受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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 サピックスでは、授業で学んだことを家庭で復習し、テストで定着度を確認するという一連のサイクルで学習を進めています。テスト結果についてはこれを上手に活用し、学習方法の改善などに生かしたいところですが、国語については「どのように『テスト直し』に取り組めばよいのかわからない」と、悩むご家庭も少なくありません。そこで今回は、国語のテスト直しの方法について、お茶の水校校舎責任者の中嶋守行先生にお聞きしました。

第81回 「国語のテスト直しの効果的な進め方とは?」回答者/お茶の水校校舎責任者・中嶋 守行先生

「文章を理解していない」ことが誤答の原因 理解を促すためには、保護者の方との会話が必要

 国語のテスト直しに関する質問のなかで多いのが、「記号の選択問題で失敗した。どんな勉強が効果的なのか」「抜き出し問題が解けなかった。どうしたらよいか」といったように、設問のタイプごとに改善策を教えてほしいというものです。
 しかし、誤答の原因は設問のタイプにあるわけではありません。その大半は、そもそも文章をきちんと読めておらず、「内容を正確に理解できていなかった」ことに原因があります。文章を理解していない状態でどんな設問に取り組んでも、正解にはたどり着けません。そこで、テスト直しに取り組む際は、何より文章をきちんと読み、内容を理解することから始めるようにしてください。
 とはいえ、テストのときに理解できなかった文章を家で独りで読み返しても、「急に読解力が上がって理解できた」ということはあり得ません。そこで、保護者の方が一緒に文章を読み、お子さんの理解を促すように、会話してあげてほしいと思います。
 たとえば、文章をいくつかのまとまりに分け、「ここまでの段落はどんな内容だったかな?」「ここには、こんなことばが出てくるけれど、筆者は何を言いたいんだろう?」などと、そこに何が書かれているのか、整理・分析をしてください。内容が理解できれば、自然と解けるようになるでしょう。
 また、話題のつながりを意識することも大切です。「この部分の内容が、この部分に書いてあることばの理由になっている」などと、つながりを結んでいくと、その先に抜き出し問題の答えが書いてある場合もあり、意外に簡単に正解にたどり着くことができます。

過去に取り組んだ文章とのつながりを意識し、 頭のなかにリンクを張り巡らせていく

 保護者の方が一緒に行うテスト直しは、主体的な学習とは思えないかもしれませんが、テストの問題については講師が授業などで解説する機会がないので、大人がそばについて解説することが必要なのです。
 テストに限ったことではありませんが、大人向けに書かれた文章を読んで問題に取り組む場合には、実体験や語彙の少ない子どもが独りで何回読んでも、きちんと理解するのは難しいでしょう。また、学年が上がっていくと、テストなどで扱われる文章の漢字にはルビが振っていないことが多くなります。この場合、ことばの読み方や意味がわからないと、テスト直しの効果も期待できません。だからこそ、理解できないニュアンスやことばについて、その場ですぐに解説してくれる大人の存在が必要となるのです。
 もう一つ大切なのが、過去に取り組んだ文章とのつながりを意識させていくことです。国語を苦手とするお子さんほど、毎回のテストで目の前の文章を読んだとき、一度読んだ文章とのつながりが意識できておらず、その場で一から考えていくような“単発勝負”をしている傾向にあります。
 そこで、扱っているテーマやシチュエーション、登場人物たちの心の動きなどが、過去に取り組んだテストの文章と類似性があれば、「この部分は、前のテストにあった文章とよく似ているね」と、お子さんの記憶を喚起するように声を掛けるようにしてください。このように、頭のなかに過去に取り組んだ文章とのリンクを張り巡らせていくことで、「こういうときは、人はこのように思うものだ」といったように、一般常識が積み重なっていきます。それが知識として定着していき、独りで読める文章が増え、得点力アップにつながっていきます。ぜひ試してみてください。

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