受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあ職場見聞録

第13回/FMラジオ局:
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さぴあ職場見聞録 第13回/FMラジオ局

 小学生の皆さんのなかにも、食事をしながら、読書をしながら、ラジオを聴いている人がいるかもしれません。ラジオ局は日々のニュースや気象情報、交通情報などをリアルタイムに届けてくれるメディアですが、特に音楽番組を多く放送しているのがFMラジオ局です。10代に支持を得ている「SCHOOL OF LOCK!」などの番組を放送しているTOKYO FM(株式会社エフエム東京)を訪ね、局内の様子を見てきました。

音楽を楽しむ番組が豊富なFM放送。
災害が起きたときは心強い情報源に

ラジオ局の心臓部ともいえる「報道情報センター」。TOKYO FMのニュースはここから放送されます。ガラス張りの小さな部屋(写真右)は、アナウンサーが入って臨時ニュースなどの原稿を読む「アナウンスブース」。大地震などのニュースはここから発信されます

番組作りにインターネットも活用

東京地方裁判所事務局
総務課長
内野 洋さん生放送を行うスタジオのテーブルには、話す人がせきばらいができるように、マイクのスイッチを手元で入れたり切ったりする「カフボックス」という装置がついています。「カフ」は英語で「せき」を意味しています

 ラジオ局にはFM局とAM局があります。FM放送では、波長が短く音質の良い放送が可能な「超短波」を使うため、音楽を楽しむ番組が多いのが特徴です。また、ラジオはテレビとは違い、音声だけを放送するため、仕事や勉強、ドライブ、家事など、何かをしながら放送を聴くリスナー(聴取者)がほとんどです。

 さらに近年では、Twitter(ツイッター)やLINE(ライン)をはじめとするSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及により、同じ時間帯に同じラジオ番組を聴いているリスナー同士が、SNSでコミュニケーションを取りながら番組に参加するといった新しい楽しみ方も生まれました。TOKYO FMをはじめとするFMラジオ局では、番組のホームページに掲示板を設け、そこに書き込まれたリスナーからのメッセージを放送内容に反映させるなど、インターネットを活用した番組作りをしています。

●AM波とFM波


AMラジオは「中波」を使用しています。中波は「地表波」といわれる、地表に沿って進む性質が強い電波の一種です。地表波はビルや山などの障害物を回り込んで進むため、広い範囲に電波を届けることができますが、ほかの電波の影響を受けやすく、雑音が入りやすいという短所があります。一方、FMラジオは「超短波」を使用しています。超短波は、直線距離で伝わる「直接波」の一種です。直接波は障害物を回り込むことができないため、地表波ほど遠くまでは届きませんが、ほかの電波の影響を受けにくく、音質が優れているのが特長です。また、2015年秋から東京のAM局でも、東京スカイツリーからFM波によるFM補完放送を始めました

民放は企業からの広告料で運営

 ラジオ局は、公共放送のNHK(日本放送協会)と、営利を目的とする商業放送を行うTOKYO FMのような民間企業(民間放送=民放)に分けることもでき、後者はCMを流す企業(スポンサー)が支払う広告料で運営されています。民放には、各地域にあるラジオ局によって結成されたネットワークがいくつかあり、加盟局が同じ時間帯に同じ番組を一斉に放送したり、ラジオ局ごとに異なる番組を放送したりしています。TOKYO FMは、全国38局のネットワークであるJFN(ジャパン・エフエム・ネットワーク)の加盟局に番組を送り出す役割も果たしています。

 地震などの災害発生時に、心強い情報源となるのがラジオです。TOKYO FMでは、東日本大震災が発生した後、被災地の避難所で心細い思いをしている子どもたちのために「アンパンマンのマーチ」を放送しました。このようにラジオは、非常時に情報を伝える手段として役立つだけでなく、“人の心に寄り添うメディア”としても再評価されています。

 そんなラジオ局ではどんな人が働いているのでしょうか。番組を作るに際しては、アナウンサーはもちろん、番組の責任者であるプロデューサー、そのプロデューサーの指示の下で実際の番組作りを担当するディレクター、トラブルなく放送できるように音質・音量を調整するミキサーという技術者、パーソナリティ(番組出演者)が話す原稿を作成する放送作家、放送中に流す音楽や原稿を用意したり、取材した音声を編集したりするAD(アシスタント・ディレクター)などが協力して働いています。また、番組に合うスポンサーを探す営業担当者もいます。

●災害時のネットワーク


TOKYO FMをはじめとするJFN(ジャパン・エフエム・ネットワーク)は、全国38局のネットワーク。震災時には、このネットワークが大きな役割を果たします。5年前に起きた東日本大震災のときには、被災した東北のラジオ局の代わりに、TOKYO FMが被災地の様子などの情報を収集。その情報をもとにJFN各局を通じて放送し、全国に支援を呼びかけました。2016年4月に発生した熊本地震では、役所・役場やコンビニエンスストアに電話で取材をするなどして現地の情報をまとめ、緊急特番を放送しました

●便利なアプリ


ラジオ受信機がなくても、スマートフォンやタブレットでラジオが聴けるアプリがあります。たとえば、「radiko.jp」は、住んでいる地域のradiko参加局の放送が無料で聴けるアプリ。また、「ドコデモFM」や「LISMO WAVE」「radiko.jpプレミアム」など、有料のアプリもあります

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