受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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  • 22年4月号 [入試に出る時事問題]これだけは知っておこう! さぴあニュースバンク

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さぴあニュースバンク 2022年2月

1 火曜日 文化 政府は2023年の世界文化遺産への登録をめざし、「佐渡島の金山」(新潟県)を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦した。世界遺産委員会は来年6〜7月ごろに登録の可否を判断する。この金山は戦国時代から江戸時代にかけての遺跡として推薦したのであって、明治時代以降のことは本来は関係ないが、大韓民国(韓国)政府は、太平洋戦争中に朝鮮半島出身者がそこで強制的に働かされていたとして推薦の撤回を要求している。
1 火曜日 国際 衆議院本会議は、中華人民共和国(中国)の新疆ウイグル自治区、チベット、内モンゴル自治区(南モンゴル)、香港などでの人権状況に懸念を表明する決議を採択した。「中国」という国名をタイトルにも本文にも入れず、日中関係に一定の配慮をした。しかし、それでは意味がないとして一部の議員が反対し、全会一致とはならなかった。
4 金曜日 スポーツ 中国の首都・北京で第24回冬季オリンピックの開会式が行われた。 もっと詳しく参照
6 日曜日 国際 イギリスのエリザベス2世はこの日、25歳で女王に即位してから70年を迎えた。現在95歳で、存命する君主では世界最高齢であり、在位期間も最も長い。イギリスの王・女王は日本の天皇と同様、「象徴」として国をまとめる立場にある。イギリスがかつて支配していたカナダやオーストラリアなどほかの15か国の元首でもある。
8 火曜日 国際 衆議院本会議は「ウクライナを巡る憂慮すべき状況の改善を求める決議」を賛成多数で可決した。同様の決議は翌9日に参議院本会議でも可決された。 もっと詳しく参照
8 火曜日 経済 2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震と津波により、東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質が大量に外に漏れるという重大な事故が発生して以来、福島・茨城・栃木・群馬・千葉の5県でとれた食品の輸入を一律に禁止していた台湾が、その禁輸をキノコなど一部を除いて解除すると発表した。実際に解除されたのは2月21日。
12 土曜日 文化 前日から指されていた将棋の第71期ALSOK杯王将戦七番勝負の第4局で、藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖と合わせ四冠)が渡辺明王将(名人・棋王と合わせ三冠)を破った。これで対戦成績が4勝0敗となり、藤井四冠が王将のタイトルを奪取して「五冠」となった。五冠を達成した将棋棋士は史上4人目で、19歳6か月での達成は羽生善治九段の22歳10か月を抜き、史上最年少記録。
21 月曜日 国際 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシア寄りの武装勢力が実効支配するウクライナ東部のルガンスク州とドネツク州のそれぞれ一部を独立国家として承認すると一方的に宣言した。また、ウクライナ軍からの攻撃に対抗し、平和を維持するためだとして、そこにロシア軍を展開することを命じた。 もっと詳しく参照
22 火曜日 気象・災害 北海道の新千歳空港では大雪のため、滑走路の除雪が追いつかず、この日に発着する予定だった全228便が欠航した。札幌などへの移動手段も確保できず、乗客ら約650人が空港内で一夜を明かすことを余儀なくされた。空港会社ではこの日の午前1時から2本の滑走路を同時に閉鎖し、保有する90台以上の除雪車をフル稼働して除雪に当たっていたが、雪の降る勢いは一向に衰えず、航空各社では午後1時までに欠航を決断したという。全便欠航は2018年9月の北海道胆振東部地震以来。北海道では2月6・7日にもJR札幌駅を発着するすべての列車が運休となるなど、大雪により通常通りの生活が困難な状況が続いていた。
24 木曜日 国際 ロシアのプーチン大統領はロシア軍を北、東、南の三方からウクライナに侵攻させ、これに抵抗するウクライナ軍との間で激しい戦闘になった。このことについて、国際連合安全保障理事会は翌25日、ロシアを非難し、武力行使の即時停止とウクライナからの撤退を求める決議案を採決したが、常任理事国のロシアが拒否権を行使し、否決された。中国など3か国は棄権した。 もっと詳しく参照

