受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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  • 19年10月号 [入試に出る時事問題]これだけは知っておこう! さぴあニュースバンク

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さぴあニュースバンク 2019年7月

1 木曜日 政治 臨時国会が召集され、7月21日に投票・開票された第25回参議院議員通常選挙の比例区で「特定枠」に入り、初当選した「れいわ新選組」の舩後靖彦さんと木村英子さんが参議院に初登院した。ともに重い身体障害があるため、参議院では本会議場の席の一部を取り外し、大型の車椅子で入れるようにした。押しボタン式の投票装置を介助者が代理で押すことも認めた。また、2人は身の回りのことを介助者にサポートしてもらうサービスを利用しており、その費用の多くは国などが出しているが、制度上、仕事中についてはこのサービスの対象外となっている。つまり、重度障害者が働くことがそもそも想定されていない。それでは議員としての活動ができないと2人が主張したため、2人が国会で活動する際の費用は当面の間、参議院が負担することになった。
2 金曜日 国際 アメリカとソビエト連邦(ソ連。現在のロシアなど)が1987年に結んだ中距離核戦力(INF)全廃条約が効力を失った。 もっと詳しく参照
4 日曜日 スポーツ 女子プロゴルファーの渋野日向子選手(20歳)が、イギリスで行われていたAIG全英女子オープン選手権で初優勝した。この大会は、女子プロゴルフでは現在五つあるメジャー選手権の一つだが、日本の選手がそのような大会で優勝したのは、1977年に全米女子プロ選手権を制した樋口久子さん(当時31歳)以来、42年ぶり2人目。男子ではまだいない。
6 火曜日 社会 農林水産省は2018年度の食料自給率(食品に含まれるカロリーを基準に計算したもの)が前年度より1ポイント低い37%だったと発表した。統計を取り始めた1965年度(73%)以降では、コメが大凶作だった1993年度に並ぶ過去最低水準となった。
18 日曜日 国際 アメリカはカリフォルニア州の島で、これまではINF全廃条約で禁じられていた中距離巡航ミサイルを地上から発射する実験を行った。このことを受け、ロシアと中華人民共和国(中国)の要請で、22日に国際連合安全保障理事会の緊急会合が開かれた。また、24日にはロシアが北極海の原子力潜水艦から弾道ミサイルを発射する実験を行った。 もっと詳しく参照
19 月曜日 社会 大阪税関は、2019年1〜6月の全国5地域(首都圏、近畿圏、中部圏、東北圏、九州圏)のタピオカの輸入量は4471トンで、前年同期の1038トンの約4.3倍になったと発表した。タピオカはキャッサバというイモから作ったでんぷんを粒状にしたもので、主に台湾から輸入されている。これを入れた飲み物の大流行がはっきりデータに反映された。
24 土曜日 国際 フランス南西部の少数民族バスク人が住む地域にあるビアリッツで主要7か国首脳会議(G7サミット)が開幕した。 もっと詳しく参照
25 日曜日 経済 G7サミットが開かれていたフランスのビアリッツで、安倍晋三首相はアメリカのドナルド・トランプ大統領と首脳会談を行い、日米貿易交渉について大枠合意した。日本はアメリカから輸入される牛肉や豚肉などの農畜産物の関税を、環太平洋パートナーシップ協定(TPP11)でほかの参加国に認めた水準まで下げることになった。一方、アメリカは日本から輸入する自動車部品をはじめとするさまざまな工業製品の関税を引き下げることになった。 もっと詳しく参照
28 水曜日 社会 気象庁はこの日の午前5時50分、福岡・佐賀・長崎の3県に「大雨特別警報」を出した。大雨特別警報は数十年に一度しかないような降雨量となり、重大な土砂災害や浸水被害の恐れがある場合などに、直ちに命を守る行動をとってもらう目的で発表される。この日の未明には、1時間の雨量が佐賀市で110ミリ、佐賀県白石町で109.5ミリという猛烈な雨を観測していた。佐賀県大町町では冠水した鉄工所から油が流出し、周辺の農地などにも広がったため、環境汚染、健康被害が懸念されている。また、石炭の採掘で捨てられた石を積み上げてできた「ボタ山」が崩れる恐れもあるとして、近くの住民は避難した。
30 金曜日 国際 アフリカの50以上の国から代表が参加して、横浜市で28日から開催されていたアフリカ開発会議(TICAD)がこの日、首脳宣言に当たる「横浜宣言2019」を採択して閉幕した。 もっと詳しく参照

