さぴあニュースバンク
飲酒・喫煙は「20歳以上」のまま成人年齢が「18歳」に
●18歳成人が4月からできること(○)、できないこと(×)
4月1日、2018年に改正された民法が施行され、成人年齢が「20歳」から「18歳」に引き下げられました。これにより、この日の時点で18歳と19歳の約240万人が成人となりました。
選挙で投票できる年齢もかつては「20歳以上」でしたが、2015年の公職選挙法の改正により、2016年からすでに「18歳以上」になっています。選挙権年齢を引き下げた以上、民法上の成人年齢もそれに合わせて引き下げるべきだという議論が出てくるのは自然なことでした。また、海外では18歳で成人になる国が主流であるため、国際的に足並みをそろえようという理由もあったようです。
成人年齢の引き下げに伴う大きな変化の一つは、18歳と19歳の人が、賃貸アパートや携帯電話の契約、クレジットカードの作成といった契約行為を、法定代理人(両親など)の同意なしでできるようになったことです。ただし、良いことばかりではありません。未成年者が法定代理人の同意を得ずにした契約は、未成年者本人や法定代理人が無効にできるという「未成年者取消権」が18歳で使えなくなったからです。そのため、まだ社会経験が乏しい18・19歳が、契約内容がよくわからないまま商品を買ったり、サービスを受けたりして、高額な代金を請求されるといったトラブルの増加が懸念されています。消費者教育の充実が急務です。
また、女性が結婚できる年齢は「16歳以上」でしたが、4月1日からは男性と同じ「18歳以上」になりました。一方、飲酒や喫煙、競馬などの公営ギャンブルが許されるのはこれまでどおり「20歳以上」で変わりません。
なお、同日に施行された改正少年法により、今後は裁判員裁判の対象になるような重大事件を起こした18・19歳については、裁判所に起訴された後は実名での報道が認められるようになりました。また、この改正少年法により、「18歳以上」に選挙権を与えた公職選挙法の改正後も、18・19歳は裁判員にはしないと定めていた同法の付則が削除されたため、4月1日からは裁判員に選ばれる年齢も「18歳以上」になりました。ただし、2022年分の裁判員候補者名簿の作成は2021年にすでに終わっているため、18・19歳の人が実際に裁判員に選ばれるのは2023年からです。
ごみの削減と再利用をめざす「プラスチック資源循環促進法」が施行
2021年6月4日に成立した「プラスチック資源循環促進法」が4月1日に施行されました。プラスチックごみによる海の汚染が世界的に大きな問題となってきた今、その排出量を減らし、リサイクルを強化するため、2020年7月からは全国でレジ袋が有料化されましたが、それに続く取り組みを進めるのが目的です。
まず、市区町村に対しては、家庭から出るプラスチックごみのうち、食品トレーやペットボトルだけではなく、文房具やおもちゃなども含めた幅広い製品をまとめて回収することを求めています。また、コンビニエンスストアや飲食店などには、プラスチック製品の使用量削減を義務づけています。その対象となるのはスプーン、フォーク、ストローなどのほか、クリーニング店でもらえるハンガー、ホテルでもらえる歯ブラシなど12種類に及びます。
ただ、今のところは、スプーンやストローを有料化した店はあまり多くはありません。法律では必ずしも有料化しなくても、受け取りを断った人にはポイントを還元するなどの方法を採用してもよいことになっているからです。それでも、一部の店舗で木製のスプーンやフォークを提供することにしたハンバーガーチェーンもあります。
石油からつくられたプラスチックは分解されにくいため、ごみとして捨てられると、最終的に川などを経て海に流れ込みます。そのようなごみを餌と間違えて食べてしまったり、ひも状のごみにからまったりして命を落とす海の生物が後を絶ちません。また、プラスチックが波や紫外線などで風化し、細かく砕かれて大きさが5㎜以下の粒になった「マイクロプラスチック」が世界中の海から検出されるようになっています。それ自体は健康に大きな害を及ぼすことはないとされていますが、発がん性のあるポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有害物質がつきやすい性質があります。それが体内に入った魚介類を人間が食べると、人間の体内にも有害物質が入ることになります。だからこそ、プラスチックごみを減らさなければならないのです。
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