受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

おしえてピグマはかせ

サピックスの通信教育・ビグマキッズくらぶ おしえてピグマはかせ

 「ピグマキッズくらぶ」は、小学1年生から4年生のために開発されたサピックスの通信教育です。そのテキストでおなじみのピグマはかせが、皆さんがふだん疑問に思っていること、不思議に思っていることにお答えします。
 今回は心臓のお話です。心臓はわたしたちが起きているときも寝ているときも、まるで時計のように常に動いています。どうして心臓は止まることなく動いているのでしょうか。

なぜ心臓は休みなく動き続けられるの?

心臓は血液を送り出すポンプ

げんちゃん きょう、マラソン大会の練習をしたんだ。いっぱい走って心臓がばくばくしたよ。
ピグマはかせ 運動をすると、体はたくさんの酸素を必要とするから、心臓は酸素をどんどん送り込もうとしてがんばってはたらくんだ。心臓がばくばくするのはそのせいだよ。
ひかるくん 酸素を体に取り込むのは肺の役目でしょ。心臓って酸素と関係があるの? ひかるくんイラスト
ピグマはかせ 確かに、吸った空気から酸素を取り込むのは肺の役割だけど、その酸素を体中に送っているのは心臓なんだよ。呼吸から得られる酸素、そして腸から吸収される栄養素は、血液の中に溶け込んで全身に届けられるんだ。全身に張りめぐらされた血管には、そういう必要なものを取り込んだ血液と、いらなくなった二酸化炭素など体外に出すものを取り込んだ血液が常に流れているんだ。といっても自動的に流れているわけではなく、心臓がポンプの役目をして、血液を血管に押し出してくれているんだよ。
えりちゃん 心臓は血液を流すポンプなのね。 えりちゃんイラスト
ピグマはかせ 胸を触ると、心臓がどきどきしているのがわかるよね。心臓が血液を全身に送り出している証拠だよ。それによって体の隅々に酸素や栄養を送り、同時に体のいろいろな場所から不要になったものを集めてくるんだ。大人の場合、心臓が送り出す血液は1分間に約5リットル。1時間では2リットルのペットボトル150本分の血液を送っているんだ。
さやかちゃん 1時間で150本も! すごい量ね。
ピグマはかせ 1日にすると3600本分。それを毎日、何十年間も続けるんだよ。手首の血管のあたりを触ると脈を打っているところがあるよね。「脈拍」といって、心臓の収縮の動きが血管に伝わったものなので、その回数を数えると心臓が1分間にどのくらい動いているのかわかるよ。年齢や時間帯などによっても違うけど、大人の人で1分間に60~80回くらい。1日にすると、約10万回も心臓は動いている計算になるんだよ。

疲れない秘密は筋肉にある!?

ひかるくん でも不思議だよね。どうしてそんなに動き続けることができるんだろう。
げんちゃん ホントだよ。手や足は動かし続けると疲れてしまうのに、心臓は疲れないのかなあ。 げんちゃんイラスト
ピグマはかせ 心臓だって酸素と栄養を使って動いていることはほかの臓器と変わりない。それでも疲れないのは筋肉に秘密があるといわれているよ。腕や足の筋肉のように、体を動かすときに使う関節や骨の周りにある筋肉は「骨格筋」というよ。普通、みんなが筋肉と言っているのはこれだよね。自分の思いどおりに動かすことができるよね。でも、もちろん内臓や血管などにも筋肉はある。「平滑筋」といって収縮しながらゆっくりした動きをしているんだ。でも心臓の筋肉はそれとも違って、「心筋」という、心臓にしかない特別な筋肉なんだ。平滑筋と心筋の特徴は、自分の意思では動かせないということ。これは逆にいうと、動かそうとしなくても動いてくれるってことだよ。
さやかちゃん 手足の筋肉はずっと動かしていると疲れるけど、心臓は疲れないから、心筋ってきっと疲れを知らないすごい筋肉なのね。 さやかちゃんイラスト
ピグマはかせ 骨格筋は運動を続けると、疲れのもとになる「乳酸」という物質がたまってくるんだけど、心筋には乳酸がたまらないんだ。心筋は、骨格筋よりずっと多くの血液を受け取ることができるので、それだけ多くの酸素を取り込める。だから疲れないのではないかといわれているよ。
えりちゃん それにしても何十年も、ずっと動き続けているって大変なことね。
ピグマはかせ ふだん心臓が動いていることなんて気にも留めていないと思うけど、心臓が止まったら酸素や栄養が必要なところに届けられなくなって、生きていけなくなるよね。そう考えると心臓ってすごい臓器だよね。

保護者の方へ

 心臓は人のこぶしくらいの大きさで、内部は四つの部屋に分かれています。血液を全身に送り出すのが左心室。肺に送るのが右心室。血液が戻ってくるところが左心房と右心房です。ポンプの機能は心室にあり、わたしたちはその動きを鼓動として感じます。その数は1日に約10万回。80年以上生きるとすると、一生の間に30億回以上打ち続けることになります。これは大変な重労働なので、何らかの理由で突然、心臓のはたらきに異常を来すこともないとはいえません。そんなときに助けになるのがAED(自動体外式除細動器)です。AEDを適切に使うことが救命につながることもあります。AEDは学校や駅、公共施設など、人が集まる場所に設置されています。近所のどこにAEDが置かれているか、この機会に家族で確認しておいてはいかがでしょうか。

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