受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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  • 21年7月号 [入試に出る時事問題]これだけは知っておこう! さぴあニュースバンク

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さぴあニュースバンク 2021年5月

1 土曜日 気象・災害 この日の午前10時27分ごろ、宮城県沖を震源とするマグニチュード6.8の地震が発生し、宮城県石巻市や大崎市で震度5強の揺れを観測した。東北地方での震度5以上の地震は2月13日、3月20日に続くもので、今年に入ってからだけでも3回目。
10 月曜日 環境 日本が世界自然遺産への登録をめざしている「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島県・沖縄県)について、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際自然保護連合が「登録が適当」と勧告したと、環境省が発表した。 もっと詳しく参照
10 月曜日 科学 アメリカ航空宇宙局(NASA)は、アメリカ版「はやぶさ」ともいわれる無人探査機「オシリス・レックス」が小惑星「ベンヌ」を離れ、地球に向けて出発したと発表した。地球への帰還は2023年9月下旬の予定で、「ベンヌ」の砂や石が入っていると思われるカプセルを切り離して、アメリカ・ユタ州の砂漠に投下することになっている。「オシリス・レックス」は異常がなければ、そのまま別の小惑星の探査に向かう。
12 水曜日 政治 内閣直属の「デジタル庁」を9月に発足させることなどを盛り込んだ「デジタル改革関連法」が参議院で可決され、成立した。今後は政府が国民への給付金をスムーズに配れるようになることが期待される半面、政府による個人情報管理が強化され、「監視社会化」が進む危険性もあると指摘されている。
17 月曜日 政治 建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込んだために中皮腫や肺がんなどの病気になったとして、元建設作業員らが国と建材メーカーに賠償を求めていた4件の裁判の上告を受けた最高裁判所は、防塵マスク着用の義務づけなどの規制を怠った国の対応は違法で賠償責任があるとする判決を下した。メーカーの責任についても一部認定した。これを受け、菅義偉首相は翌18日、原告団と首相官邸で面会し、謝罪した。アスベストを肺に吸い込むと中皮腫や肺がんを発症するとされるが、それまでに20〜40年かかるため、「静かな時限爆弾」ともいわれる。
19 水曜日 気象・災害 気象予報などで使われる「平年値」が10年ぶりに見直され、この日から用いられるようになった。過去30年分の気温や降水量などの値を平均した平年値は10年ごとに見直されることになっている。これまでは1981年から2010年までの数値を基にしていたが、この日以降は1991年から2020年までの数値が基にされる。地球温暖化を反映してか、気温の平年値は各地で0.2〜0.5度上昇している。
20 木曜日 気象・災害 災害対策基本法の改正により、大雨などの自然災害で被害が発生しそうなときに市区町村長が発令していた「避難勧告」と「避難指示」がこの日から「避難指示」に一本化された。従来は勧告と指示の違いがわかりにくく、逃げ遅れる人が出ていたため。高齢者等の避難に時間のかかる人は、より早い段階での避難が必要になるが、その場合の表現も「高齢者等避難」という直接的なものに改められた。
21 金曜日 国際 5月10日からイスラエル軍と、パレスチナ自治区のうちガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織「ハマス」との武力衝突が続いていたが、この日から停戦が発効した。「ハマス」がイスラエル側にロケット弾を撃ち込んだのに対し、イスラエル軍は空爆で報復し、子どもを含む多数の犠牲者が出ていた。
26 水曜日 文化 日本が世界文化遺産への登録をめざしている「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道・青森県・岩手県・秋田県)について、ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)が「登録が適当」と勧告したと、文化庁が発表した。 もっと詳しく参照
26 水曜日 科学 この日の午後8時9分から8時28分まで、月が地球の本影(地球の陰になって太陽の光がほとんど届かない部分)に入る皆既月食が起こった。月食は満月のときに起こるが、この日の満月は2021年の満月のなかでは最も大きく見える「スーパームーン」であり、観測できることを期待していた人が多かったが、曇り空で、観測できたのは北日本や南西諸島などに限られた。日本で次に月食が見られるのは今年11月19日だが、ぎりぎりで皆既月食にはならない。

日本から新たに2件が世界遺産に「奄美・沖縄」と「縄文遺跡群」

日本の世界遺産は25件に

 各国の政府が推薦した世界遺産候補を「世界遺産リスト」に登録するかどうかは、毎年夏に開かれる国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で決定されます。それに先立ち、ユネスコの諮問機関による審査があります。世界自然遺産は国際自然保護連合が、世界文化遺産は国際記念物遺跡会議(イコモス)がそれぞれ行い、結果はフランス・パリの世界遺産センターから各国政府に通知されます。この5月には、日本が推薦していた「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が自然遺産に、「北海道・北東北の縄文遺跡群」が文化遺産に、それぞれ「登録」が勧告されたという連絡が政府に入りました。

