受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

おしえてピグマはかせ

サピックスの通信教育・ビグマキッズくらぶ おしえてピグマはかせ

 「ピグマキッズくらぶ」は、小学1年生から4年生のために開発されたサピックスの通信教育です。そのテキストでおなじみのピグマはかせが、皆さんがふだん疑問に思っていること、不思議に思っていることにお答えします。
 今回は宇宙のお話です。「宇宙は果てしないもの」とよくいいますが、本当に宇宙には果てがないのでしょうか。あるとしたら、宇宙の「端」はどうなっているのでしょうか。

宇宙の「端」ってどうなっているの?

今見ている宇宙は「昔の宇宙」?

ひかるくん 宇宙飛行士の野口聡一さんが、国際宇宙ステーション(ISS)で実験をしている姿をテレビで見たよ。野口さんたちをISSまで送り届けたのは、アメリカの民間企業が開発した新型宇宙船なんだね。宇宙旅行も夢じゃなくなってきたってことかな。 ひかるくんイラスト
げんちゃん ぼくも宇宙に行ってみたいなあ。そして宇宙がどのくらい広いのか見てみたい!
えりちゃん 宇宙って限りなく広いように思えるよね。実際はどのくらい広いのかな?
ピグマはかせ 残念ながら、それはわかっていないんだ。広さどころか、宇宙に「端」があるのかどうかも解明されていないんだよ。観測できる範囲には限界があるからね。
さやかちゃん なぜ端まで観測できないの? 宇宙に向けて光を照射して、「端」にぶつかって跳ね返ってくるまでの時間でわかるんじゃないの?
ピグマはかせ それができるほど宇宙は狭くはないんだ。まずは夜空に輝く星について考えてみようか。わたしたちが星を見ることができるのは、その星が発した光が地球に届いているからだよね。光は1秒間に30万キロ、地球を7周半もする、ものすごいスピードで進むんだけど、星はとても遠いところにあるから、その光が地球に届くまでには時間がかかるんだ。宇宙で距離を表すとき、「光年」という単位を使うよね。これは光が1年間に進む距離で、1光年はおよそ9兆4600億キロ。たとえば、みんながよく知っている北極星は、地球から約433光年(※)、つまり約4096兆キロも離れているんだ。
げんちゃん 遠すぎて想像もつかない距離だなあ。 げんちゃんイラスト
ひかるくん 433光年も離れているということは、今夜見る北極星も、それは北極星から433年前に発せられた光というわけだ。
えりちゃん 433年前って、日本は安土桃山時代よ。
ピグマはかせ 星の光は、そのくらい長い時間をかけて地球に届くんだ。
ひかるくん 宇宙に向かって光を照射して、その戻りを待っていられる距離じゃないね。

(※)『理科年表2021』より

宇宙空間は平らなのか? 球体なのか?

ピグマはかせ 宇宙が誕生したのは今から約137億年前。「ビッグバン」といって、超高温・超高密度の小さな1点から起こった爆発によって始まったといわれているよ。
ひかるくん 137億年前ってことは、光が137億年かけて届く距離が137億光年で、それより先は宇宙の年齢を超えてしまうわけだから、「見えない」、つまり、137億光年行ったところが宇宙の果てってこと?
ピグマはかせ そうともいえないんだ。よく「観測可能な宇宙の果て」という言い方がされるけど、観測できる宇宙の大きさは、半径約470億光年といわれているんだ。
さやかちゃん えっ、137億光年じゃないの? さやかちゃんイラスト
ピグマはかせ なぜかというと、宇宙は137億年前に誕生して以来、膨張を続けていて、どんどん大きくなっているからなんだ。光が地球に届くまでの間に、光が通ったところも含めて膨張して引き伸ばされていくから、それを計算に入れると約470億光年になるんだ。でもこれはあくまでも観測可能な距離。その先から突然、宇宙がなくなっているわけではないよ。
さやかちゃん 結局、宇宙の端がどうなっているのかはわからないってことね。
ピグマはかせ まず宇宙に端があるかどうかだよね。これについての研究でよく出てくるのは、宇宙は「開いた空間」か「閉じた空間」かという議論だよ。
えりちゃん どういうこと? えりちゃんイラスト
ピグマはかせ 科学の世界では、端がある場合を「開いた空間」、端がない場合を「閉じた空間」と表現するよ。宇宙が地球と同じような球体だったら、端をめざして進んだとしても、いずれはまた元の場所に戻ってしまうよね。これを「閉じた空間」と呼ぶ。逆に曲がりのない平坦な空間なら、どこかに端はある。これを「開いた空間」と呼ぶんだ。いろいろな観測データから、今は平坦説、つまり「宇宙には果てがある」という考え方が有力だよ。でも最近は「宇宙は巨大な風船みたいに湾曲している」という説も発表されているね。
げんちゃん なあんだ、やっぱりわからないんだ。
ピグマはかせ あはは。人類にとって、まだ宇宙は謎だらけってことだね。

宇宙は「ビッグバン」によって生まれた

保護者の方へ

 宇宙は高温・高密度の小さな塊として爆発的に誕生したということは、「ビッグバン宇宙論」として知られています。ビッグバン宇宙論が確立されたのは50年ほど前。それまでは「宇宙の基本的な構造は時間的に変化せず、宇宙には始まりも終わりもない」という「定常宇宙論」を主張する学者も多くいました。ただ観測データと矛盾する点が多く、この理論は衰退しました。新しい観測データが発表されるとそれまでの学説が検証し直され、新しい学説が発表されると過去の観測データとの整合性が検討される。宇宙はその繰り返しで、さまざまなことが解明されてきました。宇宙開発も観測技術も急速に進化しています。宇宙の端がどうなっているのか、解明されるのもそう遠い未来のことではないかもしれません。

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