日を中心に行われていた先祖供養の仏事「盂蘭盆会(うらぼんえ)」に由来します。そのため、お盆の行事を今の暦での7月15日に行う地域もありますが、旧暦の7月15日は、今の暦では8月下旬から9月上旬に当たるため、今の暦での8月15日に行う地域が多いのです。
 もっとも、本来の仏教は、先祖供養のための宗教ではありません。日本古来の先祖をまつる行事が「盂蘭盆会」と習合して、今のようなお盆になったと考えられています。
 親戚が集まってお墓参りをしたり、門口に提灯をさげたり、精霊流しをしたり。そんなお盆を経験できる機会は少なくなりましたが、日本のお盆は先祖の霊と一緒に過ごす大切な期間。亡くなった人に思いを馳せ、心が改まるようなひと時を過ごすのもいいものです。

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