 今年の世界遺産委員会は7月16日から31日までオンラインで開かれます。二つの世界遺産が正式に登録されるのはその終了後ですが、これで日本の世界遺産は25件(文化遺産20件、自然遺産5件)になる見込みです。昨年は新型コロナウイルス感染症が世界的に流行していたため、世界遺産委員会は中止されました。そのため今回は、本来は昨年審査されるはずだった「奄美・沖縄」と、もともと今年審査されることになっていた「縄文遺跡群」の両方が審査され、日本から同時に2件の世界遺産が誕生しそうなのです。

生物多様性が評価された
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」

奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島

 まず、環境省は5月10日、鹿児島県と沖縄県にまたがる「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の自然遺産への「登録」が勧告されたと発表しました。これらの島々は大陸とつながっていたこともありますが、離れてからかなりの時間がたっているため、世界中でここにしか生息していない希少な固有種が多く、生物多様性が豊かな地域です。たとえば、奄美大島と徳之島にはアマミノクロウサギが、沖縄島北部(やんばる)には1981年に新種として発見された飛べない鳥ヤンバルクイナが、西表島にはイリオモテヤマネコがそれぞれ生息しています。これらはすべて絶滅危惧種ですが、ほかにも絶滅のおそれがある生物が多いことから、生物多様性を守るのに重要な地域であると評価されたのです。

 この地域の特徴は、貴重な自然が人の住む場所のすぐそばにあることで、西表島では車にひかれて命を落とすヤマネコもいます。今年4月にもそのような事故が発生しました。そこで、沖縄県では自然への悪影響を防ぐため、西表島に入る観光客数を1日1230人まで、年間33万人までに制限する方針です。

奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島

縄文時代の新たな見方を示した
「北海道・北東北の縄文遺跡群」

北海道・北東北の縄文遺跡群


①キウス周堤墓群、②高砂貝塚、③入江貝塚、④北黄金貝塚、⑤大船遺跡、⑥垣ノ島遺跡、⑦大平山元遺跡、⑧田小屋野貝塚、⑨亀ケ岡石器時代遺跡、⑩大森勝山遺跡、⑪三内丸山遺跡、⑫小牧野遺跡、⑬二ツ森貝塚、⑭是川石器時代遺跡、⑮伊勢堂岱遺跡、⑯大湯環状列石、⑰御所野遺跡

 一方、文化庁は5月26日、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の文化遺産への「登録」が勧告されたと発表しました。これは北海道6、青森県8、岩手県1、秋田県2の計17の遺跡から構成されます。約5900年前から約4200年前まで、1700年にもわたって人が住んでいた大規模な集落跡である「三内丸山遺跡」(青森県青森市)、世界最古級とされる約1万6000年前の土器のかけらが見つかった「大平山元遺跡」(青森県外ヶ浜町)、環状に石を配置したストーンサークルを主体とした、縄文人が何らかの儀式を行った場所とみられる「大湯環状列石」(秋田県鹿角市)などが代表的なものです。

 縄文時代は約1万5000年前に始まったとされています。そのころの人類は少人数で移動しながら、狩りをして獣をとったり、海や湖で魚や貝をとったり、木の実や果実などを採集したりして、その日暮らしをしていたというイメージを持たれていました。

 しかし、それを覆したのが、1990年代に大規模な発掘調査が行われた三内丸山遺跡です。最盛期には約100棟の住居に500人ほどが住んでいたという説もあります。世界のほかの地域では農耕・牧畜と定住がほぼ同時に始まったのに対して、日本では狩猟・採集を基盤にしながらも、竪穴住居などに定住する生活が確立されたのです。今回、登録がほぼ確実になった17の遺跡からはその過程をたどることができます。しかも、出土した土偶や、死者の埋葬の仕方、環状列石などから、縄文人の信仰や、その精神世界まで明らかにすることができるという点も高く評価されました。

北海道・北東北の縄文遺跡群


①キウス周堤墓群、②高砂貝塚、③入江貝塚、④北黄金貝塚、⑤大船遺跡、⑥垣ノ島遺跡、⑦大平山元遺跡、⑧田小屋野貝塚、⑨亀ケ岡石器時代遺跡、⑩大森勝山遺跡、⑪三内丸山遺跡、⑫小牧野遺跡、⑬二ツ森貝塚、⑭是川石器時代遺跡、⑮伊勢堂岱遺跡、⑯大湯環状列石、⑰御所野遺跡

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