日本は過去最多18個のメダルを獲得中国の北京で冬季オリンピック

メダル獲得ランキング(3月1日現在)
順位国名
1ノルウェー3716813
2ROC(※)3261214
3ドイツ2712105
4カナダ264814
5アメリカ258107
6スウェーデン18855
オーストリア774
日本369
9オランダ17854
イタリア278

※ロシアオリンピック委員会

 2月4日から20日まで、中華人民共和国(中国)の首都・北京で第24回冬季オリンピックが開催されました。北京は2008年に夏季大会を開催しているため、史上初めて夏と冬の両方のオリンピックを開催した都市になりました。

 この大会には91の国・地域から約2900人の選手が参加。史上最多の7競技109種目で熱戦が繰り広げられました。日本からは124人(男子49人、女子75人)が参加しましたが、これは2018年に大韓民国(韓国)の平昌で開催された前回大会の123人を上回って過去最多です。

 日本は今回、金3、銀6、銅9の計18個のメダルを獲得しました。これも平昌大会の13個を上回って過去最多です。最も活躍したのは選手団主将を務めたスピードスケートの高木美帆選手。女子1000mでオリンピック記録を更新して金メダル、女子500m、女子1500m、女子団体パシュートの3種目で銀メダルと、計4個のメダルを手にしました。ほかに金メダルを獲得したのは、スノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢選手とスキー・ジャンプ男子個人ノーマルヒルの小林陵侑選手です。

 昨年の東京オリンピックと同様、今回の北京オリンピックも新型コロナウイルス感染症が世界的に流行するなかで開催されましたが、競技以外のことでも注目を集めました。まず、アメリカやイギリスなどが新疆ウイグル自治区での人権問題などをめぐり、政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を行ったことです。また、国家ぐるみでドーピングを行っていたとされたロシアは、今回も国としての参加が認められず、ROC(ロシアオリンピック委員会)として参加しましたが、そのフィギュアスケート女子選手がドーピング検査で陽性になり、大きな問題になりました。

 なお、次回2026年の冬季大会はイタリアのミラノとコルティナダンペッツオで共同開催されます。

国際社会は強く非難、経済制裁へロシアがウクライナに侵攻

ウクライナとその周辺各国

 2月21日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシア寄りの武装勢力が実効支配するウクライナ東部のルガンスク州とドネツク州の一部を独立国家として承認すると一方的に宣言。ウクライナ側からの攻撃に対抗して平和を維持するためだと主張し、ロシア軍をそこに展開させることを命じました。そして2月24日、ロシア軍はウクライナへの全面的な侵攻を開始し、ウクライナの首都キエフでも戦闘が行われるようになりました。

 この問題は昨年以降、ロシアがウクライナとの国境付近に軍を集結させ、ウクライナにいつでも侵攻できる態勢を整えたことに端を発します。これに対し、アメリカはウクライナに近いポーランド、ルーマニア、ドイツに軍を派遣しました。これらはすべて北大西洋条約機構(NATO)という軍事同盟に加盟している国です。NATOは加盟30か国のうちどれか1か国でも攻撃されれば、加盟国全体に対する攻撃と見なすことになっています。アメリカも加盟しているため、NATO加盟国をもし攻撃すれば、アメリカに反撃される可能性があります。だから加盟すれば、軍事力があまり強くない国でも安全が守られることになるのです。

 ソビエト連邦(ソ連)が存在していた冷戦時代は、ロシアとウクライナはともにソ連を構成する共和国の一つで、ポーランドやルーマニアはソ連の同盟国でした。つまり、ソ連は一部を除き、アメリカの同盟国と直接国境を接しなくてすんでいたのです。しかし、冷戦終結後はポーランドやルーマニアもNATOに加盟し、アメリカの同盟国になりました。アメリカの勢力範囲が東に広がり、ロシアの勢力範囲が縮小したわけです。さらに、ウクライナまでがNATO加盟を希望するようになったので、ロシアはそれを認めてしまったら国の安全が脅かされると考え、今回の事態に至りました。

 これに対し、アメリカやヨーロッパ諸国をはじめとする多くの国々は「明らかな国際法違反であり、力による現状変更は断じて容認できない」として、ロシアを強く非難し、ロシアに対して厳しい経済制裁を科すと発表しています。日本もそれに同調しました。

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