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59歳で5回目の宇宙飛行若田光一宇宙飛行士がISSへ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の若田光一宇宙飛行士ら4人を乗せたアメリカの有人宇宙船「クルードラゴン」5号機が10月5日正午(アメリカ東部時間。日本時間6日午前1時)、フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられました。宇宙船は予定の軌道に入り、6日午後6時ごろ(同。日本時間7日午前6時ごろ)、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングしました。
若田宇宙飛行士は59歳で、宇宙飛行は今回で5回目。これは、日本人としては最も高齢での宇宙飛行で、5回という回数も日本人最多です。
今回、4人の宇宙飛行士はISSに6か月間滞在してさまざまな実験・研究を行うことになっています。アメリカは近い将来、日本を含む各国と協力して、月に再び人を送って探査しようとしていますが、この「アルテミス計画」で使われる探査車(ローバー)の設計のための実験などです。
JAXAの現役宇宙飛行士は6人全員が45歳以上です。2023年には古川聡宇宙飛行士も宇宙に行く予定ですが、そのときの年齢は、今回の若田宇宙飛行士と同様、59歳です。この2人が後進に道を譲ると、残るのは4人。そこで、JAXAは2021年12月〜2022年3月に、13年ぶりに新たな宇宙飛行士を募集しました。その合格者が2023年春にも発表される予定です。
10月には日本の宇宙開発をめぐって残念な話題もありました。12日に小型固体燃料ロケット「イプシロン」6号機の打ち上げに失敗したのです。ロケットの姿勢が乱れたため、衛星を軌道に投入することができなくなったと判断され、管制室から「指令破壊」信号が送られて爆破されました。JAXAがロケットの打ち上げに失敗したのは2003年以来19年ぶりです。
「イプシロン」は日本の基幹ロケットで、今回はレーダーで地表を観測する商業衛星を搭載していましたが、それが失われました。今後の商業衛星の打ち上げ受注に悪影響が出ることが懸念されています。
一時、1ドル=150円台に円安で貿易赤字が拡大
●円相場の動き(1ドルが何円だったか)
10月20日、東京外国為替市場で円相場が一時、1ドル=150円台を記録するほどの円安になりました。「円」の価値がこれほど下がったのは32年ぶりです。
世界では日本の「円」、アメリカの「ドル」、ヨーロッパ連合(EU)の「ユーロ」、イギリスの「ポンド」など、国によって異なるさまざまな通貨が使われています。日本では、街の普通のお店では「円」しか使えませんから、「ドル」を持っている人が日本を旅行するときは、手持ちのお金の一部を「円」に換えておくことが必要です。そのための通貨の交換=売買をする場を「外国為替市場」といいます。
ただし、通貨の価値は固定されているわけではありません。野菜の値段が異常気象や災害などさまざまな理由で変わるように、通貨の価値もその時々の各国の経済状況などを反映して、低くなったり高くなったりするのです。「円」の価値が外国の通貨、特にアメリカの「ドル」に対して上がることを「円高」といい、下がることを「円安」といいます。1ドルと交換できる「円」の金額が少ないほうが「円高」で、多いほうが「円安」であることに注意してください。
1ドル=150円台になった同じ10月20日、財務省は2022年度上半期(4〜9月)の貿易収支(輸出額−輸入額)が11兆75億円もの赤字になったと発表しました。これも円安の影響で、2022年度の貿易赤字が過去最大になることは確実です。
最近の歴史的な円安の背景にあるのは日本とアメリカの金利(利息)の差だといわれています。金利が上がると、工場を新たに建てようとする会社や家を買おうとする個人は、そのためにお金を借りると利息が増えるため、お金が借りにくくなって経済活動が低調になります。すると、物を買う人が少なくなり、物価も下がることが見込まれるわけです。
アメリカでは物価高が継続しているため、金利を上げ続けていますが、日本は景気が良くないため、金利を極端に低い状態に据え置いています。すると、金利が低い「円」を売って金利が高い「ドル」を買おうとする動きが活発になります。「円」ではなく「ドル」でお金を銀行に預けたほうが、より多くの利息がもらえるからです。こうして円安が続いているのです。
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