受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さっぴーの社会科見学へ行こう!

講義室

男の子 「おーっ、渋沢栄一のアンドロイドだ! 70代のころの本人を再現していて、肌の質感も人間そっくり。よくできているなあ」
女の子 「声も似せているそうよ。ここでは、このアンドロイドが、本人が生前に行った講義を再現してくれるのね。よろしくお願いします!」
男の子 「約20分の講演の見学は予約制で、テーマは渋沢栄一の有名な理念『道徳経済合一説』について。つまり、人は金もうけだけを追いかけてはいけない、社会貢献もすべきだってことなんだね」
女の子 「時代を超えたすばらしい考えね。今でも渋沢栄一を尊敬する人が多いというのもうなずけるわ」

※耐震工事のため2022年に休館予定

女の子 「記念館から西へ15分ほど歩いたところに、渋沢栄一の生地があるの。渋沢一族の本家筋に当たり、一帯には分家も集まっていたんだって。そのなかでここは真ん中にあり、その位置関係から『中の家』と呼ばれたのね」
男の子 「うわぁ、門も独立していて立派な家だね。主屋は、渋沢栄一の妹夫婦が1895年に建てたもの。中の家では藍玉の製造・販売のほかに養蚕もしていたから、2階の屋根の上に『煙出し』と呼ばれる、天窓のある小さな屋根が設けられているよ」
女の子 「あっ、奥の座敷に渋沢栄一のアンドロイドがいるよ! こちらは80代の本人がモデルで、12月26日までの期間限定で公開されているのね」
男の子 「敷地内には複数の土蔵も建ち、渋沢栄一の父・市郎右衛門、母・えいのほか、養子の平九郎の石碑もあるよ。みんな地元で愛された人物だったんだね」

和服姿の渋沢栄一アンドロイド。記念館の1体と同様、深谷市出身のドトールコーヒーの創業者による寄付でつくられたんだって

和服姿の渋沢栄一アンドロイド。記念館の1体と同様、深谷市出身のドトールコーヒーの創業者による寄付でつくられたんだって

尾高惇忠の弟で、渋沢栄一の養子となった平九郎の碑。彼は戊辰戦争の一つ、飯能戦争に旧幕臣軍として参加し、20歳の若さで戦死したんだ

さっぴー

地名「血洗島」の由来とは?

 中の家周辺は、「血洗島」という地名なんだ。何だか怖い印象だけど、その由来ははっきりしていないんだ。「利根川の氾濫で激しく洗われた地」「合戦があった地」など、いくつかの説があって、渋沢栄一は「傷ついた山霊が血を洗った地」と説明することが多かったそうだよ。

21年10月号 さっぴーの社会科見学へ行こう!:
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