受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

おしえてピグマはかせ

サピックスの通信教育・ビグマキッズくらぶ おしえてピグマはかせ

 「ピグマキッズくらぶ」は、小学1年生から4年生のために開発されたサピックスの通信教育です。そのテキストでおなじみのピグマはかせが、皆さんがふだん疑問に思っていること、不思議に思っていることにお答えします。
 今回は利き手のお話です。世界の人口のおよそ90%が右利きだといわれます。なぜ右利きの人が多いのでしょうか。また、右利きが多いことは日常生活にどんな影響を与えているでしょうか。

なんで右利きが多いの?

人類は太古の昔から右利きだった!?

げんちゃん 右手の親指をけがしちゃった。鉛筆も、お箸も持ちにくいし、左利きだったらよかったなあ。
えりちゃん 左利きだったら、左手をけがしたときに困るでしょ? 両手が同じように使えたら便利なのに、右利きの人が多いよね。どうしてなの? えりちゃんイラスト
ピグマはかせ 国や地域によって違いはあるけど、だいたい10人に9人は右利きだといわれているよ。この割合は何万年も前から変わっていないんだ。
さやかちゃん そんなに昔の人のことまでわかるの?
ピグマはかせ 洞窟に描かれた絵とか、発掘された道具の形、道具を使って体に付いた傷跡の向きなどを調べるとわかるんだ。
ひかるくん 大昔からそうなら、生活の仕方が変わったから右利きが多くなったということではないんだね。
ピグマはかせ そういうことだね。でも、右利きが多い理由ははっきりわかっていないんだ。「心臓が体の中央よりやや左寄りにあるから」「右利きになる遺伝子のほうが発現しやすいから」など、いろいろな説があるよ。
さやかちゃん ふーん。小さいころから右手をよく使ってきたけど、考えてみると不思議ね。 さやかちゃんイラスト
ピグマはかせ 実は、サルやチンパンジーなど人間と同じ霊長類の仲間と比べても、こんなに右利きが多いのは人間だけなんだ。だから、利き手があるのは、脳と関係があるのではないかとも考えられているよ。人間の大脳は左右に分かれていて、左脳は体の右側を、右脳は体の左側を動かす働きがあるんだ。また、左脳はことばを話したり、聞いたりする力もコントロールしている。そこは、ほかの動物と違うところだよね。ことばを使うことができる人間は左脳がより発達しているから、右手のほうがよく動くと考える研究者もいるよ。

左利きには少数派ゆえの苦労がある

げんちゃん でも、左利きって、なんかかっこいいよね。 げんちゃんイラスト
ピグマはかせ 左利きには天才肌の人が多いなんていうこともよくいわれるよね。レオナルド・ダ・ビンチ、ニュートン、モーツァルトなども左利きだ。でも、左利きの人には少数派であるがゆえの苦労があるんだよ。世の中の道具などは、右利き用に作られているものばかりだからね。容器のキャップなどは右手で開閉しやすいようにできているし、はさみやカッター、包丁など刃先が斜めになっている刃物も右手用ばかりで、左手用の物は簡単に手に入らなかったりするんだ。野球をするにも右手にはめる左利き用のグローブが必要で、人からは借りられないしね。テレビなど家電製品の電源スイッチなども、右側に付いていることが多いよ。
ひかるくん 確かに、右手で使うことを前提として、いろいろな物が作られているね。 ひかるくんイラスト
ピグマはかせ 道具だけじゃないよ。駅の自動改札は切符の投入口も、ICカードを触れるタッチパネルも右側にあるので、左手で切符やカードを持っていては通りにくいよね。また、食事のときは左手でお箸を持つから、右手でお箸を持つ隣の人と肘がぶつかりやすい、なんていう話もよく聞くよ。それから陸上競技でトラックを走るとき、反時計回り、つまり左回りに走るでしょ。運動会もそうだよね。左回りだと右利きの人にとって走りやすいからなんだ。
えりちゃん 右回りに走るのは、なんか変な感じがするわね。どうして?
ピグマはかせ 利き手が右の人の多くは利き足も右。これはボールを蹴ってみればわかるね。左足は軸足として体重を支えて、右足で蹴るだろ。トラックのコーナーを走るときも、左回りだと左の軸足で踏ん張って、利き足の右足で強く地面を蹴って走ることができるよね。
えりちゃん 道具から駅・グラウンドまで、右利きの人にとっては当たり前の物が、左利きの人にとっては、とても使いにくかったりするのね。
ピグマはかせ ただ、左利きの人のなかにも、右利き用の物を使い慣れているから、それほど不便さを感じないという人もいるよ。左利きの人には、状況に応じて両手を使い分けている人が多いようだね。

保護者の方へ

 利き手の違いが生じた原因については、左脳と右脳が異なる働きを持つからだという説が有力とされますが、はっきりとは解明されていません。ただ、古代から右利きが多数派だったという証拠は数多く見つかっています。そう考えると、現代ほどではないにしても、右利きに有利な社会は昔からあったことが想像されます。最近は文房具やキッチン用品、スポーツ用品などで、さまざまな左利き用グッズが開発されています。左右どちらからでも開けられる冷蔵庫など、右利きでも左利きでも使える家電も多くなっています。駅の自動改札機も、左手でも切符を入れやすいよう、投入口に角度がつけられている場合があります。左利きにとっても使いやすいかどうかという視点で身の回りの物を見直してみると、おもしろい発見があるかもしれません。

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