受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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  • 20年4月号 [入試に出る時事問題]これだけは知っておこう! さぴあニュースバンク

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さぴあニュースバンク 2020年2月

3 月曜日 国際 アメリカ大統領選挙の民主党の候補者を決めるために各州で行われる党員集会が、全米のトップを切って中西部のアイオワ州で開かれた。1位は地方都市の市長出身で、38歳という若さのピート・ブティジェッジ氏、2位は78歳で、学生ローンの返済免除や国民皆保険制度の導入などを掲げるバーニー・サンダース氏だった。オバマ前大統領の時代の副大統領で、最有力とされたジョー・バイデン氏(77歳)は4位と出遅れた。しかし、29日に南部のサウスカロライナ州で行われた予備選挙ではバイデン氏が圧勝し、ブティジェッジ氏は3月1日、選挙戦からの撤退を表明した。民主党の候補者は7月に開催される全国党大会で正式に決まる。一般国民による投票は11月3日に行われる。
5 水曜日 国際 アメリカの上院で開かれていた、ドナルド・トランプ大統領を辞めさせるかどうかを決める弾劾裁判で、無罪判決が下された。トランプ大統領は2020年の大統領選挙を有利に進めるため、外国(ウクライナ)に自分の政敵になりそうな人物(民主党のバイデン氏)を調査させようとした(権力乱用)うえ、その件に関する議会からの調査協力要請を拒否した(議会妨害)とされている。弾劾裁判とは大統領など権力を持つ人に不正な行為があった場合、その人を辞めさせるための仕組みで、アメリカ大統領の場合は上院が裁判所になる。しかし、現在の上院では与党・共和党が過半数を占めるため、無罪判決が確実とみられていた。
9 日曜日 文化 アメリカのロサンゼルスで第92回アカデミー賞の授賞式が開かれ、アメリカ映画「スキャンダル」で日本出身のカズ・ヒロ(辻一弘)氏がメーキャップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。同氏がこの賞を受賞するのは2018年以来、2度目。また、最高の栄誉とされる作品賞は、格差社会を描いた韓国映画「パラサイト 半地下の家族」が受賞した。英語以外の外国語映画が同賞を受賞したのは初めて。
13 木曜日 社会 厚生労働省は「新型コロナウイルス」に感染した神奈川県在住の80代の日本人女性が亡くなったと発表した。国内で新型コロナウイルスによる死者が出たのはこれが初めて。 もっと詳しく参照
19 水曜日 気象・災害 気象庁は2019年に大きな災害を引き起こした二つの台風の名称を定めたと発表した。千葉県に記録的な暴風と大規模な停電をもたらした台風15号(9月9日に千葉市付近に上陸)は「令和元年房総半島台風」と、記録的な大雨により長野県の千曲川(信濃川の上流)や福島県・宮城県を流れる阿武隈川など多数の河川を氾濫させた台風19号(10月12日に静岡県の伊豆半島に上陸して関東地方を通過)は「令和元年東日本台風」と、それぞれ名付けられた。
23 日曜日 社会 天皇陛下は昨年5月1日の即位後初の誕生日を迎え、皇居で祝賀行事が開かれた。誕生日に先立ち、21日に行われた記者会見では「憲法を遵守し、象徴としての務めを誠実に果たしてまいりたい」と述べられた。また、「近代では最も高齢で即位し、還暦(60歳)を迎えられましたが」という質問に対しては、「もう還暦ではなく、まだ還暦という思いでおります」と返された。ところで、この日は当初、国民が皇居・宮殿前でお祝いをする一般参賀が予定されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、中止された。
25 火曜日 科学 東京大学宇宙線研究所などが共同プロジェクトで進めている、大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」を使った重力波の観測がこの日から始まった。重力波とは超新星爆発やブラックホールの合体といった天文現象が起こったとき、時空のゆがみが光の速度で伝わってくるもので、それを岐阜県北部の旧神岡鉱山の地下200メートルに建設された1辺が3キロの「KAGRA」で検出しようとしている。地下に建設したのは誤差の原因になる振動が少ないからで、使用する鏡もマイナス250度まで冷やしているので「低温」という。重力波の観測から得られた情報は、宇宙の膨張や宇宙誕生の謎などを解明する手掛かりになると期待される。
26 水曜日 社会 安倍晋三首相は新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で、「多数の方が集まる全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は中止、延期、または規模縮小を要請する」と述べた。さらに、翌27日には「感染拡大を防ぐため、全国すべての小学校・中学校・高等学校・特別支援学校について、3月2日から春休みまで、臨時休業を行うよう要請する」と表明した。 もっと詳しく参照

