さぴあニュースバンク
※気象庁は9月1日、関東甲信から九州にかけての各地方の梅雨明けは「7月下旬」だったと発表しました。7月中旬を中心に、上空の寒気や前線、低気圧の影響で曇りや雨の日が多かったためです。また、東北北部・南部と北陸の各地方の梅雨明けは「特定できない」に変更しました。8月上・中旬も前線や湿った空気の影響を受けやすく、曇りや雨の日が多かったためです。
第1回はオーストリアのウィーンで核兵器禁止条約の締約国会議が開催
2021年1月22日に発効した核兵器禁止条約の第1回締約国会議が、6月21日から23日まで、オーストリアのウィーンで開催されました。
この条約は人類の破滅につながりかねない核兵器の開発・製造・保有・使用などを、初めて全面的に禁止したもので、2017年7月7日、国際連合(国連)本部で120か国以上の賛成を得て採択されました。ただし、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中華人民共和国(中国)の核保有5大国と、インド、パキスタン、イスラエル、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)といった事実上の核保有国は、採択のための話し合いに参加せず、条約も批准していません。
唯一の戦争被爆国である日本も参加しませんでした。政府は「核保有国と非保有国の対立を助長するから」だとしていますが、実際は厳しい国際環境のなかで、国の安全をアメリカの「核の傘」に頼っているため、核兵器の禁止を強くは主張できないという事情があるからではないかとみられています。「核の傘」とは、もし日本を武力攻撃したら、日本の同盟国であるアメリカに核兵器で反撃される恐れがあるので、どの国も簡単には日本を攻撃できないということです。同じような状況の大韓民国(韓国)や、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国であるカナダ、ヨーロッパ諸国なども批准していません。
今回の締約国会議には、条約を批准していないオブザーバー(議決権のない参加者)を含む、80以上の国・地域が参加しました。オブザーバーにはNATO加盟国のドイツ、ベルギーなども名を連ねましたが、日本は核保有国が1か国も参加していないことを理由にオブザーバー参加を見送りました。ただし、広島市と長崎市の市長はそろって出席し、核廃絶を訴えています。
会議の最終日である23日には、「核兵器のない世界への私たちの誓約(ウィーン宣言)」を採択。ウクライナに侵攻したロシアを念頭に、名指しは避けながらも、「核兵器を使う」といういかなる脅しも明確に非難するとしています。そして、自国や同盟国の核兵器によって他国からの核攻撃を防げるという「核抑止論」を改めて否定しました。
ロシアへの圧力強化で合意ドイツでG7サミットが開催
●エルマウ・サミットに参加したG7とEUの首脳
6月26日から28日まで、ドイツ南部のエルマウで、主要7か国首脳会議(G7サミット)が開催されました。
サミットとは「山の頂上」という意味の英語です。また、G7とはGroup of Sevenの略で、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの主要7か国を指します。これらの国々の首脳(首相や大統領)が1年に1度集まり、世界の政治問題や経済問題などについて話し合う会議がG7サミットです。この7か国に加え、ヨーロッパ連合(EU)からもヨーロッパ理事会常任議長(大統領)とヨーロッパ委員会委員長が参加します。
今回の議長は昨年12月にアンゲラ・メルケル氏に代わってドイツ首相になったオラフ・ショルツ氏でした。これにより、G7の首脳は全員男性になりました。
28日に採択された首脳声明では、まずロシアのウクライナ侵攻を「不法で不当な侵略戦争」と非難。ウクライナに必要な限りの支援を提供するとともに、石炭、石油、天然ガスなど、ロシア産の化石燃料への依存を段階的に解消するとしました。また、世界的な食料危機を防ぐために、45億ドル(約6100億円)を追加で拠出することも表明しました。これはロシアが黒海を封鎖したため、ウクライナからの小麦などの輸出が滞っていることを念頭に置いたものです。ウクライナ産の小麦は主に中東やアフリカの国々に輸出されていますが、今後こうした国では貧しい人々が十分な食料を手に入れられなくなることも考えられます。
中国に対しては、ウクライナから即時撤退するよう、ロシアに圧力を掛けることを要求しました。また、南シナ海での国際法に違反した海洋進出をやめることなども求めました。さらに、強制労働の存在が疑われている新疆ウイグル自治区や、「一国二制度」が形だけのものとされた香港での人権侵害について深刻な懸念を表明しました。
なお、来年のG7サミットは日本が開催する番ですが、今回のサミット終了後の記者会見で、岸田文雄首相は原子爆弾の被爆地であり、自身の選挙区でもある広島市で開催すると改めて表明しました。
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