受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さっぴーの社会科見学へ行こう!

さっぴー

旧小川家住宅玄関棟

男の子 「この風格のある建物は、1805年に完成した小川家の玄関棟か。玄関が独立した建物になっていたなんて、さすが小平きっての名家だ」
女の子 「創建当時の玄関棟は、主屋と渡り廊下でつながっていたのね。屋根も立派な入母屋造だし、まるで武家屋敷みたいだわ」
男の子 「内部は玄関の間と控えの間に分かれていて、きちんと縁のある畳が敷いてあるね。これも当時のぜいたく品なのか」
女の子 「名主の家といっても、普通はここまで豪華じゃないんですって。小川家の格の高さがよくわかるわ」

開拓当初の復元住居

男の子 「小平を開いた名主の小川家には、たくさんの古文書が残っているんだ。この家は古文書のデータから復元した、17世紀半ばの開発農家の一例なんだって」
女の子 「へえ、屋根も壁もカヤでできているよ。昔の小平にはカヤがたくさん生えていたから、手軽に利用できたのね」
男の子 「屋内は意外に広いね。床は板張りじゃなくて、竹を組んだ床やもみ殻、わらくずなどを敷き、その上にむしろをかぶせてある。この辺りは庶民の家って感じだね」
女の子 「でも、このゆったりした造りで2人用の住居だなんてびっくり! そのころの江戸では、家族4人で四畳半の長屋に住むことも珍しくなかったんでしょ? それとは大違いだわ」

旧小平小川郵便局舎

女の子 「これは実際に、1983(昭和58)年まで75年間も使われた郵便局舎なのね。完成したのは1908(明治41)年で、日本に現存する郵便局舎のなかでも、かなり古いものだそうよ」
男の子 「あれっ、屋根を見てよ。2か所に郵便のマークがあしらってある。和風でちょっとかっこいい飾りだね」
女の子 「郵便業務を行う事務室は、銀行をイメージしてつくられたのね。窓口の仕切りは亀甲文様の金網よ。これもおしゃれなデザインだわ」
男の子 「大正時代に入ると、ここでは電信・電話に関する仕事も請け負ったのか。事務室の奥には電話室などが見えるね」

消防小屋

男の子 「郵便局の隣は消防小屋だ。建物自体は小平ふるさと村のオープンに合わせて造られたものだけど、古い消防器具がたくさん置いてあるぞ」
女の子 「うわぁ、これは昭和初期のポンプ車なの? まだ手動式だし、あまり遠くまで水を飛ばすことはできなかったのね」
男の子 「これは刺又か。昔の消火活動は、火元周辺の建物を刺又や、棒の先に鉄製の鉤を付けた鳶口で壊して、延焼を防ぐのが基本だったんだ。消防署を表す地図記号が刺又なのも、このことに由来するんだね」
女の子 「あっ、火の見やぐらだ! 人々に火事を知らせるための半鐘が吊られているわ。この半鐘も小平で長く使われていたものなのね」
21年6月号 さっぴーの社会科見学へ行こう!:
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