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  • 19年2月号 [入試に出る時事問題]これだけは知っておこう! さぴあニュースバンク

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総チェック目次
政治・経済国際社会・環境理科的なニュース2018年の主な出来事

これだけは押さえておこう! 入試に出る時事問題さぴあニュースバンク2018年 入試対策/ニュース総チェック

 2018年も国内外でいろいろなことが起こり、ニュースとして報道されました。皆さんは、それらのなかではどんなことを覚えていますか。小学生といえども社会の一員であり、将来は今の大人から引き継いだこの社会をより良いものにしていかなければならないのですから、無関心ではいられないはずです。多くの中学校が社会科の入試で国内外のニュースをもとにした「時事問題」を出題しているのは、未来を担う小学生に期待しているからです。また、わたしたちはさまざまな新しい技術が社会の在り方さえも大きく変えてしまうような時代に生きています。時事問題の出題は社会科だけに限らず、理科でもあり得ます。ここでは今年の入試に出そうな2018年の主なニュースと、その学習のポイントをまとめました。時事問題の総仕上げにお役立てください。 ※西暦のない日付はすべて2018年です。

政治・経済

1NEWS CHECK 2022年から成人年齢が「18歳以上」に

男女とも結婚は18歳から

選挙権・被選挙権年齢と法律上の成人年齢

  日本 アメリカ イギリス ドイツ フランス 大韓民国
選挙権 18歳 18 18 18 18 19
被選挙権
(下院)
25歳
(衆議院)
25 18 18 18 25
(一院制)
法律上の
成人年齢
2022年から
18歳
18
(※1)
18
(※2)
18 18 19

※1:19歳、21歳とする州も。 ※2:スコットランドは16歳。

 6月13日、成人年齢を現在の「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正民法が参議院本会議で可決され、成立しました。この法律は2022年4月1日に施行されることになっており、その日以降は18歳以上であれば、保護者の同意なく契約を結んだり、クレジットカードを作ったりすることができるようになります。また、女性が結婚できる年齢は現在の「16歳以上」から、男性と同じ「18歳以上」に引き上げられます。なお、飲酒や喫煙が許される年齢は「20歳以上」のままで、変更されません。

 ところで、成人年齢の引き下げで懸念されていることもあります。その一つは、ローンを組んで大きな買い物をするといった契約に関し、まだ経験や判断力が十分でない人も少なくない、18歳と19歳の若者が悪徳商法の被害に遭うのではないかということです。政府には今のうちから対策を立てておくことが求められています。

学習のポイント

 「子ども」は自分の判断だけで何かをすることはできませんが、それは「守られている」ということでもあります。成人になると、自分で判断を下して決定したことの責任は、自分で負わなければならなくなります。それが「大人」になるということでもあります。現在、小6生であれば、5〜6年後には成人を迎えるわけです。このニュースは自分のこととして受け止め、成人の意味について考えておくようにしましょう。

2NEWS CHECK 皇室をめぐる話題

2019年4月30日、天皇陛下が退位

 今年4月30日、天皇陛下が退位されます。2017年12月1日に開かれた皇室会議でそのことが決まりました。始まりは2016年8月8日、宮内庁が天皇陛下のビデオメッセージを公表したことです。日本国憲法第1条では、天皇は「日本国の象徴」であり、「日本国民統合の象徴」でもあるとされています。ビデオメッセージはその「象徴としてのお務め」についてのおことばを収録したもので、天皇陛下はご自身が80歳を超える高齢になったことを踏まえ、「生前退位」(存命中に天皇の位を譲ること)の希望をにじませたのです。

 ただし、皇室の制度について定めた「皇室典範」という法律には退位に関する規定がありません。天皇は一度即位したら、亡くなるまで在位するものとされています。そこで、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法(退位特例法)」という特別な法律が2017年6月に制定されました。皇室会議ではその施行日、つまり天皇陛下が退位される日を決めたのです。退位後、天皇は「上皇」と、皇后は「上皇后」と、それぞれ呼ばれることになります。

 皇太子殿下は天皇陛下の退位の翌日である今年5月1日に即位されます。皇位が継承されると、改元(元号が改められること)が行われるため、この日から新しい元号が使われることになります。政府や地方公共団体の公文書には西暦ではなく、元号が使われることになっているため、改元は私たちの生活に大きな影響を与えます。その新元号は今年4月1日に公表される予定です。

 ところで、12月8日には新天皇の即位日となる今年5月1日と、即位した天皇が国内外にそのことを宣言する儀式「即位礼正殿の儀」が行われる今年10月22日を、それぞれ1年限りの祝日とする法律が参議院本会議で可決され、成立しました。「国民の祝日に関する法律(祝日法)」では、前後を祝日に挟まれた日は「国民の休日」とすると定めています。今年は5月1日が祝日となったことにより、前日が「昭和の日」の4月30日と、翌日が「憲法記念日」の5月2日も休日になります。4月27日(土)から5月6日(振替休日)まで10連休となる人も出てくるようです。

学習のポイント

 天皇の退位は江戸時代の光格天皇が文化14(1817)年に行って以来、約200年ぶりのことです。改元を伴うだけに、元号のついた歴史上の重要な事柄や、平成の歴史についてはしっかり整理しておきましょう。また、天皇は内閣総理大臣や最高裁判所長官の任命、法律・政令・条約の公布、国会の召集、衆議院の解散などの国事行為を行います。天皇はどんな存在で、どんなことをするのか、日本国憲法の条文に照らして確認しておいてください。

