受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあ職場見聞録

さぴあ職場見聞録 第21回/文具メーカー

 皆さんのなかには、勉強で使うシャープペンシルやペンケースに愛着を持っている人も多いことでしょう。また、付箋やマーカーは知識を身につける際に役立つ受験生の必需品です。そこで今回は、そうした文具をつくって販売しているサンスター文具を訪ね、企画・営業推進本部の豊倉美奈さんに文具メーカーの仕事について聞きました。

sappy 人々が欲しいものを先読みし
便利で楽しい文具をつくる

「象が踏んでもこわれない」でおなじみ、半世紀を超えるロングセラー商品の 「アーム筆入」をはじめ、ずらりと並ぶアイデア文具の数々。スティック状のはさみ 「スティッキールはさみ」、西暦何年が令和何年かがわかる 「令和定規」、ウェットティッシュ入れがついたポーチ 「seepo(シーポ)」など、便利で楽しい工夫がされています

東京本社は広い1フロアにすべての部署が入っています。コミュニケーションがとりやすく、仕事が円滑に進みます

アイデア文具の開発に力を入れ 歴史のあるコンテストも実施

サンスター文具株式会社
企画・営業推進本部
営業推進グループ
広報担当
豊倉 美奈さん

 一口に文具メーカーといってもいろいろあり、たとえば筆記具が得意な会社や、オフィス向けの事務用品を扱う会社、ノートや手帳などの紙製品をつくる会社など、それぞれ得意分野が異なります。サンスター文具は、小学生向けの学習用文具メーカーとして創業しましたが、今は「アイデア文具」と「キャラクター文具」という二つの事業を柱としており、商品の利用者の年齢層も子どもから大人にまで広がっています。

 アイデア文具とは、従来からある一般的な文具とは異なり、より便利な機能を持たせたり、楽しい工夫をしたりしているような文具のこと。はさみを例に挙げると、サンスター文具のアイデア文具には、7連の歯でシュレッダーのように切れるはさみ、カッター付きはさみ、ごみの分別に便利な万能分別はさみ、ペンのようなスティック型のはさみなどがあります。

 こうしたアイデア文具はサンスター文具の社員も開発しますが、今年で24回目を迎えた「文房具アイデアコンテスト」の受賞作品から商品化されたものもたくさんあります。この文房具アイデアコンテストには、大人も応募できる一般部門と、応募資格を15歳(中学生)以下に限定したジュニア部門があり、ジュニア部門の受賞作品からも「かどふせん」(下の写真参照)が商品化されてヒットしています。

新商品がお店に並ぶまで

週に1度のアイデア会議で
クリエイティブ部門の社員が
アイデアを出す
→
デザインや仕様を検討
スライドさせるとペンケースがペンスタンドに早変わりする「DELDE(デルデ)」のスライドポーチは、累計100万個のヒット商品。企画・開発担当者は、その仕組みを説明するための試作品を飲料の紙パックでつくりました
→
→
会議で
商品化が決定
→
デザインや
仕様を決める
→
工場に
デザインデータを渡す
→
→
サンプルを
製造
→
サンプルをチェックして
改善点などを工場に指示
→
品質チェック
量産の最初の段階で、品質管理部門が安全面・衛生面などに関する品質チェックを行う
→
→
本格的に
量産
→
できた商品が
物流センターに
納品される
→
営業からの受注の指示に従って
物流センターから各販売店に発送

※従来にない商品が生まれた場合は、まねされることを防ぐために、アイデアの性質によって「特許権」「実用新案権」「意匠権」を取得するための手続きをします。

※キャラクター文具を商品化する際は、使いたいキャラクターの「著作権」を所有している人物や会社から、使用の許可を得なければなりません。さらに、そのキャラクターを用いた商品のデザインが、それでよいかどうかという許可も得ることが必要です。その文具が商品化されたときは、著作権を所有している人物や会社に著作権料を支払います。

コンテストの受賞作品を商品化

 「ロクイチブング」は、サンスター文具が年に1度行っている「文房具アイデアコンテスト」の受賞作品を商品化したブランドです。創業者の「挑戦し続ける」という基本精神を忘れることなく仕事に取り組むことを目的として、創業者の命日である6月1日にコンテストの表彰式を行ってきたことから、「ロクイチブング」と名付けられました。これまでに次のような商品が発売されています。

「Piri-it!(ピリット)」

(第18回 一般部門 審査員特別賞)
ちぎると意味が変わる付箋。「LOOK!→OK!」「要確認→確認」「?→!」(写真)などのデザインがあります

「さくらさくえんぴつ」

(第20回 一般部門 サンスター文具賞)
桜をモチーフにした鉛筆。削りかすまで花びらになるので、合格祝いのプレゼントにも最適

「かどふせん」

(第22回 ジュニア部門 優秀賞)
ノートや書類などの角に貼るためよく目立ち、大事なメモを見落としません

「SmaPop!(スマポップ)」

(第22回 一般部門 サンスター文具賞)
スマホが立つペンケース。動画を見たり、タイマーをかけて問題を解いたりする際のスタンドとしても便利です

キャラクターをデザインした 楽しい文具も得意分野

 もう一つの柱であるキャラクター文具は、文具にキャラクターをデザインしたものです。サンスター文具の場合、ディズニーやサンリオのキャラクターに加え、「それいけ! アンパンマン」をはじめとするさまざまなキャラクターの使用の許諾を得ており、それらの数では業界トップを誇ります。

 そんなサンスター文具で働いている人の仕事は、大きく次の六つに分けられます。

クリエイティブ…企画・デザインから商品化までにかかわるすべてを担当。

営業…小売店や問屋に商品を紹介。

マーケティング…世の中でどんな物がはやっているかなどといった市場分析や商品の宣伝などを担当。

物流…工場で製造された商品の入荷管理、出荷を担当。

経営企画…総務・人事・経理など。

海外…海外への商品の販売やPRを担当。

第22回/文具メーカー:
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