米露中が軍備拡張の懸念も中距離核戦力全廃条約が失効

 核弾頭などを搭載する射程500〜5500キロの地上発射型ミサイルを禁じた中距離核戦力(INF)全廃条約が、8月2日に効力を失いました。この条約はアメリカとソビエト連邦(ソ連。現在のロシアなど)が1987年に結び、翌1988年に発効したものです。

 当時、資本主義のアメリカと社会主義のソ連はどちらの体制がより優れているかをめぐって対立していました。これを「冷戦」といいます。もし、どちらかが核兵器を使ったら、相手国も核兵器で反撃するので両国とも破滅するという危険な状態でした。米ソ両国は、そうした事態を回避しようと話し合いを続け、1987年に同条約に調印したのです。

地上発射型ミサイルの保有状況

※潜水艦発射型も含む。ストックホルム国際平和研究所調べ。2019年1月現在

 このころ全世界に約7万発もあった核弾頭は、冷戦終結後の現在では約5分の1の約1万4000発に減りました。しかし、パキスタンや朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)など新たな核保有国も出現し、核兵器が本当に使われてしまう危険性が低くなったとはとてもいえません。

 そんな状況のなか、アメリカはロシアが新たな中距離巡航ミサイルを開発するなど、条約に違反しているとして、今年2月2日、条約を破棄するとロシアに通告。アメリカはこの条約が対象としていない中華人民共和国(中国)がミサイルを増強していることも考えて決定したようです。これに対してロシアも、条約を守ることをやめ、それまで禁止されていた新型ミサイルの開発に着手すると表明しました。このため、どちらかが破棄を通告してから6か月後に失効するという条約の規定により、6か月後の8月2日、条約は効力を失ったのです。

 このことは8月9日に発表された長崎平和宣言でも触れられ、「世界から核兵器をなくそうと積み重ねてきた人類の努力の成果が次々と壊され、核兵器が使われる危険性が高まっています」と憂慮しています。

 その後、アメリカは18日にカリフォルニア州の島で中距離巡航ミサイルを地上から発射する実験を、ロシアは24日に北極海の原子力潜水艦から弾道ミサイルを発射する実験を、それぞれ行いました。こうしたことから、国際社会では中国を含む3か国による軍拡競争に拍車がかかるのではないかという懸念の声が高まっています。

横浜市ではアフリカ開発会議フランスでG7サミット開催

 この8月にはフランスと日本で大きな国際会議が二つ開かれました。

 まず一つは、24日から26日まで、フランス南西部の少数民族バスク人が住む地域にあるビアリッツで開催された主要7か国首脳会議(G7サミット)です。サミットは「山の頂上」という意味の英語で、G7サミットとは日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの首脳(首相や大統領)が年に1度集まり、世界の政治問題や経済問題などについて話し合う会議のこと。この7か国に加え、ヨーロッパ連合(EU)からヨーロッパ理事会常任議長(大統領)とヨーロッパ委員会委員長も参加します。G7とはGroup of Sevenを略したものです。

 今回は緊迫するイランの核問題、アメリカと中国との貿易摩擦、混迷する香港情勢などについて話し合われました。G7サミットでは通常、多くの項目から成る首脳宣言を出すのですが、今年はわずか5項目、1ページにまとめられた合意文書を採択するにとどまりました。地球温暖化対策に消極的で、しかも保護貿易に傾くトランプ大統領がほかの首脳と対立するようになって、合意形成が困難になったことがその背景にあるとみられています。

 このサミットの期間中、イランのザリフ外務大臣がビアリッツを訪問し、フランスのエマニュエル・マクロン大統領と会談しました。また、日米首脳会談も行われ、日米貿易交渉が大枠合意に至ったことが発表されました。米中貿易摩擦のため、中国に輸出できなくなったアメリカ産の飼料用トウモロコシは日本が買うことになりました。

 もう一つの重要な会議とは、日本の横浜市で28日から30日まで開かれた第7回アフリカ開発会議(TICAD7)です。今回はアフリカ54か国のうち53か国の代表が参加し、アフリカの国々の発展や日本企業の進出などについて話し合いました。

 安倍晋三首相は基調演説で、日本企業のアフリカへの投資を増やすため全力を尽くすと表明。30日には日本とアメリカが進める「自由で開かれたインド太平洋」構想について言及した「横浜宣言2019」を採択して閉幕しました。これはアフリカ諸国への援助を強化することで影響力を強めている中国を意識したものともいえます。

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