受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあ仕事カタログ

ANAのキャプテンに聞きました!/パイロットをめざす人に心がけてほしいこと

必要なのは
「正直さ」と「素直さ」

東海大学 工学部 航空宇宙学科
航空操縦学専攻
小林 久倫 教授
ANAのB787型機の機長として、ミュンヘン、シンガポール、台北など、主に国際線の乗務を続けながら、東海大学で学生を指導しているほか、UNDでは留学中の学生への訓練指導を行ったり、技能審査員などを務めたりしています

小林 パイロットは正直さ、素直さが求められる仕事です。なぜなら、パイロットの仕事はごまかしがきかないからです。飛行中のデータはすべてフライトレコーダーに記録されますし、1機の飛行機を動かすにあたっては、パイロットだけでなく航空整備士や客室乗務員などがチームになって行動するため、もしフライトマニュアルを守らずに飛行した場合は、その事実が明るみに出てしまうのです。そして、うそをついたらその上塗りをしなければならなくなり、それが積み重なると、やがては事故につながりかねません。ですから、パイロットをめざす小学生の皆さんは、「明るく元気であること」、そして「素直さ」を忘れないでください。

 また、パソコンやスマートフォン、テレビなどの液晶画面で目を酷使することは、パイロットにとってはよくありません。ゲーム、インターネットは控えめにしましょう。また、イヤホンを使って大きな音で音楽を聴くのも耳に負担がかかります。パイロットにとって視力も聴力もとても大切な資質です。どちらも一度悪くしてしまうと、なかなか元に戻らないので、小学生のころから留意するようにしましょう。

 パイロットは、外に出かけたり、スポーツをしたりとアクティブな人が多いです。わたしも学生時代はテニスをしていました。小学生の皆さんも、今は受験勉強で大変でしょうが、時には屋外で体を動かすとよいでしょう。また、中学・高校ではスポーツをすると体力がつきますよ。

どの場面でも求められる
「コミュニケーション能力」

東海大学 工学部 航空宇宙学科
航空操縦学専攻
小谷 知行 教授
ANAのA320型機の機長。成田~瀋陽をはじめとする国内外の路線に乗務しながら、講義を担当。UNDで技能審査員を務めるほか、1年次の国家試験(学科)対策、4年次の就職試験対策などを行っています

小谷 パイロットは特別な資質が求められる仕事ではありません。もし、現時点で不足しているものがあったとしても、訓練を重ねることによってそのほとんどを補うことができます。

 ただし、実際の業務内容を考えると、パイロットはどの場面でもコミュニケーション能力が求められます。飛行機が出発地の空港を離陸してから目的地の空港に着陸するまでには、同乗するほかのパイロット、客室乗務員はもちろん、地上で飛行機の点検・整備・修理を行う航空整備士などがチームとなり、運航に携わっているからです。安全で快適な空の旅を実現するためには、パイロットが中心となってチームワークを発揮しなくてはなりません。

 また、フライトを安全に完了させるためには、事前準備をしっかりすることも必要です。出発地と目的地の天候、運航ルート、計器などを細かく確認しますが、誰かに見られていなくてもこれらの準備がきちんとできる、「自分に厳しい人」がパイロットに向いていると思います。

イラスト

「第51回 パイロット」:
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