受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

おしえてピグマはかせ

サピックスの通信教育・ビグマキッズくらぶ おしえてピグマはかせ

 「ピグマキッズくらぶ」は、小学1年生から4年生のために開発されたサピックスの通信教育です。そのテキストでおなじみのピグマはかせが、皆さんがふだん疑問に思っていること、不思議に思っていることにお答えします。
 今回は海の水のお話です。海に遊びに行ったとき、海水のしょっぱさに驚いたことのある人は多いと思います。川や湖の水はしょっぱくないのに、なぜ海の水はしょっぱいのでしょうか。

海の水はなぜしょっぱいの?

海の中には塩を作る成分がいっぱい

えりちゃん 昨日、潮干狩りに行ったんだ。アサリがたくさん採れたよ。 えりちゃんイラスト
げんちゃん いいなあ。ぼく、アサリ大好きだよ。
えりちゃん でも、おみそ汁に入れたんだけど、砂が少し残っていてじゃりじゃりしたわ。
ピグマはかせ 砂抜きのやり方を間違えたんじゃないのかな。アサリの砂抜きに使うのは、3.5%の食塩水。水1リットル(1キロ)の中に塩が35グラム含まれているということだよ。海水には塩分がだいたい3.5%含まれているから、同じぐらいの濃さにすると、貝は砂を吐き出しやすいんだ。
さやかちゃん そういえば、海の水ってしょっぱいもんね。あれも、やっぱり塩分が含まれているからなんだ。 さやかちゃんイラスト
ひかるくん でも、どうして海水には塩が入っているんだろう。
ピグマはかせ 海水に含まれる塩分のほとんどは「塩化ナトリウム」という物質だよ。みんなの家にある食卓塩のラベルを見てごらん。塩化ナトリウムと書いてあるはずだよ。塩化ナトリウムは塩素とナトリウムが結びついてできているんだ。海水には塩素、ナトリウム、マグネシウム、カルシウムなど、塩のもとになるいろいろな成分が溶け込んでいて、特に多いのが塩素とナトリウムなんだ。
ひかるくん どうしてその塩素とナトリウムが多いの?
ピグマはかせ それを知るには、地球に海ができたときの話からしないといけないね。地球が生まれたのは約46億年前だというのは知っているかな。
げんちゃん 知ってるよ。図鑑で見たけど、熱いマグマだらけなんだよね。 げんちゃんイラスト
ピグマはかせ そうだね。そのころの地球は、火山から噴き出した水蒸気や、塩素を含んだ塩化水素などの火山ガスに覆われていたんだ。塩化水素とは、塩素と水素からできた物質で、水に溶けやすい気体だよ。その後、火山の活動が落ち着き、地球が冷え始めると、大気中の水蒸気が塩化水素を含んだ塩酸のような雨となって、長い間、地表に降り注いだんだ。
えりちゃん えっー!? 塩酸のような雨? 傘をさしても、傘が溶けちゃうんじゃないの?
ピグマはかせ そうだろうね。そのぐらい酸が強いと、地表の岩石も溶かす。雨水は岩石に含まれているナトリウム、マグネシウム、カルシウムなどを溶かしながら川となって流れ、低いところにたまっていく。そして、もともとそこにあった岩石に含まれているナトリウムなども、その水に溶け込む。塩素を含むガスが溶けた水に、ナトリウムなどが溶けると酸性が中和されるんだ。こうして長い年月をかけて今のような、しょっぱいけれど生物がすめるような海になったというわけだ。

海より塩分が濃い湖がある!?

ひかるくん でも、川や湖の水はしょっぱくないよね。 ひかるくんイラスト
ピグマはかせ 川や湖にも塩分は含まれているよ。ただ海水ほど濃くはないんだ。海の水は温められると表面から蒸発していくよね。でも塩分は海の中にとどまるので、海水の塩分は濃くなっていったんだ。川は常に流れているし、湖も川から水が流れ出ているから、塩分がたくさんたまることはないんだよ。
げんちゃん でも、世界にはすごく塩分が濃い湖があるって聞いたよ。
ピグマはかせ イスラエルとヨルダンの国境にある死海のことだね。塩分の濃さが25%ぐらいあるよ。
えりちゃん どうしてそんなに塩分が濃いの?
ピグマはかせ 死海には流れ出ていく川がなく、砂漠の中にあって水分の蒸発量が多いから、塩分が濃くなったんだ。海水の場合、塩分の濃さにはそんなに大きな違いはないけれど、水の蒸発量が多いところや、雨が少ないところはやっぱり塩分が濃くなる。逆に雨が多いところや、川からの水が多く入ってくるところでは、塩分は薄めだよ。地球の表面の7割は海。海の水は地球を大きく循環していて、塩分濃度や水温が変わると循環のしかたが変わって、海の生物などに影響を与えるかもしれないんだ。だから世界の国々が協力して各地の海の塩分濃度を観測しているんだよ。
さやかちゃん 海の塩分を調べることは大事なんだね。
ピグマはかせ そうだよ。

海水がしょっぱいわけ

保護者の方へ

 海水には約3.5%の塩分が溶けています。みそ汁やすまし汁などの塩分は、人の血液の塩分濃度と同じ0.9%ぐらいがおいしいとされるので、いかに海水がしょっぱいかわかります。この海水の塩分濃度は約30億年前からほとんど変わっていないといわれます。これは、海に入ってくる塩と水の量が、海から出ていく塩と水の量とつり合っているためです。ただ近年は塩分濃度が高い海域はさらに高く、低い海域はさらに低くなる傾向が観測され、地球温暖化や気候変動などの観点から調査研究が進められています。

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