受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあ何でも相談室

 お子さんが学習している様子を傍らで見ていて、「授業はどんどん先へ進んでいくが、この先、大丈夫だろうか」と不安になることもあるでしょう。もし、理解が不十分だと感じたら、早めに対処したいところ。今回は、新越谷校校舎責任者の安部雅信先生に、そんな不安を感じたときの対処法などについてお聞きしました。

第78回 「『きちんと理解できているのか?』をどう解決するか」回答者/新越谷校校舎責任者・安部 雅信先生

「何をやっているのか」すらわかっていなければ もう一度基本に立ち返る

 「理解できていない」と思う状況にもいろいろあります。お子さんの頭の中で「今、自分は何をやっているのか」ということがわかっていて、そのうえで学習を進めているのであれば、仮にテストで点数が取れていなくても、「理解できていない」という状態ではありません。計画的に精度とスピードを上げていけば大丈夫でしょう。
 心配なのは、「何をやっているのか」というイメージすらできていない状態です。この状態で勉強しても、成果は期待できません。もう一度基本に立ち返って、徐々にレベルアップしていき、テキストで求められている「ここまでは当然わかっているよね」というスタートラインまで押し上げる必要があります。
 テキストでいえば、基本問題の前にある説明や例がきちんと理解できるかどうかが、そのバロメーターといえるでしょう。この部分がしっくりいかない場合、たとえばそれが理科や社会ならば、関連する話(この場合、子ども向けにわかりやすくまとめられた漫画風の書籍を参考にしても構いません)で興味を引きつけたり、図鑑などを使ったりして、これから取り組む単元が身近なものであると感じさせる必要があるでしょう。また、算数であれば、わかりやすい整数で処理のできる簡単な例を作ったり、実際に近い図や絵から実物を想像させたりするのもよいでしょう。

自力で学習を進めやすいように“調整”し、 「やり切れた」という達成感を持たせる

 次は、知識を深めていくなかで「理解できていない」と感じたときの、学習の進め方です。学年、教科によって程度の違いはありますが、サピックスの教材は高学年になれば問題のレベルも上がって、こなす量も増えていきます。そうしたなかで、一概に「理解できていない」といっても、その程度・内容はお子さんによってさまざまです。
 授業では、次々に新しい単元に取り組んでいきます。その負担が本人にとって適度であれば、理想的なトレーニングになりますが、余裕を持って対処できる分量を超えてしまっていては「追いついていけない」「遅れている」といった“負い目”を感じて、学習に対して自分自身でブレーキをかけることもあります。このような状況では、実際は理解できているものがたくさんあったとしても、「多くのことが理解できずに進んでいく」という悪い印象だけが残ってしまうのも当然でしょう。
 そんな状態を避けるためには、良い意味で「割り切る」ことが大切です。今、お子さんにとって必要な学習とは何かを見極めながら、ある程度、取り組む問題の取捨選択をしていき、学習を進めやすいように“調整”してあげてください。目安としては、本人が「ちょうど何とかやり切れた」という達成感を得られる量。本人が「よくわかって(よくできて)終わる」という状態が大切です。それを意識して、サポートしてください。
 ただし、注意していただきたいのが、理解できていないことを隠す態度です。誰でも「本当にわかっているの?」と、否定的な要素を含んだ聞き方をされれば、反射的に「大丈夫だよ!」と答えるものです。そういう場合は、逆によく理解できていると思われるところを取り出して会話を進めていくと、「ここはわかるんだけど、こっちが難しいんだよね」などと、素直に打ち明けてくれることもあります。いずれにせよ、教材の取捨選択や声掛けの仕方で迷うようであれば、いつでもわれわれ講師にご相談ください。
 早い段階で、しっかりした学習姿勢を養っておくことも大事です。誰しも好きなことには集中し、やることが早いうえに、やっていても疲れないものです。反対に嫌いなものだったら「集中できない」「遅い」「疲れる」のは当たり前です。それがより強く表れるのが子どもで、低学年であればなおのことです。しかし、そんな低学年のうちだからこそ、好きなことに取り組む時間を増やしていくことで、高い集中力を養うこともできると思います。お子さんが興味を持ったことに目を向け、きちんと評価していくことが、しっかりとした学習姿勢を育むことにつながります。そんな学習姿勢があれば、たとえ「理解できていない」という壁にぶつかったとしても、十分に乗り越えていけると思います。

ページトップ このページTopへ