中国から全世界に感染が拡大「新型コロナウイルス」が猛威

死者はすでに3000人以上

 2019年12月、中華人民共和国(中国)中部の湖北省の中心都市である武漢市で新型肺炎の発生が報告されました。1月になって、その原因は新型コロナウイルスとわかりました。3月5日現在、死者は中国本土だけで3000人以上、それ以外でも200人以上となっています。2002年から2003年にかけて、同じく中国を中心に流行した、コロナウイルスによる「重症急性呼吸器症候群(SARS)」での全世界の死者774人をはるかに上回ってしまいました。一方、感染者は同日現在、全世界で9万人を超えており、日本でも1000人以上が確認されています(集団感染が起こったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗っていた人を含む)。中国と日本以外では大韓民国(韓国)、イラン、イタリアなどで感染が広がっています。

 世界保健機関(WHO)は2月11日、この新型肺炎を「COVID−19」と命名したと発表しました。WHOは「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的に、各国の政府を助けて、公衆衛生の向上や感染症対策のためのさまざまな活動を行っている国連の専門機関です。

ウイルスが動物から人に感染

 コロナウイルスとはどんなウイルスなのでしょうか。たくさんの種類がありますが、いずれも電子顕微鏡で見ると、表面に王冠(コロナ)状の突起があるため、こう呼ばれます。風邪を引き起こすウイルスは200種類以上あるといわれていますが、風邪の原因の10〜15%(流行期には35%)は、4種類のコロナウイルスだとされています。

 しかし、近年になって新たに人に感染し、重大な病気を引き起こすようになったコロナウイルスもあります。一つは前述したSARSの原因となるウイルスで、これはコウモリからほかの動物を経由して人に感染したと考えられています。もう一つは2012年に中東への渡航歴のある人から初めて発見された「中東呼吸器症候群(MERS)」のウイルスです。これはコウモリからラクダを経由して人に感染したと考えられています。今回の「COVID−19」を引き起こすウイルスも、元々はコウモリの体内にあったもので、同じようにほかの動物を経由して人に感染した可能性があります。

 この新型コロナウイルスに感染すると、最初は発熱やせきなど風邪のような症状が現れます。悪化すると肺炎になり、最悪の場合、死に至ります。しかし、WHOによると、肺炎にまで至るのは元々持病があった高齢者などが多いようです。SARSやMERSと比較すると、軽症の人、症状が出ないためそもそも感染したことに気づかない人が多いのが特徴です。だからこそ、感染者が自由に動き回り、感染を広げてしまうため、毒性の強いウイルスよりもかえって封じ込めるのが困難な面があります。

 こうした感染症が発生する原因は、人間が森林などを開発し、野生動物のすみかに入り込むようになったことだとされています。それまで野生動物の体内にあったウイルスが、人に感染する機会が増えているというわけです。世界中で開発が進む今、これからも新たな感染症が発生するものと考えられます。

 ところで、ウイルスとよく混同されるものに細菌があります。その根本的な違いは細胞があるかどうかです。細菌は一つの細胞から成る生物なので、自分で増えることができますが、ウイルスには細胞がないため、生物の体内でなければ増えることができません。ウイルスが原因の病気で代表的なものはインフルエンザです。これに対し、細菌が引き起こす病気としてはペスト、コレラ、結核などがあります。

経済活動などに重大な悪影響

 今回の新型肺炎は社会的にも大きな影響を与えています。まず中国から日本を訪れる観光客が激減したことで、バス会社やタクシー会社、旅館やホテルなどの宿泊業、百貨店をはじめとする小売業などの売り上げが減少し、経済的な損害が出ています。また、中国で生産活動が縮小されたため、サプライチェーン(原料から製品をつくって販売するまでのつながり)が混乱しました。中国からの部品の供給が滞った結果、日本にある自動車や電子機器の工場でも生産に支障を来しています。

 大勢の人が集まる大規模なイベントの中止も続出しています。満員電車などで感染するリスクもあるため、自宅で仕事をする「テレワーク」や、電車が混雑する時間帯を避けて出社する「時差出勤」を推奨する企業もありますが、どんな仕事でもそれが可能なわけではありません。さらに、突然の休校要請により、子どもの預け先が見つからず、出勤できなくなる人も出るなど、戸惑いが広がっています。

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