日本国憲法の天皇関連条文

第1条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
第2条 皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
第3条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。
第4条① 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。

3NEWS CHECK 働き方改革関連法が成立

規制の強化と緩和の両面がある

 6月29日、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革関連法)」が参議院本会議で可決され、成立しました。今年4月1日から順次施行されます。

 関係法律とは労働時間や休日といった、労働者の働く条件を定めた労働基準法などをいいます。これらの法律がまとめて改正されたのです。その特徴は規制強化と規制緩和の両面がセットになっていること。残業時間を原則として1か月に45時間以内、1年間に360時間以内とすることなどが規制強化の面で、一部の収入の多い専門職については労働時間を規制せず、働いた時間ではなく上げた成果によって賃金を決める「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」を創設することなどが規制緩和の面です。また、非正規雇用者でも、正規雇用者と仕事の内容や責任が同じであれば、賃金も同じでなければならないという「同一労働同一賃金」の原則も定められました。大企業では2020年4月1日から、中小企業では2021年4月1日から、それぞれ適用されます。

 11月27日には「同一労働同一賃金」の具体的なルールが決まりました。通勤手当(交通費)などの各種手当、出張旅費、食堂や更衣室の利用、病気による休職などについて、正規雇用者と非正規雇用者とで異なる扱いをすることは、原則として認められないことになりました。一方、基本給(年齢や勤続年数などをもとに決められる、手当などを除いた賃金の基本的部分)や賞与(ボーナス)は、職業経験や能力などにより、差をつけることが認められます。

 ここ数年、少子高齢化の進行に伴い、人手不足が深刻化しています。そのため、宅配便などの運送業界や外食業界では、労働者は長時間働かざるを得なくなっているのが現状です。体力などが続かずに仕事を辞める人も少なくありませんが、このことが人手不足に拍車をかけています。また、労働基準法に違反して、労働者を長時間働かせる「ブラック企業」も少なくなく、社会的に批判されています。

 こうした問題を解決するため、安倍晋三首相は2018年の通常国会を「働き方改革国会」と位置づけ、法律の成立に力を入れていました。しかし、将来「高プロ」とされる条件が緩められると、収入がそれほど多くない労働者にも残業代が支払われなくなり、長時間労働を助長するのではないかという不安もあります。

学習のポイント

 ほかのことを犠牲にして仕事だけに打ち込むのではなく、私生活も充実させることを「ワークライフバランス」といいます。「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」が政府・地方公共団体・経済界・労働界の代表らによって策定されたのは2007年のことでした。しかし、その後も働き過ぎによる過労死などの問題はなくなっていません。今回の働き方改革は、まさにこの「ワークライフバランス」の実現をめざすものだといえます。

 中学受験生は、早ければ10年後には大学を卒業し、社会に出て働くことになります。自分の将来像を思い描きながら、「どのように働きたいのか」「そのためにはどうすればよいのか」といったことについても、少しずつ考えるようにしましょう。

4NEWS CHECK 消費税の税率が10%に

「ポイント還元」が景気対策の目玉に

 安倍首相は10月15日の臨時閣議で、現在は8%の消費税の税率を、予定どおり2019年10月1日から10%に引き上げる考えを示しました。消費税は生活必需品かぜいたく品かを問わず、すべての物やサービスに一律にかかるため、収入の少ない人(低所得者)ほどその負担を重く感じる税金です。このことを「逆進性」といいます。そこで、安倍首相は同時に、消費が減って景気が落ち込むことを防ぐための対策を検討するよう関係閣僚に指示しました。

この違いで変わる税率

 11月26日、その対策の基本方針が政府から公表されました。「軽減税率の実施」「幼児教育・保育の無償化」「低所得者や0〜2歳の子どもがいる世帯へのプレミアム商品券交付」「中小小売店でキャッシュレス決済をした人にポイントを還元」など9項目からなります。

 軽減税率とは一部の物やサービスの税率を低く抑えること。今回は、「酒類・外食を除く飲食料品」と「週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)」の二つについては、税率を8%のままとすることがすでに決まっています。しかし、「外食」とはどこまでをいうのかは難しい問題です。たとえば、コンビニエンスストアで買った食品を持ち帰って食べるのなら軽減税率8%が適用されますが、店内のイートインスペースで食べれば外食とみなされて標準税率10%が課されます。しかし、現実的には、それをいちいち確認できるのかといった問題があり、実際に軽減税率の制度が始まったときに混乱が生じるのではないかと懸念されています。

 一方、今回新たに決まった対策の目玉は「ポイント還元」です。これは中小規模の小売店で現金ではなく、クレジットカードなどで支払いをした(キャッシュレス決済をした)人にポイントを還元し、その費用を国が負担するというものです。安倍首相は還元率を5%、還元期間を今年10月1日から2020年6月30日までにすると表明しました。しかし、中小の小売店とはどこまでをいうのか線引きが難しい、高い買い物をすればするほど還元されるポイントも大きく、お金持ち優遇につながる、中小の小売店にはキャッシュレス決済に対応していないところが多い、そもそも低所得者にはクレジットカードなどを持っていない人が多い、などの問題点が指摘されています。

学習のポイント

 物を買ったり、サービスを利用したりすれば必ずかかる税金、それが消費税です。小学生でも毎日のように支払っているはずです。この消費税は年金・医療・介護などの社会保障と、幼児教育・保育の無償化などの少子化対策に使われることになっています。消費税については、税率引き上げの背景にあるさまざまな問題も含めて目配りしておきたいものです。

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政治・経済国際社会・環境理科的なニュース2018年の主な出来事

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